トルコリラ週報:『CPI上昇するも上値は重たい。来週はトルコ中銀会合に注目』(7/10朝)

トルコリラの対円相場は、週後半にかけて値を崩し、6/22以来、約2週間ぶり安値となる12.57円まで下落しました。

トルコリラ週報:『CPI上昇するも上値は重たい。来週はトルコ中銀会合に注目』(7/10朝)

CPI上昇するも上値は重たい。来週はトルコ中銀会合に注目

〇今週のトルコ円、トルコ物価指数の上昇と利下げ観測後退に7/6(訂正×7/9)に12.85まで上昇
〇その後はコロナ変異株感染拡大とリスク回避ムードに12.57まで下落、12.72前後で越週
〇トルコ円週後半の値崩れで、テクニカルの地合い悪化
〇ファンダメンタルズもトルコの金融政策、経済先行き不透明感等売り材料残る
〇トルコ円下落をメインシナリオとして予想、来週の予想レンジ(TRYJPY):12.40ー13.00

今週のレビュー(7/5−7/9)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初12.77円で寄り付いた後、@トルコ6月消費者物価指数(結果17.53%、予想16.80%)および、Aトルコ6月生産者物価指数(結果42.89%、予想41.40%)の伸び率上昇や、B上記@Aを背景としたトルコ中銀による利下げ観測後退(※トルコ中銀カブジュオール総裁は「インフレが持続的な低下を示唆するまで政策金利はインフレを超える水準を維持する方針」を示している為、今週のようにインフレ率が上昇する局面では利下げ観測の後退に繋がり易い)が支援材料となり、翌7/6にかけて、週間高値12.85円まで上昇しました。しかし、一目均衡表基準線に続伸を阻まれると、C世界的な新型コロナウイルス変異株の感染拡大懸念や、Dグローバルな株安を背景としたリスク回避ムードの再燃、Eインフレ高進を背景としたトルコリラの実質金利低下が重石となり、週後半にかけて、週間安値12.57円まで反落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、結局12.72円前後での越週となっております。

来週の見通し(7/12−7/16)

トルコリラの対円相場は、週後半にかけて値を崩し、6/22以来、約2週間ぶり安値となる12.57円まで下落しました。この間、一目均衡表転換線やボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆するパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的に見て、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となっております(来週は遅行線が26日前のローソク足を下抜ける可能性が高く、実現すれば強い売りシグナルを示唆する三役逆転も再点灯→もう一段下落圧力が強まる恐れあり)。

ファンダメンタルズ的に見ても、トルコと世界各国との金融政策格差(多くの国でテーパリングや利上げが織り込まれる中、トルコでは依然として年内複数回の利下げが織り込まれている状況)や、国内から国外への資本流出圧力(中銀の独立性に対する不信感)、トルコ経済の先行き不透明感など、トルコリラの下落を意識させる材料が複数残っています。今週はインフレ高進を手掛かりに利下げ観測が後退しましたが、トルコ中銀はエルドアン大統領の方針の下、そもそもインフレ抑制手段としての利上げカードを切りづらいことから、インフレ高進の場合も、結果として実質金利低下→リラ売りに繋がり易い特性があります(つまり、トルコにおいては、インフレ鈍化の場合も、インフレ高進の場合もリラ売り材料)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は、7/12に予定されているトルコ5月失業率や、7/13のトルコ5月鉱工業生産、同小売売上高に加えて、7/14のトルコ中銀金融政策決定会合に注目が集まります。今週発表されたインフレ指標が軒並み上昇を示したことから、政策金利は現行の19%で据え置かれる可能性が高く、サプライズは無いと予想されます。但し、エルドアン大統領やカブジュオール総裁の発言(見解)には注意が必要でしょう。

来週の予想レンジ(TRYJPY):12.40ー13.00

注:ポイント要約は編集部

CPI上昇するも上値は重たい。来週はトルコ中銀会合に注目

トルコ円日足

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