レンジ取引継続か、コロナ感染が再び俎上に(6/28夕)

週明け28日の東京市場はレンジ取引。110円後半、20ポイント強という狭いレンジ内での一進一退に終始している。

レンジ取引継続か、コロナ感染が再び俎上に(6/28夕)

レンジ取引継続か、コロナ感染が再び俎上に

〇本日のドル円、110円後半、20ポイント強という狭いレンジ内での一進一退に終始
〇英、デルタ株急拡大で26日の新規感染1万8270人、2月上旬のロックダウン時以来の水準
〇本日は目立った米経済指標の発表なし、NY連銀総裁など通貨当局者の講演に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.20-111.00
〇強い抵抗は年初来高値の111.11、目先的には111、110.85-90なども弱い抵抗
〇ドル安・円高方向は先週末に記録した安値110.48が最初のサポートに

<< 東京市場の動き >>

週明け28日の東京市場はレンジ取引。110円後半、20ポイント強という狭いレンジ内での一進一退に終始している。

前週末、IAEAが「イランから返答なく、核査察受け入れの暫定合意が期限切れ」となったことを明らかにし、物議を醸す。また、バイデン米大統領は、野党共和党が猛反発していた、かつて自身が発した「インフラ投資の署名拒否発言」を撤回すると公表している。
そうした状況下、ドル/円は110.75-80円前後で寄り付いたものの、積極的な動意は手控えられ、110.60-85円といった20ポイント強の一進一退に。狭いレンジでの値動きで、明確な方向性もうかがえなかった。16時現在、ドル/円は110.65-70円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「イラン情勢」と「英国情勢」について。
前者は、前述したとおり、IAEAが「イランから返答なく、核査察受け入れの暫定合意が期限切れ」となったことを明らかにするなか、米国務長官は「深刻な懸念だ」と述べていた。また、同長官は「イランが核合意を順守した場合にのみ、我々は復帰する」と改めて指摘していたようだ。一方、イラン国内メディアは、合意の失効を受けて、同国のガリバフ国会議長が「一部核施設内の映像をIAEAに引き渡すことは決してしない」と表明したと報じ、こちらも別途思惑を呼んでいる。

対して後者は、英政府が「デルタ株急拡大で26日の新規感染は1万8270人になった」と発表したことが話題に。何故なら、感染が拡大し厳しいロックダウンを敷いていた2月上旬以来の水準であるためで、第4波到来懸念も取り沙汰されていた。また、そうしたなか英国でコロナ対策を担うハンコック保健相が、感染予防のために屋内で他人との距離を保つことを求めた政府の指針に違反したとして、引責辞任を発表。先行き悲観に繋がっていた。なお、そんな英国とドイツの首脳は7月2日に会談を行う旨が正式発表されている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円の基本的なリスクは依然としてドル高方向にバイアスがかかるも、足もとは上値も攻め切れない。事実、先週22日のNY時間以降はザックリ言って110.50-111.10円といったレンジ取引だ。さすがにレンジが狭い感じだが、それでもいましばらくは前記60ポイントのレンジ取引が続く可能性も否定できない。
市場は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向に注目。そうしたなか、本日も米通貨当局者の講演などが複数予定されており、強気コメントが続くことに期待を抱く向きも多い。また、それとは別に感染力が強いデルタ変異種めぐる新型コロナの感染拡大への関心も再燃しつつあるようだ。先で取り上げた英国のほか、豪州も26日夕方からシドニー全域でロックダウンが実施されている。日本はホスト国として、東京オリンピックの開催を控えていることもあり、マーケット参加者ならずとも追加情報などには注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、まだ1週間にも満たないごく短期だが、ドル/円は110.50-111.10円といった非常に狭いレンジにとどまっている。週末の米雇用統計発表までは、そんなレンジ取引が続くとの見方もある。
ともかく、まずは前述レンジをめぐる攻防が注視されており、上抜ければ111円後半、逆に底割れすれば110円を下回る可能性もありそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は目立った米経済指標の発表は予定されていないものの、NY連銀総裁をはじめ引き続き通貨当局者の講演など発言機会は多い。また、別途「中露首脳がテレビ電話で協議実施」との報道も観測されており、注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.20-111.00円。時間足など短期のチャートを見ると、ドルの上値は少しずつ切り下がっている。強い抵抗となると、もちろん年初来高値の111.11円だが、目先的には111円、110.85-90円なども弱い抵抗で攻防を注視。
対するドル安・円高方向は、先週末に記録した安値110.48円が最初のサポート。割り込めば移動平均の21日線なども位置する110円前後を意識されそうだ。

レンジ取引継続か、コロナ感染が再び俎上に

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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