ユーロは横方向でもみあい継続(週報6月第4週)

先週のユーロは、ユーロドルがじり高の展開となり、水曜には一時1.1970レベルまで上昇と3主要通貨ペアともに似た値動きの週前半となりました。

ユーロは横方向でもみあい継続(週報6月第4週)

ユーロは横方向でもみあい継続

〇先週のユーロドル、じり高の展開で水曜に一時1.1970レベルまで上昇
〇週後半は、金曜に一時的に週間高値を更新するも月末月初と米国雇用統計控えほぼ横ばい
〇今週発表のドイツとユーロ圏のCPI速報値が強い数字ならユーロ買いの動きにつながる可能性も
〇月末のロンドンフィキシングで需給に傾きがあるかどうかも注目
〇今週は1.1870レベルをサポートに1.1980レベルをレジスタンスとする流れ

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロは、週初の日経平均行って来いの動きによってドル円とともにユーロ円でも買い戻しが目立ったため、ユーロドルがじり高の展開となり、水曜には一時1.1970レベルまで上昇と3主要通貨ペアともに似た値動きの週前半となりました。週後半は金曜に一時的に週間高値は更新したもののほぼ横ばいの値動きでした。これは前週に300pipsとコロナショック後最大の値幅を記録したこともあり、月末月初そして米国雇用統計前に一休みになったというところでしょう。

今週のユーロは連日イベントが多いのですが、特にECB関係者の講演、ドイツとユーロ圏のCPI速報値が重要です。どの中銀もテーパリングが注目材料ではありましたが、前回FOMC後のパウエル議長会見でFRBのテーパリング思惑は後退しましたし、翌日のレーンECB専務理事(エコノミスト)の発言でECBのテーパリング思惑も後退しました。しかし、いつかは実施されるということも事実ですから、ドイツ、ユーロ圏のCPIが強い数字となれば、ザラバベースではあるもののユーロ買いの動きにつながる可能性はあります。

そして、今週固有の材料としては月末のロンドンフィキシングで需給に傾きがあるかどうか、そして米国材料ではあるものの最近の雇用統計は短期的に振れが大きいため念のために注意しておきたいところです。

ドル円同様ですが今週はユーロもテクニカルな面を中心に見ていきましょう。こちらは月足チャートです。

ユーロは横方向でもみあい継続

ユーロドルに限らずポンドもクロス円も2018年前半の水準が非常に重要なポイントになっていてポンドドルでは同水準間近まで迫って反落したことがその後のポンドの大幅な下げにつながりました。ユーロドルの場合、2018年2月の高値1.2555レベルまでまだ距離はありますが、長期的に非常に重要なポイントとなっていて、ポンドドルとともに同水準に近づく際には常に注意しておきたい水準と言えます。

次に日足チャートです。

ユーロは横方向でもみあい継続 2枚目の画像

6月のユーロドルは前週に大きく下げたことから先週は調整の買い戻しの動きとなりましたが、5月高値と6月安値の38.2%戻しが1.2007と1.20の大台と重なっていること、そして5月安値圏とも重なっていることもあり、当面は1.20の大台がレジスタンスとなってきます。しかし目先ではいったん安値を見た感があり、6月安値の1.1847レベルと1.20の大台の間で日々の材料で上下するものの方向感は出て来ないというのが今週のイメージです。

今週は1.1870レベルをサポートに1.1980レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週のコラム

今週は本文の説明でも出たポンドドルの月足チャートです。

ユーロは横方向でもみあい継続 3枚目の画像

ポンドドルは今月1.4249レベルと2018年4月高値1.4377レベルにかなり近づきましたが、その際に買いに傾いたこともあって反落につながりました。ポンドも2018年高値を上抜けると長期的に一段高となるため、7月以降年後半の大きなテクニカルな材料として引き続き注目材料となります。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

6月28日(月)
15:00 ドイツ5月輸入物価
21:00 ドイツ連銀総裁講演
24:00 デギンドスECB副総裁講演

6月29日(火)
15:00 英国6月住宅価格
15:45 フランス6月消費者信頼感
18:00 ユーロ圏6月消費者信頼感
21:00 ドイツ6月CPI速報値
24:45 フランス中銀総裁講演

6月30日(水)
15:00 英国1〜3月期GDP改定値
15:45 フランス6月CPI速報値
15:45 フランス5月PPI
16:55 ドイツ6月失業率
18:00 ユーロ圏6月CPI速報値

7月1日(木)
15:00 ドイツ5月小売売上高
16:50 フランス6月製造業PMI
16:55 ドイツ6月製造業PMI
17:00 ユーロ圏6月製造業PMI
17:30 英国6月製造業PMI
18:00 ユーロ圏5月失業率
18:00 英中銀総裁講演

7月2日(金)
18:00 ユーロ圏5月PPI
21:30 米国6月雇用統計
21:30 ラガルドECB総裁講演

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

6月21日(月)
ユーロドルはユーロ円がドル円同様に株価下げの後の上げの動きとなったことから、下げ局面でユーロドルは横方向の動きとなっていたものの、上昇局面ではユーロドルは上昇、金曜に下げる前の水準へと戻しました

6月22日(火)
ユーロドルは東京市場では若干上値が重たい程度で動意薄の流れが続きましたが、NY市場では前日に続きドル円の上昇とともにユーロ円でも買いが強まったことから1.1953レベルまで上昇後に若干押して引けました。

6月23日(水)
ユーロドルはドル円とともにユーロ円の買いも強まったこと、またドイツのPMI速報値が強かったこともあり欧州時間に買いが強まり、NY朝方には1.1970レベルの高値をつけました。しかしNY市場では全般的なドル高の動きに引っ張られて1.1920レベルへと押し上値の重たい地合いでの引けとなりました。

6月24日(木)
ユーロドルはドルじり安の動きからNY市場朝方に1.1956レベルの高値を付けましたが前日高値は超えられず反落。NY市場では1.19台前半の狭い値幅で動意薄の展開のまま引けました。

6月25日(金)
ユーロドルはNY市場まではドルがやや底堅い展開となり、NY市場に入って直後は指標に反応してのユーロ買い、一時1.1975レベルと週間高値をつけました。その後は米金利に反応してのユーロ売りとなっていましたが、ドルとしての動きが円もユーロもほとんど同じであったことから、ユーロ円は一日のレンジが33銭にとどまりました。

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