ドル/円は年初来高値が視界内、攻防に注目(6/17夕)

17日の東京市場はドルが小じっかり。前日記録したドルの戻り高値を再び更新したものの、年初来高値110.97円には依然としてとどいていない。

ドル/円は年初来高値が視界内、攻防に注目(6/17夕)

ドル/円は年初来高値が視界内、攻防に注目

〇本日のドル円、一時110.80-85へと小幅に値を上げた後寄り付きレベルで推移
〇テクニカルには年初来高値110.97がターゲット、更新なら111円半ばから後半が上値メドに
〇本日は6月フィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件数などの米経済指標に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.20-111.30

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場はドルが小じっかり。前日記録したドルの戻り高値を再び更新したものの、年初来高値110.97円には依然としてとどいていない。

ドル/円は110.65-70円で寄り付いたのち、ドルは底堅く推移。110円台後半は4月初旬以来ということで実需筋などから散発的なドル売りが観測され、上値を抑制する一因に。ただ、リスクは依然としてドル高方向に高そうで、頭も重いながら一時110.80-85円へと小幅に値を上げる局面も観測されていた。16時現在では寄り付きとほぼ同じレベルの110.65-70円で推移、欧米市場を迎えている。
なお、前日NY時間の最終盤に売りがかさんだランドだったが、東京早朝にボトムを付け、その後はやや持ち直しの動き。対円では7.86円あたりを目先ボトムに一時7.9円台も。

一方、材料的に注視されていたものは、「米FOMC」と「米露首脳会談」について。
前者は、日本時間の本日未明から早朝にかけて米FOMCの結果が発表された。FF金利の誘導目標については予想通りの「据え置き」となったものの、2023年末までに2回の利上げを見込んでいることが示唆されたうえ、経済回復の進展次第で利上げ開始時期が前倒しされる可能性が示されている。為替市場は、それらを素直に好感した格好でドル買いの反応。対円では一時110.72円まで値を上げた。
対して後者は、スイスでバイデン氏とプーチン氏による米露首脳会談が実施され、「軍備管理協議入りで合意」したことが明らかとなった。終了後に発表された共同声明でも「近い将来に戦略的対話の枠組み創設へ」などといった文言が盛り込まれている。また、会談では「ロシアの人権侵害問題」や「米国に対するサイバー攻撃」についても議論がなされたもようだが、これらについては声明などでとくに言及はなされていない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、前述したような米FOMCを受けて、過去2週間程度のレンジ上限にあたる110.33円を超えてきた。そしてドルは本日東京時間さらに続伸すると、110.97円の年初来高値を意識した動きとなっている。短中期のレンジを上抜けてきたことに加え、年明け以降のドル/円相場はまだ8.38円しか動いていないこともあり、まだまだ動意余地が大きいとみられ、ドルの続伸を期待する声が少なくないようだ。
昨日のFOMCを受け、市場では早期テーパリング観測が再び高まってきた感を否めない。予想以上のタカ派な内容だったことで、このあと発表される米経済指標の内容にも期待を抱く向きも多くなってきた。発表される米経済指標が好数字となれば、為替市場もドル買いで反応する可能性がある。ただ、若干の気掛かりは、米利上げ観測の副作用とも言える米株安の動き。昨日200ドル以上も下落したNYダウなどが、さらに続落すればドル買いに一旦歯止めがかかることになるかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日NYで110.72円まで上昇。そして本日東京でドルはさらに続伸している。年初来高値110.97円が名実ともターゲットとして意識されていることは間違いない。なお、仮に年初来高値を更新した場合には、111円半ばから後半が取り敢えずの上値メドとなりそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、6月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定だ。前述したように昨日のFOMCは強気の内容だっただけに、良好な指標内容となれば、早期テーパリング期待がさらに高まる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.20-111.30円。本日東京高値の110.80-85円が最初の抵抗。抜ければ110.97円、そして111円台乗せも否定できない。
対するドル安・円高方向は、FOMC発表前まで抵抗として寄与した110.20円レベルをめぐる攻防にまずは注目。ただ、割り込んでも現状であれば買い遅れ筋のビッドも厚く、かなり底堅そうだ。

ドル/円は年初来高値が視界内、攻防に注目

ドル円日足

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