ドルに続伸期待かかるも、基本はFOMC待ちか(6/15夕)

15日の東京市場はドルが底堅い。値動きそのものは20ポイントにも満たないなか、前日回復した110円台は取り敢えずキープしている。

ドルに続伸期待かかるも、基本はFOMC待ちか(6/15夕)

ドルに続伸期待かかるも、基本はFOMC待ちか

〇ドル円、米FOMC待ちで売買は控えられるも110円を割ることなく欧米市場を迎える
〇日経平均が終値ベースで279円高と上昇するも材料視はされず
〇NATOが首脳会議を開き中国を安全保障上のリスクと認識との共同声明を採択、対中包囲網がより強まる
〇本日発表の米経済指標が良好な数字ならばドルが続伸し、高値110.33を超えていく可能性も
〇6月NY連銀製造業景況指数や5月小売売上高など複数の重要指標に注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.60-110.40

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場はドルが底堅い。値動きそのものは20ポイントにも満たないなか、前日回復した110円台は取り敢えずキープしている。

ドル/円は110.05円レベルで寄り付いたものの、動意に乏しい。日経平均が終値ベースで279円高と大きく上昇したものの材料視されなかった。15-16日に開催されるFOMC待ちで売買は全体的に手控えムード。ただ一度も110円を割ることなく、ドルは底堅い値動きをたどると、16時現在ではほぼ寄り付きと同じ水準で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、ここ数日間は強含みが目に付いたトルコリラは本日冴えない。とくに対円などでは夕方に掛けて売りに押される局面が目に付いた。前日実施された米国とトルコの首脳会談は、期待値が高かったが、結果がともなわず、市場では失望の声も聞かれた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「英国情勢」について。
前者は、11-13日に実施されたG7サミットの声明で、人権や台湾、香港などでも中国に懸念を表明する内容となったが、昨日は北大西洋条約機構(NATO)が首脳会議を開き、「中国を西側諸国に対する安全保障上のリスクと認識」した旨の共同声明を採択している。いわゆる対中包囲網がさらに強まっているように感じられた。なお、そうしたなか米CNNは別途、「中国広東省の台山原発から放射性漏れが起き、周辺地域の放射線量が高まっている」などと報じ、一部で話題になっていたようだ。

対して後者は、前日レポートしたように、「ジョンソン首相がロックダウン解除を7月19日に先延ばしする」ことを正式発表。それ以外でも北アイルランドをめぐる問題の膠着化など、全体的にパッとしない要因が目に付いたが、ブルームバーグは「英豪首脳が両国間の自由貿易協定(FTA)締結で大筋合意、15日に概要を発表する見通し」と報じており、こちらは数少ないポンドの支援要因に。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週1週間を通した66銭レンジの上限109.84円を上抜け、そのまま110円台へと乗せてきた。本稿執筆段階でもわずかながら110円台は維持しており、ドルは底堅さを醸している状況だ。市場では、今回こそ「ダマシ」ではないドル続伸を見込む向きも多く、過去2週間程度のレンジ上限にあたる110.33円を超えていく展開を期待する声が多いものの、果たして実際のところはどうだろうか。
市場では、引き続き広義の米ファンダメンタルズと金融政策に注目。そうしたなか、本日はなかなか多くの米経済指標が発表される見込みで予断は許さず。良好な数字が連続すれば、ドルは続伸し、前述した高値110.33円を超えていく可能性も考えられる。ただ後者部分、米金融政策という点からすれば、明日に結果発表が行われるFOMCを見極めたい向きが大勢で、基本的にはそちら待ちか。油断禁物だが、110.33円を上限とするレンジブレークは明日以降に持ち越されるとの見方が優勢だろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は109.84円を上限とした目先の小レンジを昨日上抜けたものの、過去2週間を超える約1.1円レンジ(109.18-110.33円)の上限は超えることができなかった。次は大レンジの上限である110.33円をめぐる攻防が注目されている。超えた場合には、一本調子に到達するかは別にして、年初来高値110.97円がターゲットとして意識されることになりそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、複数の米経済指標が発表される予定だ。たとえば、6月のNY連銀製造業景況指数や5月の小売売上高などのほか、5月の鉱工業生産や6月のNAHB住宅市場指数など重要指標が相次ぐ。それ以外では、「米加当局者が15日、コロナ感染拡大にともない導入した両国間の陸路入国制限の解除方法について話し合う」ことを注視する向きも。進展度合いによっては、経済活動のさらなる回復期待に繋がる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.40円。本日高値にあたる110.15円レベルが最初の抵抗。上抜ければ前回高値でありレンジ上限の110.33円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、これまで抵抗として寄与していた109.80-85円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと安値109.18円が薄っすら視界内に入ってくる。

ドルに続伸期待かかるも、基本はFOMC待ちか

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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