ユーロ圏5月消費者物価指数(HICP)予想
(2021年6月1日18時00分発表予定)
本日、ユーロ圏の5月消費者物価指数(HICP)速報値が18時に発表されます。これに先立ちドイツの5月失業率関連指標、またHICPと同時刻には、ユーロ圏の4月失業率(予想一覧表をご参照願います)などが予定されています。最近は金利への注目度が高いので、今日の数値も予想レンジより上下に振れると、金利に影響を与え、為替にも材料となりそうです。またこの他に欧米の製造業PMI指数改定値が発表されますので、上方か下方かの修正値には注意したいと思います。
下図を見ると、5月はHICP全体(下図:青)、同コア(下図:オレンジ)共に小幅の上昇予想になっています。欧州中銀(ECB)の目標としているのはコアの数値ですので、まだ2%までは十分余裕含みの予想となっています。従い、コアで予想レンジ外になった場合のみ注目したいと思います。
ユーロ圏HICP
2021年6月1日9時現在予想
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑はECBインフレ目標値上限2%)
ECBもコロナワクチンの接種拡大に伴う景気回復に、年内はインフレが高まると予想していますが、まだ心配するような水準にはなっていません。米国ほど物価高への影響が出ていません。ユーロ圏の失業率も改善傾向を辿っていますが、米国ほどの勢いはなく、ワクチン接種拡大の好影響はこれからの感じです。
尚、ユーロスタットの作成したHICPコアの見通し(2021年3月時)は2021年末に+1.5%、2022年+1.2%、2023年+1.4%です。今月に改定される可能性がありますので、6月10日開催のECB金融政策が注目されます。
以下は本日発表予定のユーロ圏経済指標です。
2021年6月1日9時現在予想
下図はユーロドルの週足チャートです。2020年3月からのユーロ高サポートはラインAの1.1670にあります。その後はラインB(=1.1900)とそこから平行線に上げたC(=1.2830)で大きなユーロ高トレンドを形成しています。目先はD(=1.2350)のダブルトップで一度頭を抑え込まれそうです。Cに向かうにはこのDをこなす必要があります。逆に上値を抑え込まれて調整すると、抵抗線を抜けたE(=1.2030)がサポートになり、次いでBのサポートになります。
(6月1日10:15 1ユーロ=1.2232ドル)
オーダー/ポジション状況
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