3. ECBのインフレ見通し(21/5/25)

ECBのインフレ見通し(21/5/25)

ECBは金融政策会合から2週間後に経済見通しを発表しています。次回の金融政策会合が6月10日に予定されています。

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ECBのインフレ見通し(21/5/25)

ECBのインフレ見通し

（各チャートの出所：ECB　HP）

ECBは金融政策会合から2週間後に経済見通しを発表しています。次回の金融政策会合が6月10日に予定されています。最近まで欧州金利が堅調に推移していますが、下記のレポートを見る限りまだインフレを懸念する状況にはないようです。ご参考までにご覧ください。

（１）ユーロの対各国通貨の強弱

（１）ユーロの対各国通貨の強弱

上図は①黄色（2020年4月21日以降）、②青（2021年3月11日以降）のユーロ対各国通貨の強弱です。0より右はユーロ高、左はユーロ安です。

最初のEER42はユーロとの主要貿易相手国42ヶ国で、①、②ともユーロ高です。①の期間でユーロ安は、上から英国、チェコ、スウェーデン、デンマークの4つだけです。逆に、ユーロ高は高い順にトルコ、ブラジル、日本、米国、ロシア、インドネシアの順になっています。

（２）HICPインフレの各項目分析

（２）HICPインフレの各項目分析

折れ線：HICP、一番右の直近（21年3月21日現在）をベースに、
青：エネルギー
緑：食品
赤：非エネルギー関連の産業品
オレンジ：サービス

HICPは昨年初（一番左の20年1月20日）とほぼ同じ水準まで回復してきました。構成項目も同じ様になっていますが、今回は青のエネルギーの割合が大きくなっています。

　

　

上図は全体のHICPから個別項目を除いた折れ線グラフになっています。赤い横線は1％の位置で引いています。一番高いのは緑色で過去から継続の一般商品インフレを示しています。紺色がHICPコアでエネルギーと食品を除いたもの。水色はECBがスーパーコアと呼んでいるインフレです。この2つが1％付近（赤の横線）で推移しており、まだインフレを心配するほどの状況にないとの見方になっています。

　

　

上図はHICPと期待インフレの数値です。
紺色の折れ線がHICPです。
オレンジの点線：コンセンサス・エコノミクス社のHICP
緑の丸：市場ベースの期待インフレ指数
緑の点線：ECB予想の期待インフレ
青の丸：ECB調査の専門予想家の期待インフレ（2021年2Q時点）
紫の丸：（同上、2021年1Q時点）
オレンジの丸：（同上　2020年4Q時点）

全ての各項目が2025年まで2％を越えていません。現状の期待インフレもまだ弱いものになっています。

　

　

上図はユーロドルの日足です。3月末からユーロ高トレンドラインはA（＝1.2135）とB（＝1.2305）、ないしB’（＝1.2355）になっています。現在はC（＝1.2245）の横抵抗線に止められています。越えればBとB’に向かいますが、D（＝1.2345）にダブルトップの高値があります。万一、Aを切れると1.2060、1.2000～10のサポート狙いになります。

（5月25日15:00　1ユーロ＝1.2224ドル）

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