関心高くなく、基本はレンジ取引続く見込み(5/20夕)

20日の東京市場はレンジ取引。109円台前半における20ポイント強という値動きで、依然として方向性は乏しかった。

関心高くなく、基本はレンジ取引続く見込み(5/20夕)

関心高くなく、基本はレンジ取引続く見込み

〇本日のドル円、109.05-30の狭いレンジ内での一進一退に終始
〇昨日発表のFOMC議事録で金融政策変更に言及、政策金利引き上げ議論がさらに強まる可能性も
〇本日発表5月フィラデルフィア連銀景況指数や新規失業保険申請件数などに要注意
〇テクニカル的には下降に歯止めがかかりドル上限109.78へと向かう展開が予想される
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.60-109.50

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場はレンジ取引。109円台前半における20ポイント強という値動きで、依然として方向性は乏しかった。

ドル/円は109.15-20円で寄り付いたものの、積極的な動意に乏しい。昨日に続き、本日の東京時間も荒れ模様となった暗号資産(仮想通貨)ビットコインなどの動きを横目に見つつ、為替は全般的な手控えムードが強かった。ドル/円は109.05-30円といった狭いレンジ内での一進一退に終始している。16時現在ではレンジの中の下限、109.05-10円で推移しているものの、いまだ109円は割り込めていない状況だ。
なお、昨日3万ドル割れ近くまで一本調子、価格にして1万ドルを超える下落をたどったビットコインは本日も荒れ模様。ただ昨日とは異なり、早朝高値から4000ドル以上下落するも、目先底値を示現後は全戻しの「行って来い」。トータルで1万ドル近い変動をたどっている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「米FOMC」について。
前者は、前日から一部で聞かれていた話だが、ドイツのマース外相が、独露のガスパイプライン計画(ノルドストリーム2)をめぐる米国の制裁が一部見送られる方針であることを改めて明らかにしている。また、ロシア紙が「ロシアの安全保障会議書記が近く米大統領補佐官と会談する」と報じたうえ、米国務長官とロシア外相は実際の対面式会談に挑んだことが明らかになるなど、冷戦状態をたどる米露の関係改善を期待する声も少なくなかったようだ。今後の動静にも要注意。

対して後者は、昨日発表された4月27-28日分の米FOMC議事録要旨が、予想よりもタカ派的な内容となったと話題に。「当局は経済活動が急激に回復したと判断」などといった文言に加え、一部の政策担当者が金融政策の変更を検討し始める用意を示していたことが明らかになったのはポジティブサプライズとも言えそうだ。まだ道のりは遠いものの、米景気情勢次第では、政策金利引き上げ議論がさらに強まる可能性も否定できない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、時間足など短期ベースで底堅さを醸していた108.80円レベルを下回り108.58円まで下落するも、その後109円台へと回帰。結局、先月末から形成している108.34円を下限としたレンジを割り込んでいくことは出来なかった。引き続きレンジ放れの有無が注視されそうだが、現状では市場の関心が低いこともあり、基本的には109円挟みの一進一退が続くとの見方が有力だ。
前述したような、昨日発表された米FOMC議事録要旨による後押しもあり、米長期金利への上昇圧力はいましばらく続くとの声が多いものの、肝心の発表される米経済指標が全体的にまだら模様で、良好一辺倒でもなくなってきたことはやや気掛かり。そうした意味で、本日発表される5月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などは要注意。内容次第で為替市場も波乱含みか。

テクニカルに見た場合、ドル/円は高値109.78円を示現後、緩やかな下降をたどってきたが、ここにきてようやくその連鎖に歯止めが掛かった感もある。予断は許さないが、仮にその見方が正しいとすれば、大きくはレンジ内ながら、ドルの再び上限である109.78円へと向かう展開が予想される。なお、昨日安値108.58円ならびに108.34円を逆に下回れば、リスクは依然として下方向に高いということになる。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、5月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表されるほか、米国よりもラガルドECB総裁など欧州を中心とした通貨当局者の講演が多く予定されている。ユーロ/円は一貫した右肩上がりをたどっていることもあり、欧州発の材料にも要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.60-109.50円。本日東京高値を含め、時間足など短期ベースの抵抗となっている感のある109.30円前後が最初の抵抗。上抜ければ先週高値の109.78円も再び視界内に捉えられそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日ザラ場ベースでは割り込んだとはいえ、NYクローズベースでは維持された108.80円前後が本日も最初のサポートとして意識されている。割り込めば、昨日安値108.58円がターゲットに。

関心高くなく、基本はレンジ取引続く見込み

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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