ユーロ圏4月消費者物価指数(HICP)の予想
本日、ユーロ圏の4月消費者物価指数(HICP)速報値が発表されます。同時刻には、ユーロ圏の3月失業率、第1四半期GDP速報値(予想数値は予想一覧表をご参照願います)なども予定されています。金利への影響を見るとHICPの数値が敏感となりそうですが、4月はHICP全体(下図:青)では前月比上昇ですが、コア(下図:オレンジ)は下がる予想になっています。結果通りなら3ヶ月連続での下落になります。そしてGDP予想値は前期からは改善していますが、まだマイナス予想なので相場を1方向に加速させる場合も予想されます。日本時間17時にドイツの第1四半期GDP速報値(ユーロ圏より1時間先行)が発表されますので、ここから類推することになります。
ユーロ圏HICP
2021年4月30日9時現在予想
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑はECBインフレ目標値上限2%)
前回3月は全体・コア共に予想をやや下回りました。米国ほど物価高の影響がでていません。年始からの変異種ウィルス拡大が残っているようです。最近ではワクチン接種の拡大により先行き経済は楽観視しているので、今回も予想より良ければユーロ金利には好影響になりそうです。その際、ユーロ圏GDPの数値が予想通りやそれ以下の結果になってもユーロ買いになれば、第1四半期のGDPは過去の数値扱いになっていそうです。
尚、ユーロスタットの作成したHICPコアの見通し(2021年3月時)では2021年末に+1.5%、2022年+1.2%、2023年+1.4%です。今回1%未満でも次第に上昇するとの見通しです。
以下は本日発表予定の経済指標です。
(2021年4月30日9時現在予想)
(2021年4月30日9時現在予想)
下図はユーロドルの月足チャートです。今日のNY終値で月足ができますが、このまま終われば、3月の陰線を包む陽線になります。3月寄り値が1.2091(=D)ですので、今日の下値として意識されそうです。さて、ラインA(=1.1600)は2008年7月高値の1.6040から下げた抵抗線ですが、既に上抜けており、流れはユーロ高を示唆しています。
今年1月高値からはユーロ高の調整をしていましたが、4月に包み陽線が出れば調整一段落の形になります。そのポイントはDを守れるかと見ています。この場合は2018年高値からのE(=1.2380)方向がユーロ高の抵抗線としてあります。
一方でDを下回ると、まだユーロ買いのエネルギーが強まらずに、週足のサポート1.2010が下値ポイントになり、その次は3月安値の1.1700などが意識されます。尚、ユーロ高を支えているのはC(=1.1400)とB(=1.0760)になります。ここまで行くにはAを割り込んでくることが必要となります。
(4月30日10:45 1ユーロ=1.2122ドル)
オーダー/ポジション状況
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