ランド円レポート月曜版(2021年4月26日)

先週のランド円は、安値が7.49レベル、高値が7.62レベルとなり、前週のレンジの中で横方向の狭い値幅での取引に終始しました。

ランド円レポート月曜版(2021年4月26日)

ランド円レポート月曜版

〇先週のランド円は安値7.49レベル、高値が7.62レベルと横方向の狭い値幅での取引に終始
〇前週末の日米首脳会談で米国が対中姿勢を強めていたことも南アフリカにとって悪材料に
〇将来的なテーパリングが早期に行われる可能性は新興国通貨の上値を抑える材料に
〇今週はPPIと貿易収支発表、予想通りや予想より高い数字が出れば利上げ思惑が高まる可能性
〇今週は7.45レベルをサポートに、7.65レベルをレジスタンスとする週

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「上昇ウェッジの中での動きを続けると見て、7.47レベルをサポートに7.72レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.49レベル、高値が7.62レベルとなり、前週のレンジの中で横方向の狭い値幅での取引に終始しました。

先週のランドは、昨年高値7.74、2019年12月高値7.81というテクニカルに重要な水準を前週トライしきれなかったことから利食いを中心として上値の重たい展開でスタートしましたが、前週末の日米首脳会談で米国が対中姿勢を強めていたことも中国との貿易量が輸出入とも第1位である南アフリカにとっては悪材料と捉えられたようです。

また木曜にはバイデン政権が富裕層に対するキャピタルゲイン課税を倍増させる構想を打ち出しました。もともと富裕層への課税強化や法人税増税は公約でもあったため、米国の景気が回復軌道に乗る中で徐々に市場への悪材料を出していこうというところでしょう。直後に米国株式市場は大きく下げたものの、翌金曜には下げる前の水準へとあっさりと戻しました。しかし、他の金融市場ではリスクオフ気味に推移したものも多く、為替市場でも新興国通貨は上値を重くすることとなりました。

今週も米国の株式市場の動向は気になるところですが、FOMCではテーパリング(債券購入額縮小)についてどのような言及がされるのかが気になるところです。テーパリングが今回でなくとも次回以降のFOMCで検討される方向であれば、緩和縮小と取られ株式市場は悪材料としそうですが、景気回復が強いという面に焦点を当てるならば買われる可能性もあり、これは結果を見なければわかりません。いずれにしても将来的なテーパリングが早期に行われる可能性も出てきたことは新興国通貨の上値を抑える材料となるでしょう。

今週は南アフリカ国内の材料ではPPIと貿易収支があります。29日発表のPPIは前月は4.0%でしたが、今回(3月)の予想は4.5%となっていて、前週のCPIも高めの数字が出たことから、PPIも予想通りもしくは予想よりも高い数字が出てくると5月20日の中銀会合に向けて利上げ思惑が高まる可能性がありますので、念の為注意しておきたいところです。

テクニカルにも見てみましょう。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。

ランド円レポート月曜版

最近はドル円(下段)は着実に円高となっていますが、ドルランド(中段)も円以上のペースでランド高が続いているため、ランド円は高止まりを維持できている状況です。ただ、今週はランドにとっては好悪双方の材料が出やすく、先週の高値を超えていくほどの動きにはならないように思えます。

先週はさすがに値幅が狭すぎる一週間でしたから、先々週のレンジの中で若干底堅い動きを見ておきたいと思います。今週は7.45レベルをサポートに、7.65レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

注:ポイント要約は編集部

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る