1.19台後半を中心としたもみあいが続く(週報4月第3週)

先週のユーロは、週初から若干の押しを挟みながらもユーロ高の動きが続き、金曜には1.1994レベルまで水準を切り上げました。

1.19台後半を中心としたもみあいが続く(週報4月第3週)

1.19台後半を中心としたもみあいが続く

〇先週のユーロ、米金利低下によるドル安の動きからユーロ高に
〇いっぽうで1.20の大台を前にした足踏み状態が続く
〇今週木曜のECB理事会においてユーロ高牽制、緊急債券購入プログラム加速についても言及か
〇新型コロナ感染者やワクチン接種はやや話題から遠く今週も材料視はされない
〇木曜までは高値圏でのもみあいを継続、理事会とPMIの数字を見て動きが出てくる可能性
〇今週は1.1925レベルをサポートに、1.2025レベルをレジスタンスとする動き

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロは、週初から若干の押しを挟みながらもユーロ高の動きが続き、金曜には1.1994レベルまで水準を切り上げました。しかし週後半は1.20の大台を前にユーロ売りも見られ上値の重さも感じさせることとなりました。

先週のユーロ高の要因はほぼ米金利低下によるものと言ってよくドル円とほぼ同じペースでドル安の動きとなったことからユーロ円は横方向への動きとなりました。13日に発表された米国3月CPIは2.6%と予想よりも更に強く2012年以来の高水準となりましたが、昨年3月と言えばコロナショック直後で比較対象となる前年CPIが極端に低かったことによる特殊要因と見る向きが多かったことになります。

このあたりの見方は以前からFRBが述べている現状のCPI上昇は一時的なもので再び落ち着くという見方と同一です。CPI発表で逆に材料出尽くしと見た向きが米債購入(金利低下)に動き、それを見た為替市場参加者がドル売りに動いたことが、その後週末までの流れを決定づけたと見てよいでしょう。

いっぽうで1.20の大台を前にした足踏み状態が続いていますが、これは今週のECB理事会において1.20の大台を上回る水準ではユーロ高を牽制する可能性があるのではないかという見方と、4月に入ってからの緊急債券購入プログラム加速についても何らかの言及があり、ユーロ安につながる可能性もあるという見方があるためと考えられます。最近は新型コロナ感染者やワクチン接種はやや話題から遠のいていて、新たな好材料か悪材料が出て来なければ、今週も材料視はされないでしょう。

今週は木曜のECB理事会とその後のラガルド総裁会見、そして金曜に欧州主要国の製造業・サービス業PMI速報値が注目材料となりますので、木曜までは高値圏でのもみあいを継続しやすく、理事会とPMIの数字を見て上下ともに動きが出てくる可能性があるというところではないでしょうか。

テクニカルにはユーロドルの日足チャートをご覧ください。

1.19台後半を中心としたもみあいが続く

1月につけた年初来高値も3月末につけた年初来安値も当面のレンジを既に形成した感じが強いのですが、1.20の大台に引いた水平線(青の太線)は3月にも上抜けに失敗しましたし、2月には一時的に下抜けたものの翌日には戻すといった動きで、今回も1.20の大台を前にどのような動きとなるか、テクニカルにも注目すべき水準と言えます。

年初来安値からの上昇に調整が入るとすれば3月安値と先週高値との23.6%押しとなる1.1925がターゲットとなりますし、仮に1.20の大台を上抜けるとすれば、年初来高値と安値の半値戻しとなる1.2026がターゲットとなります。理事会前か後かはわからないものの一度くらい大台をトライする動きがありそうな感じもします。

今週はテクニカルな観点から1.1925レベルをサポートに、1.2025レベルをレジスタンスとする動きを見ておきます。

今週のコラム

今週はユーロ円のチャートを見てみます。と言っても小ネタです。

今週のコラム

3月もユーロ円の値幅は狭かったものの、4月に入ってからのユーロ円は膠着相場と言ってもよいくらいに鈍い動きで、本日までの値幅はわずか1円11銭に留まっています。

ユーロがスタートした1999年以降のユーロ円で、これまで最も値幅が狭かったのは2019年11月の2円04銭でした。このままで行くと大幅に最小値幅更新となりそうです。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

4月19日(月)
08:01 英国4月住宅価格
18:00 ユーロ圏2月建設支出

4月20日(火)
15:00 ドイツ3月PPI
15:00 英国3月失業率

4月21日(水)
15:00 英国3月CPI

4月22日(木)
15:45 フランス4月企業景況感
20:45 ECB理事会
21:30 ラガルドECB総裁会見
23:00 ユーロ圏4月消費者信頼感速報値

4月23日(金)
08:01 英国4月消費者信頼感
15:00 英国3月小売売上高
16:15 フランス4月製造業・サービス業PMI速報値
16:30 ドイツ4月製造業・サービス業PMI速報値
17:00 ユーロ圏4月製造業・サービス業PMI速報値
17:30 英国4月製造業・サービス業PMI速報値

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

4月12日(月)
ユーロドルは東京市場ではドル円同様ユーロ円でも円買いの動きが強まったことからじり安の展開となり欧州市場前場に1.1871レベルの安値をつけました。その後は強めの欧州経済指標をきっかけとしたユーロ買い戻しと全般的なドル安の流れからNY市場では1.1919レベルへと水準を切り上げ高値圏でもみあって引けました。

4月13日(火)
ユーロドルは東京市場ではドル円の動きに引っ張られてユーロが売られた後にやや買い戻される動きとなっていましたが、欧州市場序盤の円高の流れで前日同様ユーロ円の売りも出たため、上値の重たい流れのままNY市場に入りました。強い米国CPIに反応した直後に1.1877レベルの安値を付けましたが、米金利急低下の動きとともに急反転、1.1956レベルまで上昇し高値圏での引けとなりました。

4月14日(水)
ユーロドルは終日じり高の流れとなりました。欧州市場ではECB副総裁が現在の政策を継続することを繰り返し、一時的に押しは入ったもののユーロは対ドル、対円ともに底堅い地合いを継続しNY市場では1.1987レベルまで水準を切り上げ、高値圏での引けとなりました。

4月15日(木)
ユーロドルは1.20の大台を前に上値が重く、東京市場は1.1990レベルから反落、欧州市場では再度1.1993レベルまで買われたものの反落し1.20での上値の重さを感じさせる一日となりました。NY市場では1.1956レベルへと水準を下げたものの取引は冴えない状態が続きました。

4月16日(金)
ユーロドルは東京前場こそドル円同様にドル買い・ユーロ売りが先行しましたが、後場以降はユーロが対ドル、対円ともに上昇し欧州市場では一時1.1994レベルの高値をつけました。しかし1.20の大台では相変わらず売りが厚く、高値圏でのもみあいとはなっていたものの、どちらかというと上値が重たい印象の週末クローズとなりました。

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