基本調整継続だが、ドル再上昇にも一応注(4/7夕)

7日の東京市場は「行って来い」。一時ドル安が進展、前日安値を下回る109.55-60円まで下落したが続かなかった。

基本調整継続だが、ドル再上昇にも一応注(4/7夕)

基本調整継続だが、ドル再上昇にも一応注意

〇ドル円日中高値109.90前後につけるも109.55-60へ下げ、16時現在は109.75付近で欧米市場を迎える
〇G7財務相・中銀総裁会議が開催、途上国への支援策の確認やIMF、世銀春季総会が行われる
〇本日発表される3/16-17開催のFOMC議事録要旨の内容でテーパリングについての議論の有無に注視
〇2月の米貿易収支や米地区連銀総裁らの講演など要人の発言にも注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.40-110.40

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場は「行って来い」。一時ドル安が進展、前日安値を下回る109.55-60円まで下落したが続かなかった。

ドル/円は109.75円レベルで寄り付いたのち、揉み合い推移をたどるなか、日中高値の109.90円前後を示現した。しかし、株価や金利の動きをにらみつつ、短時間で値を下げると109.55-60円へと軟化。ただ、下値も攻め切れず、再びドル買いがジワリと優勢となり、結局「行って来い」に。16時現在では寄り付きとほぼ同じ109.75円レベルで推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「いくつかの国際会議」について。
前者は、韓国の聯合ニュースが「北朝鮮、東京五輪に参加しない」と報じ物議を醸すなか、国際オリンピック委員会は「北朝鮮からは公式な申告が何もない」と困惑のコメントを発表した。そうしたなか、朝鮮中央通信を通じ、国連の対北朝鮮制裁委員会専門家パネルが発表した栄養状態などに関する報告書について、「荒唐無稽な捏造が行われている」と反発。また、先日の弾道ミサイル発射を批判した日本に対し、「地域の平和・安全を威嚇する張本人」と非難して兵器を廃棄するよう要求していたという。

対して後者は、まず英独仏が仲介役を務める形で、核合意への復帰を目指す米国とイランの間接協議が行われている。詳細については不明だが、共同通信ではイラン政府筋が「協議に前進があった」と前向きなコメントを残したと報じていた。また、それとは別にG7財務相・中銀総裁会議が開催され、新型コロナウイルス禍で困窮する途上国への支援策が確認されたほか、国際通貨基金(IMF)と世銀春季総会も行われ、イエレン米財務長官が講演を実施。新型コロナウイルス危機により露呈したノンバンクや世界的なサプライチェーン、社会的セーフティーネットの弱点を補うにはさらなる努力が必要だ、と訴えていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週31日に戻り高値110.97円まで上昇したのち右肩下がり。本日東京では109.55-60円まで続落している。年明け以降の値動きを振り返ると、目先高値を示現後に訪れる小幅な下押しは1週間で1.3円ほどの下げが最大(2月17日106.22円→同23日104.93円など)。今回も、まだギリギリそのなかには収まっている感も否めないところが気掛かりだ。とは言え、今回こそは本格的な調整局面入りとの見方も少なくない。
大きな流れはドル高だが、前述したように調整局面入りしたとみられることもあり、目先的にはその持続性を見極める展開か。そうしたなか、本日注視されているのは3月16-17日開催分のFOMC議事録要旨公開で、テーパリングについての議論の有無などがとくに注目されているようだ。いずれにしても、引き続き米株や金利の動きに左右されやすい環境であることは間違いないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は3月末高値110.97円から1.4円ほどの下押しが入っているものの、先で取り上げたように年明け以降のパターンからすれば、ここらあたりで下げ止まる可能性もゼロではない。ドルの再反発にも一応要注意。
ただ、仮に続落した場合の下値メドは109.30-40円まで切り上がってきた移動平均の21日線や、年明け安値102.60円を起点とした上げ幅のフィボナッチ23.6%戻しに当たる109円前後などとなる。本格的な調整局面であれば、いま一段の下押しも。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月の米貿易収支やFOMC議事録要旨などが発表される見込みで、まずはそれらに注目。また米地区連銀総裁らによる講演なども少なくないだけに、要人の発言にも一応の注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.40-110.40円。上方向は、ごく短期的な抵抗として意識されている110円レベルで、それを超えると110円半ば、そして110.75円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の109.55-60円をめぐる攻防に注目。下回れば移動平均の21日線が意識されそうだ。

基本調整継続だが、ドル再上昇にも一応注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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