トルコリラ円見通し 深夜の急落は解消、18日夜のトルコ中銀金融政策決定会合待ち(21/3/18)

トルコリラ円は3月17日深夜のドル高リラ安局面で14.27円まで急落して3月12日夜安値14.28円をいったん割り込んだが、その後の反騰で14.50円台まで切り返した。

トルコリラ円見通し 深夜の急落は解消、18日夜のトルコ中銀金融政策決定会合待ち(21/3/18)

深夜の急落は解消、18日夜のトルコ中銀金融政策決定会合待ち

〇トルコリラ円、14.27まで急落後反騰し14.50台まで切り返す
〇対ドルでも17日深夜7.63までいったん反落、FOMC後に7.48へ反騰
〇18日の中銀金融政策決定会合を控え大きな動きへは進み切れず、3/11以降はレンジ内推移
〇中銀の金融政策発表は20時、政策金利は現行の17.0%から18%への引き上げ予想
〇中銀利上げなどの反響で急伸する場合は14.80への上昇を想定
〇利上げ見送りなど急落商状発生なら14.10前後へ下値目途引き下げ、19日以降の続落を想定

【概況】

トルコリラ円は3月17日深夜のドル高リラ安局面で14.27円まで急落して3月12日夜安値14.28円をいったん割り込んだが、その後の反騰で14.50円台まで切り返した。
3月16日夜高値14.60円から16日深夜に14.43円まで下げた後は14.55円を挟んでほぼ横ばいの推移で様子見の展開となっていたが、米連銀のFOMC声明発表・議長会見が迫る中で米10年債利回りが急伸したことでドル高リラ安となり、横ばい推移からいったん転落した。しかしFOMC声明発表後は米長期債利回りが低下、ドル全面安となったことで持ち直した。

対ドルでのトルコリラは3月17日深夜に7.63リラまでいったん反落していたが、FOMC後には7.48リラへ反騰した。FOMCを控えて米10年債利回りが一時1.69%まで急上昇して昨年3月以降の最高水準を更新していた局面でドル高リラ安となったが、米10年債利回りが低下に転じ、FOMCが2023年末までの実質ゼロ金利政策の維持を改めて強調したことでリラも反騰した。しかし3月18日にはトルコ中銀の金融政策決定会合も控えているため大きな動きへは進み切れず、3月11日以降は7.4リラ台から7.6リラ台序盤までのレンジ内推移となっている。

【米FOMCのゼロ金利長期化を再確認でドル全面安、クロス円は全面高】

米連銀はFOMCにおいて政策金利と量的緩和政策を現状維持とし、2023年末までの実質ゼロ金利が維持される見通しを改めて強調した。
参加メンバーによる金利予想ではゼロ金利は少なくとも2023年末まで続けるとの見通しを維持したが、2023年末までに少なくとも1回の利上げを想定したメンバーが前回会合の5人から7人に増えた。参加メンバーによるインフレ率見通しでは従来の1.8%から2.4%に上方修正されたが、「雇用が完全に戻るまで忍耐強く金融緩和を維持する」とした。議長は会見では最近の長期金利上昇について無秩序な動きで金融が引き締まることを懸念していると述べたが特段の抑制姿勢は示さなかった。声明及び議長会見にサプライズはなかったもののインフレ進行と長期債利回り上昇による早期の金融引き締め懸念はひとまず後退した。

FOMC後にドルは全面安となり、ユーロドルは直前の1.190ドル前後の持ち合い状況から急伸して3月12日早朝高値に迫り、ポンド/ドルも12日午前高値に迫る反騰となった。豪ドル米ドルは12日午前高値を超える急伸となり、南アランドやメキシコペソなどのコモディティ通貨も直前の下落から反騰に転じた。
クロス円においてはユーロ円、ポンド円、豪ドル円、メキシコぺソ円、南アランド円が昨年3月ないし4月底以降の最高値を更新した。
トルコリラ円は2月16日と2月18日の両高値をダブルトップとして3月8日までいったん下げた後は持ち直しの動きに入っている。3月11日高値を超えずにいるが、トルコ中銀金融政策発表から戻り高値切り上げに入ればクロス円全般の上昇基調と同調して上昇再開感が高まると思われるが、市場が期待する追加利上げを決定できるかどうかによる。
トルコ中銀の金融政策発表は20時、政策金利は現行の17.0%から18%への引き上げが予想されている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、3月17日深夜にいったん急落してから反騰しているため、3月12日夕安値から3日を経過した3月17日深夜安値を直近のサイクルボトムとして新たな強気サイクルに入ったと思われる。高値形成期は16日夜高値を基準として19日夜から23日夜にかけての間と想定されるので、トルコ中銀の金融政策発表から上昇継続なら週末から週明けへの上昇を想定し、中銀の政策発表から下落に転じる場合は下落再開を警戒し、17日深夜安値割れからは新たな下落期に入るとみて22日夜から24日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では3月17日深夜の急落でいったん両スパンがそろって悪化したが、その後の反騰で先行スパンへ潜り込むところまで戻している。このため先行スパン突破からは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから再び転落した状況が続く場合は下げ再開を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は17日深夜の急落時に20ポイント台序盤へ急落したが、その後は50ポイント台を回復した。50ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとするが、40ポイント割れからは下げ再開を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、14.45円を下値支持線、14.61円を上値抵抗線とする。
(2)14.45円以上での推移中は上昇余地ありとし、14.61円超えからは14.70円前後への上昇を想定する。中銀の利上げなどの反響で急伸する場合は14.80円への上昇を想定する。一段高状態を維持しての推移なら19日以降も高値試しを続けやすいとみるが、一時的な急騰後に政策金利発表前水準を割り込む場合は材料出尽くしによる反動安入りを疑う。
(3)14.45円割れからは下げ再開を警戒、14.40円割れからは14.20円台後半への下落を想定する。中銀の利上げ見送りなどによる急落商状発生の場合は14.10円前後へ下値目途を引き下げ、19日以降の続落を想定する。

【当面の主な予定】

3月18日
 19:30 2月 自動車生産台数 前年比 (1月 -3.3%、予想 4.5%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 17.0%、予想 18.0%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 翌日物貸出金利 (現行 18.5%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 翌日物借入金利 (現行 15.5%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 後期流動性貸出金利 (現行 21.5%)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 3/12時点(532.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 3/12時点(115.7億ドル)

3月22日
 17:00 2月 観光客数 前年比 (1月 -71.48%)
3月24日
 16:00 3月 消費者信頼感指数 (2月 84.5)
3月25日 トルコ中銀金融政策決定会合議事要旨公表
 20:30 週次外貨準備高
3月26日
 16:00 3月 製造業景況感 (2月 109.3、予想 107.0)7
 16:00 3月 設備稼働率 (2月 74.9%、予想 75.0%) 

注:ポイント要約は編集部

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