ドル/円は基本レンジか、ユーロの動き注意(3/11夕)

11日の東京市場はドルが小じっかり。「寄り付き安・大引け高」の様相で、見た目以上にドルが強い印象だった。

ドル/円は基本レンジか、ユーロの動き注意(3/11夕)

ドル/円は基本レンジか、ユーロの動き注意

〇本日のドル円、ドルが強く夕方に掛けて108.80前後まで続伸
〇円は対ドル以外でも弱含みの傾向、ポンド/円は151円半ばまで値を上げ年初来高値更新
〇米国務省「18日に米中の外交トップがアラスカ州で会談」を正式に決定
〇1.9兆ドル規模の追加経済対策法案、与党民主党議員のみで可決
〇本日は、週間米新規失業保険申請件数、ECB政策金利発表などに注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.30-109.10

<< 東京市場の動き >>

11日の東京市場はドルが小じっかり。「寄り付き安・大引け高」の様相で、見た目以上にドルが強い印象だった。

ドル/円は108.35-40円で寄り付いたのち、しばらくは低位揉み合い。当初は米長期金利の上昇一服が取り沙汰されるも、あまり材料視はされず。108.35-45円という極めて狭いレンジ取引をたどったが、上抜けすると、そのまま夕方に掛けては108.80円前後まで続伸した。16時現在、ドルはそのまま日中高値圏をキープ、欧米市場を迎えている。
なお、円は対ドル以外でも依然として弱含みの傾向が続き、なかでもポンド/円は151円半ばまで値を上げ、年初来高値をまたもや更新となった。

一方、材料的に注視されていたものは、「対中政策」と「米景気対策法案」について。
前者は、香港英字紙が第一報を伝えたものの、そののち米報道官が否定していた「米中の外交トップ、アラスカ州での会談」−−が正式に決定。米国務省は「18日に実施する」ことを明らかにしている。また、中国を念頭にブリンケン国務長官とオースティン国防長官が来週、日本と韓国を訪問するとの発表も。訪問の日程は15-18日で、日韓においてそれぞれ外務・防衛閣僚会合「2プラス2」を開催するという。
対して後者は、米下院が、バイデン大統領の推進する1.9兆ドル規模の追加経済対策法案を賛成220、反対211の賛成多数で可決した。大統領の署名を経て成立する見通しで、その署名は12日にも行われる見込み。なお、この法案はこれまで超党派での支持を得ていたが、今回は上院と下院でひとりの共和党議員も賛成票を投じず。野党共和党は、「米経済はすでに回復基調にあり、民主党主導の対策は過大で金融面のリスクを高めるもの」などと批判、実際に与党民主党議員のみで可決している。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日と本日、2日続けて同じような動き。東京時間はドル高・円安で、それも「寄り付き安・大引け高」に近い値動きだった。それだけ東京はビッドが強いことの証左ともいえそうだが、これは逆張り好きの「ミセス・ワタナベ」が多数取引に参加、積極的にドルを買い上げたことを示しているのかもしれない。昨日の欧米時間同様、このあと流れが反転しヤラレの出ないことを祈っている。
そうしたなか、昨日再び史上最高値を更新したNYダウを中心とした米株と長期金利の動きには要注意。また、米国ファクター以外でいえば、ECBによる政策金利の発表を控えていることもあり、各種の欧州情勢にも注意が必要か。為替相場の話でいえば、本日はドル/円よりもユーロ/ドルやユーロ/円の動きを警戒する声も少なくないようだ。

テクニカルに見た場合、今週のドル/円相場は108.25-109.25円といった、およそ1円レンジでの取引。先週2円を超える大きな変動をたどった影響もあってか、今週は一転しての小動きだ。まずは、そんなレンジ取引を脱却できるか否かが注目されている。基本的なリスクは上向きだが、調整の深化より短期的にドルは下値を試すといった警戒感も取り沙汰されていた。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、週間ベースの米新規失業保険申請件数が発表される予定となっている。先週発表された米雇用統計は良好な内容だったが、こちらも明るさを示すものとなるのか注目だ。また、前記したECBによる政策金利発表などにも要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.30-109.10円。上方向は、9日の欧米時間以降超えられていない109円レベルの攻防にまずは注目。超えれば、前回高値109.23円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値である108.34円が最初のサポートとして意識されている。抜けても底堅そうだが、108円をしっかり下回ると一気に下げが加速するとの声も聞かれていた。

ドル/円は基本レンジか、ユーロの動き注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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