トルコリラ週報:『約3か月半ぶり高値圏へ続伸。トルコ中銀はタカ派姿勢を継続』(2/20朝)

トルコリラの対円相場は、昨年11/6に記録した史上最安値12.04円をボトムに反発に転じると、今週2/16には、約3か月半ぶり高値となる15.28円まで上昇しました

トルコリラ週報:『約3か月半ぶり高値圏へ続伸。トルコ中銀はタカ派姿勢を継続』(2/20朝)

『約3か月半ぶり高値圏へ続伸。トルコ中銀はタカ派姿勢を継続』

〇トルコ円世界的リスク選好ムードに2/16に3ヶ月ぶり高値15.28まで上昇
〇トルコ中銀金利据え置くも追加利上げの可能性に含み残す
〇トルコリラ転換線、基準線、200日線上抜け、三役好転も点灯、テクニカル強い
〇ファンダメンタルズも上昇期待材料増える
〇トルコリラ続伸がメインシナリオ、来週の予想レンジ(TRYJPY):14.80ー15.40

今週のレビュー(2/15−2/19)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初14.92円で寄り付いた後、早々に週間安値14.91円まで軟化しました(トルコ大統領顧問のブルト氏が「高金利は危険なメカニズム」と発言したこと等を材料視)。しかし、一目均衡表転換線に続落を阻まれると、@新型コロナウイルスの収束期待(ワクチン普及)や、A米政府による追加経済対策期待、B上記@Aを背景としたリスク選好ムード(株高・新興国通貨高)が支援材料となり、翌2/16には、週間高値15.28円(昨年11/6以来、約3ヵ月半ぶり高値圏)まで上昇しました。その後も、Cトルコ中銀が政策金利を17.00%に据え置きつつも、声明文にて追加利上げの可能性に含みを残したこと(「インフレが5%の目標に到達するまで、長期にわたって断固として金融引き締めスタンスを維持」「必要に応じて、追加の金融引き締めを実施」)や、Dトルコ2月消費者信頼感指数(結果84.5、予想83.3)の良好な結果が支援材料となり、本稿執筆時点(午前6時00分現在)においても、15.10円近辺での底堅い動きが続いております。

来週の見通し(2/22−2/26)

トルコリラの対円相場は、昨年11/6に記録した史上最安値12.04円をボトムに反発に転じると、今週2/16には、約3か月半ぶり高値となる15.28円まで上昇しました(+26.9%の上昇率)。この間、一目均衡表転換線や基準線、200日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も点灯するなど、テクニカル的に見て、更なる上昇を期待させる力強いチャート形状(長期下落トレンドの終焉→長期上昇トレンドの開始)となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコ中銀による根強い追加利上げ観測(インフレ率が5%に到達するまで、長期にわたって金融引き締めスタンスを継続)や、A実質金利のプラス転(政策金利17%、インフレ率約15%)、B地政学的リスクの後退(ギリシャを含むEU諸国との関係修復期待)、C新型コロナウイルスの収束期待、D外貨準備残高の持ち直し(昨年11月をボトムに増加基調)、Eエルドアン大統領による金融政策への介入度合いの減少(中銀の独立性を評価)など、トルコリラ円相場の上昇を期待させる材料が増えつつあります。

『約3か月半ぶり高値圏へ続伸。トルコ中銀はタカ派姿勢を継続』

以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は2/22に予定されているトルコ2月設備稼働率や、2/26のトルコ1月貿易収支、新型コロナウイルスのワクチン接種状況等に注目が集まります。今週同様、「株高→リスクオン」の流れが持続すれば、昨年8/6に記録した直近高値15.35円を試すシナリオも想定されることから、来週もアップサイドリスクに注意が必要でしょう。

来週の予想レンジ(TRYJPY):14.80ー15.40

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