トルコリラ円見通し 中銀は予想通りに政策金利を据え置く(21/2/19)

トルコリラ円は上昇、15.26円をつけて2月16日夕高値とほぼ同値としたが、その後は伸びずに深夜には15.07円まで反落した。

トルコリラ円見通し 中銀は予想通りに政策金利を据え置く(21/2/19)

トルコリラ円見通し 中銀は予想通りに政策金利を据え置く

〇2/18トルコ中銀の金融政策決定会合、主要政策金利を17.00%に据え置くと決定
〇トルコリラ円、中銀政策発表後15.26まで上昇、その後は伸びず深夜15.07まで反落
〇対ドルでも金融政策発表後に6.91リラまで上昇したが、その後はやや反落
〇トルコ中銀、金融引き締め政策を維持することを強調
〇11/6安値からの上昇、3か月を経過、さらに高値を更新できるか今後の展開で試される
〇15.05以上での推移中は15.20から上昇再開とし、15.26超えから15.30台を目指すとみる
〇15割れからはいったん下げに入るとみて、14.90前後への下落を想定

【概況】

2月18日20時にトルコ中銀の金融政策発表があり、中銀は市場予想通りに政策金利を現状維持としつつインフレ抑制のために引き締め姿勢を継続する姿勢を強調した。
中銀政策発表後にトルコリラ円は上昇、15.26円をつけて2月16日夕高値とほぼ同値としたが、その後は伸びずに深夜には15.07円まで反落した。19日午前序盤は15.12円を挟んで揉み合いとなっている。
対ドルでのトルコリラは金融政策発表後に6.91リラまで上昇したが2月16日夜高値6.88リラには届かずその後はやや反落している。

【トルコ中銀の金融引き締め姿勢は継続】

トルコ中銀は2月18日の金融政策会合で主要政策金利を17.00%に据え置く決定をした。政策金利の据え置きは2会合連続で市場予想通りだった。中銀は声明で「インフレ率が持続的に低下し物価が安定するまで金融引き締め政策を断固維持する」「物価上昇率が今後3年間で目標の5%まで低下するまで金融政策を引き締めて強力なディスインフレ効果を生み出す」と強調した。

トルコリラ円見通し 中銀は予想通りに政策金利を据え置く

トルコ統計局が発表した2月の消費者信頼感指数は84.5となり1月の83.3から上昇した。市場予想は前月からの悪化だったために発表後は若干リラ高反応が見られた。昨年4月には感染拡大の影響で78.1まで悪化、11月から12月にかけても感染第二波の影響でやや低下したものの1月からは2か月連続での持ち直しとなった。
トルコの新規感染者数は12月序盤に3万人を超える急増となったがその後はピークアウトして1月中旬からは1万人を割り込んだ水準に抑制されていることで景気回復への期待感を反映したと思われる。

【11月6日からの上昇も3か月を経過】

トルコリラは金融政策への不信感とインフレ進行による実質マイナス金利化及び外貨準備の脆弱性を突かれて昨年11月6日には12.03円の史上最安値を付けたが、11月7日に前中銀総裁が突然更迭されたことから金融政策の正常化期待となって持ち直しに入った。ユーロ等のメジャー通貨や豪ドル、南アランド等の主要新興国通貨は昨年3月ないし4月のコロナショック暴落時の安値から出直り長期的な上昇トレンドを形成してきたが、トルコリラはその中で11月6日まで独歩安が続いた。11月6日安値からの反騰が継続して新興国通貨高のトレンドにようやく同調することができるようになり、11月19日と12月24日の二度の大幅利上げにより政策金利が消費者物価上昇率を下回る実質マイナス金利状態からも脱却して高値を伸ばしてきた。

この上昇も既に3か月を経過した。11月6日からの揺れ返しの上昇により現状は昨年8月高値水準まで戻した状況にあるが、さらに高値を更新してゆくには新たな押し上げ材料、推進力が欲しいところでもある。米長期債利回りの上昇が続いているがそれを飲み込んでドル安とくに新興国通貨高が継続できるかどうか、2月後半の展開で試されるところであり、トルコ中銀としても物価上昇を抑えることに成功するのか、物価上昇がさらに進んだ際に追加利上げに踏み切れるのかどうか試されてゆくと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月16日夕高値から17日夕安値へ反落したが、18日夜に16日夕高値に迫ったため、17日夕安値を直近のサイクルボトムとするが、既に16日夕高値と18日夜高値によりダブルトップが形成された可能性がある。17日夕安値割れを回避するうちは19日夕から23日夕にかけての間への上昇余地ありとみるが。17日夕安値割れからは新たな弱気サイクル入りとみて22日午後から24日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では16日以降が15.10円を挟んだ揉み合いのために遅行スパンは実線と交錯を繰り返しており、先行スパンも幅が細くなり実線との交錯を繰り返して方向感に欠ける。15.20円超えからは上昇継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、15.05円割れからは下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は50ポイントを挟んだ揉み合いが続いている。60ポイント超えからは上昇再開の可能性を優先し、40ポイント割れからはさらに下げやすいとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、15.00円を下値支持線、15.26円を上値抵抗線とする。
(2)15.05円以上での推移中は15.20円から上昇再開とし、15.26円超えから15.30円台を目指すとみる。15.30円以上は反落注意圏とするが15.20円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)15円割れからはいったん下げに入るとみて14.90円前後への下落を想定する。14.90円以下は反騰注意とするが、15円を割り込んでの推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

2月22日
 16:00 2月製造業景況感 (1月 107.0、予想 95.1)
 16:00 2月設備稼働率 (1月 75.4%)
 17:00 1月観光客数 前年同月比 (12月 -67.44%)
2月25日
 16:00 2月経済信頼感指数 (1月 96.2)
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合議事要旨


注:ポイント要約は編集部

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