ドルは戻り高値更新、さらなる続伸期待も(1/11夕)

週明け11日の東京市場は、ドルが小幅に続伸。一時104.20円台まで上値を伸ばし、104円半ばに位置する移動平均の90日線が視界内に捉えられている。

ドルは戻り高値更新、さらなる続伸期待も(1/11夕)

ドルは戻り高値更新、さらなる続伸期待も

〇ドル円、一時104.20まで上値を伸ばし104円台半ばに位置する90日移動平均線が視界内に
〇トランプ氏支持者の米議会侵入を受けペロシ米下院議長がトランプ氏の弾劾準備に着手
〇米Twitter社がトランプ大統領のアカウントを永久停止を発表
〇トランプ氏罷免の動きやトランプ派から再襲撃を匂わせる予告投稿など米政治情勢に注意
〇本日はアトランタ連銀総裁による討論会参加など要人コメントに要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.60-104.60

<< 東京市場の動き >>

週明け11日の東京市場は、ドルが小幅に続伸。一時104.20円台まで上値を伸ばし、104円半ばに位置する移動平均の90日線が視界内に捉えられている。

前週末には、「新型コロナの世界感染者が9000万人を超えた」ことが明らかになるなか、暗号資産(仮想通貨)ビットコインはさらに続伸し、一時42000ドルに迫るなど引き続き荒っぽい変動が観測されている。
そうした状況を踏まえ、ドル/円は寄り付いた103.80-85円を日中安値に緩やかな右肩上がり。そのままスルスルと104円台まで値を上げると、104.20-25円へ。早くも先週高値を上抜けている。ドルは高値を示現後、やや上げ渋るも下値も堅く、104円台での強保ち合い。16時現在では104.10-15円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米政治情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、先週発生した「トランプ氏支持者の米議会侵入」を受け、ペロシ米下院議長がトランプ氏の弾劾準備に実際に着手したことを表明。ちなみに、下院民主党は11日に弾劾手続きを開始する見込みだという。また、そうした状況下、「さらに暴力をあおるリスクがあると判断した」として、米ツイッター社がトランプ大統領のアカウントを永久停止すると発表。さらにCNNでは、ペンス副大統領が「トランプ氏がより不安定になった場合、罷免条項である合衆国憲法修正第25条の適用を検討すると述べた」−−などと報じていた。トランプ氏の孤立無援の状況が強まりつつある感を否めない。

対して後者は、北朝鮮では5日から連日党大会が行われているようで、そこでの発言や決定事項などが朝鮮中央通信を通じて報じられ話題に。たとえば、出席した金委員長が新しく誕生するバイデン新米政権ついて、「屈服させることに焦点を合わせる」などと発言したとされるほか、党規約を改正し「国防力により軍事的脅威を制圧」といった記載に変更したという。また、規約改正で5年ぶりに復活させた書記局体制だが、トップに金正恩氏を選出したことが明らかになっている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、6日の102.60円を目先ボトムにドルが上値を試す展開となっている。続伸する可能性をもちろん否定出来ないのだが、過去半年程度は安値から3円以上ドルが戻ったケースは一度もなく、また移動平均の90日線をNYクローズなどで「しっかりと」上回ったこともない。そう考えると、いま一段のドル上昇余地は残されているが、徐々にドル買いにも慎重さが必要になっているようにも思われる。

そうしたなか、注意すべき要因のひとつは「新型コロナ」に関するもの。感染拡大はもちろんのこと、ワクチン接種やそれを受けたアレルギー反応などのニュースにも注意を払いたい。また、いまひとつは「米政治情勢」で、先でも取り上げたトランプ氏罷免の動きのほか、トランプ派からSNSに「再襲撃」を匂わせる予告投稿が相次いでいることが気掛かり。ちなみに、一部メディアでは「バイデン次期大統領の就任式が議会で行われる20日やその直前17-19日を決行日として挙げている」と指摘していた。

テクニカルに見た場合、ドルは先週末そして本日とドルの戻り高値を連日更新しており、続伸を期待する向きが少なくない。また、攻防の目先分岐点である104円を超えてきたこともドル高方向の展開を暗示させる。ただ、前述したように今回も90日線が抵抗となり、ドルの上昇が止まる危険性も一部で取り沙汰されており、その攻防にまずは注目だ。逆にドルが軟化し、103円半ばに位置する21日線を割り込んでくるようだと、上値トライはダマシだった可能性を否定出来なくなる。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種」、「バイデン次期米大統領による政権運営とトランプ政権末期の動静」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、とくに目立った米経済指標の発表は予定されていないが、アトランタ連銀総裁による討論会参加など幾つかの発言機会が見込まれており、要人コメントには一応要注意。また、先で指摘した「米下院民主党によるトランプ氏弾劾手続き開始」の動きなども、しっかりと注視したい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.60-104.60円。本日東京高値である104.20-25円が目先の抵抗。超えれば、10日高値も程近い移動平均の90日線が位置する104円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末のNY安値である103.60円レベルが短期のサポートか。近くには移動平均の21日線も位置しており、しっかり下回るとドルの下値リスクが再燃する可能性もある。

ドルは戻り高値更新、さらなる続伸期待も

ドル円日足

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