豪州経済概観(2016年2月8日)

(2016年2月5日公表の豪州準備銀行概観から)

豪州経済概観(2016年2月8日)

豪州経済概観

              豪州GDP

              豪州GDP

上記の表は左から第3四半期GDPと第2四半期GDP、及び2015年第3四半期の年率ベースを示したもの。左項目の一番上がGDP・消費・住宅関連・鉱山関連の順番。(出所:豪州準備銀行)

数値だけ見れば、消費・住宅関連投資・輸出が牽引。一方で鉱山投資(資源関連)は大幅なマイナス要因だが、四半期毎に見れば改善している。全体では豪州経済はゆっくりしたペースだが、成長を続けている。

要旨

豪州の経済活動は全体では非資源関連部門が強い。特にサービスセクター…この中でも住宅関連サービスが強い。
GDPの伸びが平均以下に留まっているが、雇用拡大とサービス部門で成長を牽引している。

失業率は2014年以降6〜6.25%で推移していたものが、5.75%付近まで下落した。労働参加率も上昇しているが、まだ失業率自体は過去の低いレベルよりは上にある。そして賃金の伸びが低く抑えられたままになっている。

住宅関連は引き続き強い。但し、2015年9月期から少し減少をしているが、それでも高値水準からの微調整であり、長期平均ではまだ高水準を保っている。これは低金利に支えられたものといえる。

消費も安定的に推移しているが、小売売上高はまだ平均レベルに留まっている。それでも小売は改善傾向を維持している。家計は雇用改善と低金利に支えられている。

民間企業投資は9月期に5%減少した。過去1年では11%下落である。これは鉱山関連の急激な縮小が要因である。鉱山関連投資のピークは2012年央で、既に大きく下落したが、まだ今後数年間は弱い状況が続くと予想している。

輸出は6%伸びた。これは資源関連で鉄鉱石の輸出が拡大したもの。今後も数年間は牽引していくと予想。またLNG輸出も拡大傾向を示している。
輸入は観光業や企業サービス部門が低調で下落傾向が続いている。
(豪州準備銀行資料から抜粋したもの)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

コメント

2015年9月期の要旨見ると、豪州GDPは拡大傾向を示している。伸びは緩やかだが、日欧との成長格差は依然として大きいままとなっている。
現状の豪州ドルは対ドルで昨年9月末に下限0.69付近まで下がり、上限0.74のレンジで横流れになっている。米豪間ではファンダメンタルズに大差なく、昨年は米国引き締め気味、豪州緩和継続で豪ドル売りになったが、米国の引き締めが怪しくなっているので、豪州経済の緩和基調が薄まれば、豪ドル買い戻しに繋がる可能性がある

対円では現在79円〜87円の大きなレンジで保合いしている。2013年の105円、2014年の103円を高値に、先月80円割れまで下落したが、最近は豪ドル一段安の流れは止まっている。上値は綺麗な右肩下がりのサポートが月足で90円割れの処まで来ている。まだここを抜ける勢いなく、暫く大きなレンジで豪ドル下限を試す流れになっている。

オーダー/ポジション状況

関連記事

  • ニュージーランドドル(NZD)の記事

    Edited by:橋本 光正

    2022.10.31

    N$シカゴポジション(2022年10月25日現在)

    シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。

    N$シカゴポジション(2022年10月25日現在)

  • オーストラリアドル(AUD)の記事

    Edited by:橋本 光正

    2022.10.31

    A$シカゴポジション(2022年10月25日現在)

    シカゴはロング900枚減、ショートはなんと15,200枚増で、ネット16,100枚もの豪ドルショート増になりました。

    A$シカゴポジション(2022年10月25日現在)

  • 日本円(JPY)の記事

    Edited by:山中 康司

    2022.02.04

    日経平均株価のテクニカル(22/2/4)

    米国主要株価指数は大きく下げた後に現在はやや調整が入っていますが、日本株も同様の動きとなっていることから今後の展開についてテクニカルに考えてみます。

    日経平均株価のテクニカル(22/2/4)

  • オーストラリアドル(AUD)の記事

    Edited by:橋本 光正

    2016.02.09

    シカゴポジションA$ (2016年2月2日現在)

    シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。

    シカゴポジションA$ (2016年2月2日現在)

  • オーストラリアドル(AUD)の記事

    Edited by:橋本 光正

    2016.02.08

    豪中銀四半期金融政策報告要旨(2016年2月5日)

    (2016年2月5日公表分)

    豪中銀四半期金融政策報告要旨(2016年2月5日)

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る