豪州経済概観
豪州GDP
上記の表は左から第3四半期GDPと第2四半期GDP、及び2015年第3四半期の年率ベースを示したもの。左項目の一番上がGDP・消費・住宅関連・鉱山関連の順番。(出所:豪州準備銀行)
数値だけ見れば、消費・住宅関連投資・輸出が牽引。一方で鉱山投資(資源関連)は大幅なマイナス要因だが、四半期毎に見れば改善している。全体では豪州経済はゆっくりしたペースだが、成長を続けている。
要旨
豪州の経済活動は全体では非資源関連部門が強い。特にサービスセクター…この中でも住宅関連サービスが強い。
GDPの伸びが平均以下に留まっているが、雇用拡大とサービス部門で成長を牽引している。
失業率は2014年以降6〜6.25%で推移していたものが、5.75%付近まで下落した。労働参加率も上昇しているが、まだ失業率自体は過去の低いレベルよりは上にある。そして賃金の伸びが低く抑えられたままになっている。
住宅関連は引き続き強い。但し、2015年9月期から少し減少をしているが、それでも高値水準からの微調整であり、長期平均ではまだ高水準を保っている。これは低金利に支えられたものといえる。
消費も安定的に推移しているが、小売売上高はまだ平均レベルに留まっている。それでも小売は改善傾向を維持している。家計は雇用改善と低金利に支えられている。
民間企業投資は9月期に5%減少した。過去1年では11%下落である。これは鉱山関連の急激な縮小が要因である。鉱山関連投資のピークは2012年央で、既に大きく下落したが、まだ今後数年間は弱い状況が続くと予想している。
輸出は6%伸びた。これは資源関連で鉄鉱石の輸出が拡大したもの。今後も数年間は牽引していくと予想。またLNG輸出も拡大傾向を示している。
輸入は観光業や企業サービス部門が低調で下落傾向が続いている。
(豪州準備銀行資料から抜粋したもの)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
コメント
2015年9月期の要旨見ると、豪州GDPは拡大傾向を示している。伸びは緩やかだが、日欧との成長格差は依然として大きいままとなっている。
現状の豪州ドルは対ドルで昨年9月末に下限0.69付近まで下がり、上限0.74のレンジで横流れになっている。米豪間ではファンダメンタルズに大差なく、昨年は米国引き締め気味、豪州緩和継続で豪ドル売りになったが、米国の引き締めが怪しくなっているので、豪州経済の緩和基調が薄まれば、豪ドル買い戻しに繋がる可能性がある
対円では現在79円〜87円の大きなレンジで保合いしている。2013年の105円、2014年の103円を高値に、先月80円割れまで下落したが、最近は豪ドル一段安の流れは止まっている。上値は綺麗な右肩下がりのサポートが月足で90円割れの処まで来ている。まだここを抜ける勢いなく、暫く大きなレンジで豪ドル下限を試す流れになっている。
オーダー/ポジション状況
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