NZの住宅価格推移(出所:NZ中銀公報、チャートは統計局)
以下は1月29日に公表されたNZ中銀公表の住宅(オークランドと他地域)に関する歴史的流れの資料です。
(1)住宅価格(赤)と消費者物価指数(青)推移
住宅価格の上昇幅が消費者物価を大きく凌駕している。2012年央から今日までみても、NZ国内の住宅価格は33%もの上昇をみた。
(2)地域別住宅価格インフレ(オークランド:青、クライストチャーチ:赤、その他:黒)
(年率ベースで3ヶ月移動平均線)
上図見ると、最近は住宅価格の調整が見られるものの、これまでは特にオークランドの住宅価格上昇が目立っていた。これはクライストチャーチでの地震倒壊からの回復がゆっくりとしたものだった点から、オークランドに需要が伸びたとしている。
(3)オークランド地区で住宅価格が急上昇した時、その他地域の値動き
オークランド地区がグレイの部分で住宅価格が上がっているとき、他地域がその後に追随したのは3回あったが、2002年〜2006年が最大で77%も上昇した。今回の他地域は横這いになっている。
(4)オークランド(青)とそれ以外の地域の相関関係
ほぼオークランド地域とその他は相関しているが、オークランドは上下の振幅が大きく、他地域が追随するか、オークランドが調整入るかかが微妙。今回もオークランド地域の下落により、他地域に近づく可能性もある。
中銀のまとめ
NZの住宅価格は過去50年間で著しく上昇してきた。特に1994年以降の上昇幅が大きい。地域によって上昇度合いの差は大きいが、オークランド地域中心の上昇度合いが大きくなっている。実質の住宅価格は既にかなりの高水準の位置にいると思われる。
特にオークランド地区は2012年央から55%もの上昇をみており、他地域は僅か11%である。この差が大きくなっているので、価格はどちらかに吸い寄せられると思われる。
コメント
今後のNZのインフレ動向を見る上で、住宅価格の動向には注意が必要と思われます。中銀が指摘している様に、もしオークランドの住宅価格に他地域が吸い寄せられると、インフレ懸念が出てきますし、もし逆になると、インフレの芽が更に少なくなり、現在の緩和気味の金融政策が維持乃至、一段の緩和に向かうと思われます。現実的には中銀は住宅価格は相対的に高い水準にあると判断し、上図(2)でもオークランド地区が調整しているので、後者の可能性が強いと思われます。
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