フラジャイル5(2016年3月9日)

昨日の日経新聞で久しぶりに「フラジャイル5」という言葉を目にした気がします。

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フラジャイル5(2016年3月9日)

フラジャイル5

昨日の日経新聞で久しぶりに「フラジャイル5」という言葉を目にした気がします。

「フラジャイル5」という言葉は、文字通り「脆弱な5か国」を指し、FRBのQE縮小に伴い悪影響を受けやすい新興国ということで、モルガンスタンレーが命名したややマイナーな金融用語です。具体的には、5か国の通貨であるブラジルレアル、インドルピー、インドネシアルピア、トルコリラ、南アフリカランド、とFX羅針盤で扱っている2通貨も含まれていますが、昨日の日経新聞で取り上げられていたのはインドルピーでした。

記事の概要としては、インドでは、国債市場が未成熟で(といっても新興国では金融市場全般が未成熟です)、株式市場の下落とともに流出資金の受け皿がないことからインドルピーが大きく売られているというものです。今回はこのインドルピーの動きとトルコリラの動きをFRBによるQE縮小が決定された2013年12月まで遡って見てみます。

フラジャイル5

上段がインドルピー(対ドル)週足、中段がトルコリラ(対ドル)週足で、下段はインドルピー÷トルコリラのクロス(比率)です。比率は、数字が大きくなればインドルピー>トルコリラの強弱、小さくなればインドルピー<トルコリラの強弱の関係を示します。

インドルピーもトルコリラも、どちらも対ドルでは似たような値動きではあるものの、昨年9月末までのドル買いの動きの中では、インドルピー>トルコリラの強弱関係(つまりインドルピー安以上にトルコリラ安が進行)があり、その後はトルコリラ安が落ち着きを示す中でインドルピーは続落しているという構図が見えてきます。

直近のところでは、たしかにインドルピーが一人負け状態と言えますが、傾向として考えると。インドルピーだけでなくフラジャイル5構成通貨はどれもFX市場においては、まだまだ弱者であり、今後もリスクオフの動きが出てきたときには注意が必要であることには変わりはなさそうです。

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