FXの注文方法のいろいろ

FXはネットを通じて広がった取引だけに従来から為替市場で存在する各種の注文方法が自分で設定でき、リスク回避や利益確定に役立てることができます。

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FXの注文方法のいろいろ

6)FXの注文方法のいろいろ

FXはネットを通じて広がった取引だけに従来から為替市場で存在する各種の注文方法が自分で設定でき、リスク回避や利益確定に役立てることができます。
一部の注文方法では相場の動きに沿った簡単な自動売買の仕組みのようなこともできますので、事前に良く研究しておきましょう。

@ FXの成行注文
成行き注文は今の水準ですぐに取引したい場合に使用する最も基本的な注文方法です。
成行き注文は元々株式市場を中心に使われていた注文方法で、数量と売り買いだけを指定して「今の市場でいくらの値段でもよいから売って欲しい(買って欲しい)」という意味で使う発注方法です。
FXにおいても基本的には意味は同じなのですが、FXの取引ツールの場合、取引したい数量に対して現在のマーケットで売買可能なレートが表示されていて、それをクリックすることにより大概の場合はそのレートどおりで注文が約定します。そのためFXの世界ではあたかも今の決められたレートで売買することのように理解されているケースが多いように思います。

ただし、FXの取引においても為替市場が大きく変動している局面などでは、レートの変化が早すぎて、成行きの注文を発注しても既にレートが変化してしまっていて思ったのと違うレートで約定して帰ってきたり(これを「スリッページ」と呼びます)、システムの仕様によっては取引自体が成立しなかったりすることがあります。
不利なレートで約定するのも困りますが、相場が急激に不利に動いている局面などでは約定しないことはもっと困ります。そのためFX会社のツールによっては成行き注文の場合にあらかじめ何銭(pips)までであれば不利な方向へのスリッページを許容するかを指定できるものもあります。



AFXの指値注文

FXの指値注文は現在よりも有利なレートのなった場合に取引を成立させるための注文です。現時点での為替相場が自分の思ったような水準ではないときに、「もっと安くなったら買いたい」または「もっと高く成ったら売りたい」と考えた場合には指値注文が有効です。
指値注文は例えば1U$120円になったらU$10,000買いたいというような形で発注します。

また通常注文の有効期間を指定するようになっており、今日中とか今週中とか、キャンセルするまではずっと有効とかいうふうに指定することができます。
FXの指値注文は「ドル円が120円を割り込んだらドル買いで参入したい」とか「120円で買ったドルが123円まで言ったらもう十分だから利益を確定したい」とかいう場合に便利です。

指値注文のメリットは自分の思った水準で取引できること、相場をずっと見ていなくてもすむことなどで、スリッページなども基本的にはありません。(指定レートギリギリの水準まで行って戻った場合には指値がついたかつかなかったかが議論になることはあります)デメリットは相場が逆の方向に行ってしまった場合には、いつまでも約定しないため、特に利益の確定に指値を使用する場合には利益確定の機会をみすみす失うことになる恐れもあることです。

BFXの逆指値注文

FXの指値注文が現在より有利なレートのなったときに取引を成立させるための注文であるのとは逆にFXの逆指値注文は現在より不利なレートになってしまったときに取引を成立させる注文方法です。
逆指値の注文は基本的には既にFXのポジションを持っているときに使います。

例えばドル円をU$10,000 1U$=120円で買ったとします。たぶんこのまま相場はドル高に行くだろうとは思うものの、万が一ドル安に動いてしまった場合に夜間など海外で市場が動くと朝起きてみたら110円になっていて大きな損失が出たりするリスクもあるかもしれません。そんなときに118円に逆指値を入れておけば、万が一翌朝110円まで下落していたとしても118円前後で売却されていて2円幅の損失にとどめることができます。
逆に120円で買ったポジションが既に相場が123円で含み益となっている場合には、122円の逆指値を入れておけば相場が115円になってしまっていても、122円前後でポジションを決済できていますので利益を確保することができます。
このようにFXの逆指値注文はリスクをコントロールするために必要な大事な注文方法です。

逆指値注文のメリットは上記のようにリスクを限定することができること。デメリットはあまり現在の相場に近い水準で逆指値を入れた場合などには簡単に注文が約定してしまい、損失が確定してしまったり、その後相場が反転したケースなどでは折角のチャンスを逃したりことにもなりかねないことです。
また、逆指値は例えば118円のドル売りの逆指値だとすると「市場が118円になったら次の市場にあるベストプライスで○○ドルを売ってください」という注文ですので、必ずしも118円で取引が成立するとは限らないところです。あくまで118円がついたときに「成行きで売る」注文だということには注意が必要です。

CFXのOCO(ワンキャンセルアザー)注文

FXのOCO注文はに現在の相場水準をまたいで二つの売買が同じ方向の注文(指値と逆指値)を同時に発注し、どちらか成立した場合にはもう一方の注文はキャンセルする。という注文です。OCO注文は自分の持っているポジションに対して、損切りと利食いの両方の水準を設定するときに便利です。
例えばドル円を120円で買ったとします。今晩の相場次第では123円までは行く可能性があるけれど2円以上の損失は避けたいとか言う場合に118円の売りの逆指値と123円の売りの指値とを組み合わせたOCO注文を出しておけば安心です。


DFXのIFD(イフダン)注文

FXのIFD(イフダン)注文は「もし(If)ダン(done、取引成立のこと)になったら次の注文を実行しなさい」という意味です。一つ目の注文が約定すると初めて二つ目の注文が発動される取引です。この注文は指値でも逆指値でもかまいませんが、二つの注文の売買は最初の注文と逆である必要があります。

IFD(イフダン)注文の最もわかりやすい使い方は、例えば現在のドル円の水準が120円だとして、「118円まで下がったらドルを買いたいけれど、そのままにしておくと一方方向でさらに水準が下がったら損失が無限に拡大するリスクがあるので損失を3円程度までに留めたい」と考えた場合などです。
その際は118円の指値買い注文と115円の逆指値の売りの注文を組み合わせてIFD注文を発注しておきます。もし思惑通り118円まで相場が下落してその後相場が反転した場合にはメデタシメデタシということになりますし、万が一思惑が外れて相場がドル安方向に突き抜けてしまったとしても、損失は115円前後で止まります。




EFXのIFO(イフダンオーシーオー)注文

FXのIFD(イフダン)注文は確かに便利な注文ですが、ひとつの注文に対して利食いか、損切りのどちらかしかできない点が欠点です。IFDで二つ目の注文を逆指値にした場合には、損失が確定する前に相場が上昇していた場合の折角の収益機会を逃しているかもしれません。一方二つ目の注文を指値にした場合には相場が不利な方向に動いてしまった場合の歯止めが効きません。
そこで考えられたのがIFDとOCOを組み合わせたIFO(イフダンオーシーオー)注文です。
IFOは最初の注文が成立すると売買の方向が最初の注文とは逆の指値と逆指値のOCO注文が発動され、最初の注文が約定したときにできたポジションに対して損失を一定に抑えながら収益機会を狙うことができます。

FFXのトレール注文

FXのトレール注文は基本的には自分の現在持っている注文に対する逆指値の注文ですが、
相場が好転すると逆指値もそれに従って変化していきます。
例えばドル円を120円で買った場合、118円の逆指値だけを入れておくと118円に下落する前にいくら123円や125円になっても損失が確定するだけです。OCO注文を118円と125円に入れたとしても相場が一方向に130円まで突き抜けた場合には悔しい思いをするかもしれません。そういうときにトレール注文を118円で発注しておくと120円の相場が123円になったときには逆指値が118円から121円に変化します。その後再び相場が118円に下落したとしても不利な方向には逆指値は動かないので121円のままです。
そのため、121円近辺で売りが成立し最初に買ったドル円で1円の利益を確保することができます。もし相場が一方向に130円まで動けば、そのまま逆指値も128円までついていきますので最低でも8円の利益を確保して更に利益を追求することもできます。
トレール注文を利用すればリスクをある程度抑えながらも青天井の利益を追いかけることができます。

※「FX羅針盤」のを運営する株式会社カカクコムのメインサイト「価格.com」にも羅針盤でオセアニア通貨をご担当されている川合美智子先生の執筆された入門ガイド「FXとは?」が掲載されています。あわせてご参照ください!

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