トルコリラ円見通し 持ち合い下放れからの下落一服だが底割れへ余裕なし(19/12/12)

10日深夜及び11日午後の高値は18.73円にとどまって上値が重く11日夕刻以降は18.70円を超えても維持できずにいた。

トルコリラ円見通し 持ち合い下放れからの下落一服だが底割れへ余裕なし(19/12/12)

【概況】

トルコリラ円は12月2日午後高値で19.08円を付けて10月31日未明高値と同値としたが高値更新へ進めず、その後は12月3日深夜安値18.83円まで下がった。6日午後までは下げ渋っていたものの、6日夜の米雇用統計からのドル高リラ安と、ドル円が雇用統計でいったん反騰してから往って来いの反落となったことが重なって12月3日深夜安値を割り込む一段安となった。12月7日未明には18.73円まで安値を切り下げて10月末以降の持ち合い相場の最安値であった11月15日未明安値18.77円を割り込み、持ち合い下放れとなった。
12月10日夕刻には18.64円まで続落したが、雇用統計をサプライズしてのドルストレート及びクロス円の動きが一服に入ったためにトルコリラ円も下げ一服として下げ渋りに入ったが、10日深夜及び11日午後の高値は18.73円にとどまって上値が重く11日夕刻以降は18.70円を超えても維持できずにいた。

12月12日未明の米連銀FOMCは市場予想通りに政策金利を現状維持としたが、2020年のFOMCメンバーによる政策金利見通しの中央値が現状維持となり、2021年の中央値も利上げ1回となったため、しばらくは低金利状態が続き、利上げへ姿勢変化する懸念が後退したために発表後はドル安反応となった。
メジャー通貨に対する加重平均であるドル指数は0.38ポイント安で12月9日から3日続落となり、安値では97.04を付けて10月21日安値を割り込み10月1日以降の安値を更新した。ユーロドルは1.1144ドルまで上昇して11月29日以降の高値を更新した。ドル円も108.40円台へ下落して12月9日安値108.40円割れへの余裕がなくなっている。

【トルコ中銀の利下げ予想もありドル安リラ高へは進まず円高に圧される】

ドル/トルコリラは12月9日までドル高リラ安で進んできたが、その後は上昇一服で横ばい推移となり、11日から12日早朝にかけては小動きにとどまった。
米連銀が当面は今年三度実施した利下げ状況を維持するとしたことに対し、トルコ中銀は12日夜の金融政策決定会合では現行の14.0%から12.50%へ4会合連続での利下げが想定されているため、ドル安リラ高への反応は見られなかったということだろう。
ドル安リラ高が進まない状況の中ではドル円での円高感がトルコリラ円への売り圧力となる。為替市場全般の動向は12月15日の米国による対中国制裁関税第4弾発動が回避されるのか実施されるのかによりリスクオン全開となるのかリスクオフが一挙に進むのか明暗も分かれて左右されるので、トルコリラ円もクロス円全般の流れに委ねられると思われるが、10月後半からの持ち合いを下放れしてからもさらに続落したために弱気材料に反応しやすい状況にあると思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月5日早朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして12月9日夕から11日夕にかけての間への下落を想定してきたが、10日夕刻に一段安してからの反発で18.70円を超えたために11日朝時点では12月10日夕安値を直近のサイクルボトムとした。また今回のトップ形成期は10日午後から12日朝にかけての間と想定されるので既に反落注意期にあるとした。
12月12日早朝への下落で10日夕安値割れへ余裕が乏しくなっているため、12月10日深夜高値と11日夕刻高値をダブルトップとした弱気サイクル入りと仮定する。ボトム形成期は13日夕から17日夕にかけての間とし、10日深夜高値を上抜けないうちは一段安警戒とする。ただし10日深夜高値超えからはいったん強気サイクル入りとして13日夜から17日深夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では12日早朝への下落で遅行スパンは再び悪化し、潜り込んでいた先行スパンから転落した。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。強気転換は10日深夜高値超えからとし、その場合は両スパンそろって好転となるため遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は11日夕刻や12日朝への下落で30ポイント台中盤へ下げているが、10日以降は横ばいの持ち合い相場となっているので方向感に乏しい。持ち合い下放れの場合は20ポイント台前半への低下を想定し、60ポイント以上へ切り返せない内は一段安余地ありとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
中勢は10月後半からの持ち合い下放れによる下落基調で推移しやすいと見て、短期的に戻すところは戻り売りにつかまりやすいと考える。
(1)当初、12月10日夕安値18.64円を下値支持線、10日深夜高値18.73円を上値抵抗線とみる。
(2)12月10日深夜高値を超えないうちは下向きとし、10日夕安値割れからは新たな弱気サイクル入りとみて18.50円前後への下落を想定する。18.50円以下は反騰注意だが、米中関連やトルコ中銀及びECB動向等で売られる場合は18.40円台前半まで下値目途を引き下げる。
(3)12月10日深夜高値超えからは10日夕安値と12日早朝安値をダブル底としていったん戻しに入るとみて18.80円前後試しを想定する。18.80円以上は反落注意とみるが、10日深夜高値を超えた後も18.70円以上での推移なら13日の日中も高値を試しやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

12月12日
20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 14.00%、予想 12.50%)
12月13日
16:00 10月鉱工業生産 前年同月比 (9月 3.4%)
12月16日
16:00 9月失業率 (8月 14.0%)
16:00 10月小売売上高 前月比 (9月 0.6%)
16:00 10月小売売上高 前年比 (9月 2.7%)

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