ドル円見通し ドル全面安で104円割れ、24日夜と2日夜でダブルトップ形成(20/12/4)

11月24日夜高値104.75円と12月2日高値が同値となりダブルトップ型を形成していたが、12月3日深夜に11月30日安値を割り込んだためにダブルトップが完成した。

ドル円見通し ドル全面安で104円割れ、24日夜と2日夜でダブルトップ形成(20/12/4)

ドル円見通し ドル全面安で104円割れ、24日夜と2日夜でダブルトップ形成

〇ドル円、ドル全面安で12/3深夜103.67まで下落
〇為替市場、リスク選好となり12/3ユーロドル一段高、ドル指数一段安などドル安継続
〇ユーロドル、12/3高値1.2174ドル、ポンド/ドルや豪ドル及びNZドル米ドルも高値をつける
〇新興国通貨も概ね上昇、ドル安感を強める
〇今晩発表予定の米雇用統計、さらにドル安が進むか注目
〇104.20以下での推移中は一段安余地あり、103.67割れからは103円台序盤を目指すとみる
〇104.20超えからは104.50手前を試し、104.50手前は戻り売りにつかまりやすいとみる

【概況】

ドル円は12月3日深夜に103.67円まで下落した。11月11日高値105.67円から11月18日安値103.65円まで下落したところからいったん戻したが、11月24日夜高値104.75円と12月2日高値が同値となりダブルトップ型を形成していたが、12月3日深夜に11月30日安値を割り込んだためにダブルトップが完成した。ただし、11月18日安値割れをぎりぎりで回避している状況のため、底割れ回避かわずかに割り込んでも104.20円以上へ持ち直すなら、103.60円台を下値支持線、104.70円台を上値抵抗線としたボックス型の持ち合いに留まる可能性もある。
株高基調は継続しており、ワクチン普及とバイデン政権発足からの景気対策期待、米連銀の金融緩和継続期待を背景に為替市場もリスク選好となって12月3日もユーロドルが一段高、ドル指数が一段安となるなどドル安継続となり、米長期債利回りも落ち着いたことでドル円は全般的ドル安を反映する形で下げた印象だ。

【経済指標等】

米労働省が発表した11月28日までの週間新規失業保険申請は71万2000件で前週から7万5000件の減少となり市場予想と一致。失業保険受給者総数は11月21日までの週間は552万人で前週から56万9000人減少、市場予想の591万5000人を下回った。依然として高水準の失業状態ではあるが、やや改善傾向も見られるところだ。
米ISMによる11月の米サービス業景況指数は55.9で10月の56.6から低下、市場予想の56.0を下回った。一方でIHSマークイットによる11月のサービス業PMI確報値は58.4で速報値57.7から上方修正、10月の56.9から上昇して2015年3月以来の高水準となっている。

米ファイザー社ワクチンの供給について、米WSJ紙は初期生産の原料が基準を満たさず、年内の出荷量は当初目標の半分程度となる見通し、サプライチェーンで問題に直面している等と報じた。この報道によりNYダウは上げ幅を削ったが、英国での米ファイザー社ワクチンの承認と来週からの接種開始見込み、EUでのファイザー及びモデルナ社のワクチン承認の動き等、ワクチン普及への期待は日々増して米国株高を支えて金融市場全般のリスクオン心理を拡大している。

【ドル全面安続く】

為替市場もリスクオン優勢の展開がつづいており、ユーロドルは12月1日から3連騰となり3日高値では1.2174ドルをつけている。すでに9月1日高値を上抜いて一段高に入っており、2018年4月後半の水準まで回復して2018年2月天井1.2555ドルに迫る動きとなっている。
メジャー通貨の加重平均であるドル指数は11月30日に9月1日安値を割り込む一段安に入り、12月1日から3日まで3日連続の下落で2018年4月以来の安値水準となっている。90ポイントの大台を割り込めば2018年2月底88.25まで下値目途も切り下がる可能性がある。
ポンド/ドルも英国EU間のFTA交渉が合意に達しない懸念を抱えつつも12月3日は3月以降の高値を更新、豪ドル米ドル及びNZドル米ドルも同様に高値を更新している。新興国通貨でもメキシコペソが対ドルで4月以降の高値を更新、南アランドも11月26日高値を超えていないものの高値圏を維持している。暴落続きだったトルコリラの下落も落ち着いており、新興国通貨も概ね上昇してドル安感を強めている。

ドル円にとっては米長期債利回りが大きく上昇する場面ではクロス円の上昇と米長期債利回り上昇が重なって上昇するものの、ドル安が全面化して米長期債利回りが低下すると円高へ一挙に進むという反応を繰り返している。11月18日安値を割り込む場合は11月11日高値からの下落も二段目に入り、11月6日安値を割り込む一段安へと進みやすくなるところと注意したい。今晩の米雇用統計からさらにドル安が進むかどうか、注目される。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月30日朝安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとしてきたが、2日夜に1日深夜高値を上抜いて11月24日深夜高値と同値まで戻してから反落したために3日朝時点では2日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとした。また安値形成期は12月3日朝から7日朝にかけての間と想定されるので既に反騰注意期に入ってきているとしたが、2日夜高値を上抜けないうちは一段安余地ありとした。
3日深夜へ大幅続落した後は下げ渋っているのでボトムを付けた可能性もあるとみて、104.20円を超えないうちは一段安警戒とするが104.20円超えからは戻しに入るとみて4日夜から9日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では3日夜の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したため、遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。反騰入りは遅行スパン好転からとするが、その際は先行スパン下限が上値抵抗となってくるのではないかと考える。
60分足の相対力指数は3日夜安値形成時に20ポイントを割り込んだ後は下げ渋りだが、相場が安値を更新する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行は見られないのでまだ一段安余地ありとし、強気回復には50ポイントを超える必要があると考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12月3日深夜安値103.67円を下値支持線、104.20円を上値抵抗線とする。
(2)104.20円以下での推移中は一段安余地ありとし、103.67円割れからは103円台序盤(103.35円から103.00円)を目指すとみる。米雇用統計も控えているので103円台序盤は買い戻しも入りやすいとみるが、雇用統計から下落の場合は102円台中盤へ下値目途を引き下げる。また104.20円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)104.20円超えからは104.50円手前を試すとみる。104.50円手前は戻り売りにつかまりやすいとみるが、雇用統計からの上昇で104.50円を超える場合は11月24日高値104.75円試しへ上値目途を引き上げる。また104.20円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かう可能性があるとみる。

【当面の主な予定】

12/4(金)
09:30 (豪) 10月 小売売上高 前月比 (9月 -1.1%、予想 0.5%)
16:00 (独) 10月 製造業新規受注 前月比 (9月 0.5%、予想 1.5%)
16:00 (独) 10月 製造業新規受注 前年同月比 (9月 -1.9%、予想 0.2%)
18:30 (英) テンレイロ英中銀委員、講演
22:30 (米) 10月 貿易収支 (9月 -639億ドル、予想 -650億ドル)
22:30 (米) 11月 雇用統計・非農業部門民間就業者数 前月比 (10月 63.8万人、予想 50.0万人)
22:30 (米) 11月 雇用統計・失業率 (10月 6.9%、予想 6.8%)
22:30 (米) 11月 雇用統計・平均時給 前月比 (10月 0.1%、予想 0.1%)
22:30 (米) 11月 雇用統計・平均時給 前年同月比 (10月 4.5%、予想 4.2%)
23:00 (米) エバンズ・シカゴ連銀総裁、質疑応答セッション参加
24:00 (米) 10月 製造業新規受注 前月比 (9月 1.1%、予想 0.8%)
24:00 (米) ボウマンFRB理事、講演


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る