レンジ脱却なるか、引き続き米株の動き注視(12/1夕)

1日の東京市場は、レンジ取引。堅調な日米株価をにらみつつも、104円前半、20ポイント強のレンジ取引に終始している。

レンジ脱却なるか、引き続き米株の動き注視(12/1夕)

レンジ脱却なるか、引き続き米株の動き注視

〇ドル円、12/1東京市場は104円前半20ポイント強のレンジ取引に終始
〇日経平均終値ベースで353円の大幅高、日米株価ともに堅調な推移だが為替市場への影響限定的
〇英EUの通商交渉、楽観・悲観双方の報道相次ぐ、依然として予断許さず
○昨日ビットコイン一時19800ドル台まで上昇し史上最高値更新、NYダウ・ナスダック等金融市場が活況
〇本日発表の11月製造業PMI確報やISM製造業景況指数、要人発言に要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.85-104.75

<< 東京市場の動き >>

1日の東京市場は、レンジ取引。堅調な日米株価をにらみつつも、104円前半、20ポイント強のレンジ取引に終始している。

ドル/円は104.25円前後で寄り付いたものの、終日を通して積極的な動意は乏しい。日経平均が終値ベースで353円もの大幅高をたどるなど、日米株価ともに堅調に推移したが、為替市場への影響は限定的だった。16時現在、ドル/円は104.35-40円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「英EU通商交渉」と「次期米政権」について。
前者は、ロイターやブルームバーグなど複数メディアがそれぞれ交渉の行方を報じるも、見解は大きく分かれている。ブルームバーグは、「双方が誠意ある取り組みを続ければ、数日以内に合意する可能性がある」とした性善説、楽観論を指摘した反面、ロイターは「週末の交渉は極めて難しいものだった」、「3つの主要問題で依然大きな相違がある」などと悲観論を前面に出した内容を報じていた。依然として予断は許さず、ギリギリまで両者による攻防は続きそうだ。
対して後者は、米大統領選の敗北を認めないトランプ氏の抵抗から遅れていたが、ようやくバイデン次期米大統領が「情報機関から初めて国内外の安全保障情勢などに関する機密情報の報告を書面で受けた」ことが明らかとなった。来年1月の政権移行に向け、少しずつだが確実に前進しているようだ。なお、そうしたなか金融市場でもっとも関心を集めていた新財務長官人事について、バイデン氏が「イエレン前FRB議長を指名した」と発表。市場で大いに好感されていた感がある。

<< 欧米市場の見通し >>

前日欧米時間、暗号資産(仮想通貨)ビットコインが一時19800ドル台まで上昇し、史上最高値を更新。2万ドルには惜しくもとどかなかったが、本日の東京時間も19000ドル台での強保ち合いだ。また、NYダウやナスダックなども先日史上最高値を更新するなど、他の金融市場が活況を呈するなか、為替はやや蚊帳の外といった様相。とは言え、ユーロ/ドルやポンド/円のほかNZドル絡みの通貨ペアなどは辛うじて食らいついてきていることから、期待も込めドル/円の変動にも一応注意しておきたい。
そうしたなか、材料的に注視されているものは、引き続き新型コロナとワクチン開発について。後者について、昨日はアザー米厚生長官から「クリスマス前にコロナワクチン接種がはじまる可能性もある」とした発言も聞かれていたが、本日も根強い期待感がNYダウなどの下支えとして寄与しそうだ。なお、本日は米財務長官とFRB議長が上院銀行委員会で新型コロナ緊急対策に関する四半期報告を実施する予定とされ、そちらも注視されている。

テクニカルに見た場合、昨日は東京時間に一時103.84円まで下落、一時直近安値を更新するも、終わってみれば104.30円台。また本日東京も104円台を一度も割り込まずに推移している。ダマシというには早計だが、ドルの下値トライは一旦仕切り直しか。狭くとるなら、103.66-104.76円という1円強のレンジ取引がいましばらく続く可能性を否定出来ないだろう。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、11月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標が発表されるほか、ブレイナードFRB理事やデイリー・サンフランシスコ連銀総裁などによる講演やイベント参加も相次ぐ。先で取り上げたコロナ対策の四半期報告も合わせ、引き続き要人発言には注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.85-104.75円。移動平均の21日線も近い本日東京で記録した104.45-50円が最初の抵抗か。上抜ければ先週高値104.76円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の103.84円をめぐる攻防が注視されており、割り込むと18日安値の103.66円、あるいは11月安値103.18円などが意識されそうだ。

レンジ脱却なるか、引き続き米株の動き注視

ドル円日足



注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る