基本レンジ予想だが荒い変動にも一応要注意(11/27夕)

27日の東京市場は、ドルが弱含み。23日以来の103円台を一時示現するなど、再び下値リスクが高まってきた感も否めない。

基本レンジ予想だが荒い変動にも一応要注意(11/27夕)

基本レンジ予想だが荒い変動にも一応要注意

〇ドル円、103円台を一時示現するドルが弱含みな展開
〇英EU通商交渉、楽観と悲観両サイドのニュースが観測されるなか漁業権問題の協議の動きも
〇本日もNY時間を中心に休場モード予想、荒っぽい変動には引き続き要注意
〇感染拡大とワクチン開発が注視される中、コロナ禍の「クリスマス・年末商戦」の行方にも注目
〇本日NYが実質的な休場、材料的に目立った要因なしか
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.60-104.40

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場は、ドルが弱含み。23日以来の103円台を一時示現するなど、再び下値リスクが高まってきた感も否めない。

ドル/円は104.20-25円で寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。104.20円レベルで底堅さを醸していたが、割り込むと、そのままズルズル104円割れ。日中のドル安値である103.90円レベルへと値を下げている。日経平均は終値ベースで107円高、米株先物は本稿執筆段階で主要3指数ともプラス圏での推移となっているが、ドルの戻りは依然として鈍い。16時現在では104.00-05円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英EU通商交渉」と「新型コロナおよびワクチン開発」について。
前者は、英財務相が「合意は可能だが、犠牲を払ってでも署名するつもりはない」とやや強気のコメントを発したとされる反面、ブルームバーグは「今週末にも対面での交渉再開を準備」と報じるなど、楽観と悲観両サイドのニュースが観測されていた。なお、そうしたなかEU首席交渉官は、英国との漁業権問題に関し「一部加盟国の漁業相と27日に協議する」考えを示していたという。これが膠着打開に向けたひとつのメルクマールとなる可能性もある。
対して後者は、新型コロナの感染拡大が依然として大きな話題となるなか、ワクチン開発に関する明るい話も相次ぐ。たとえば、「英アストラ、世界各地でコロナワクチンの新たな試験を実施」、「欧州規制当局、数日中に初のコロナワクチン供給申請を受理する見通し」との報道や、WHO幹部による「ワクチンの実用化にともない来年はコロナ制御が進歩」、トランプ米大統領が「新型ワクチンを来週から供給開始する見通し」と発言したことなどが明らかになっている。

<< 欧米市場の見通し >>

NYダウは先日3万ドルを初めて突破。ある種のお祭りムードも漂っていた金融市場だが、「規制緩和強化」への懸念から、昨日一日だけで10%を超える急落をたどった暗号資産(仮想通貨)ビットコインの動きが冷や水を浴びせた。本日東京時間にも、為替市場などのかく乱要因になっていた感を否めない。米感謝祭に絡む休日で商いが薄かったという側面もありそうだが、ともかく本日もNY時間を中心に休場モードが予想されるなど、荒っぽい変動には引き続き要注意だ。
そうしたなか、材料的に注視されているものは、引き続き新型コロナの感染拡大とワクチン開発について。また、感染拡大状況が続く、いわゆるコロナ禍のなかの欧米諸国における「クリスマス・年末商戦」の行方を注視する向きも少なくない。本日は名実ともに「ブラックフライデー」にあたるが、果たして売り上げは如何に。数字の伸び悩みが確認されれば、堅調推移をたどっていた米株などの足を引っ張ることになりかねないかもしれない。

テクニカルに見た場合、ここ数日ドルの下値を支えてきた104.20円前後を本日東京時間に下回ってきた。ただ、それによりドル安に弾みがかかったわけではないが、一時104円割れを示現するなどリスクは下向きか。103.66円の前回安値、あるいは月間安値である103.18円などが意識されそうだ。
対する抵抗は、これまでサポートだった104.15-20円。そして、移動平均の21日線が位置する104.40-50円などとなる。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、NYが実質的な休場にあたることもあってか、目立った要因はうかがえない。引き続き経済指標の発表や要人による講演なども、とくには予定されていないようだ。ただ、先で取り上げた「EUが一部加盟国の漁業相との協議」など欧州については若干の材料も観測されている。欧州通貨主導の相場展開もあるか?

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.60-104.40円。これまでのサポートだった104.15-20円をめぐる攻防にまずは注目。上抜けば104.40-50円、前回高値104.76円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の103.90円が目先のサポートで、割り込めば前回安値103.66円が意識されそうだ。

基本レンジ予想だが荒い変動にも一応要注意

ドル円日足


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