ドル円、104円台半ばで上値重く推移。米感謝祭突入で動意薄の展開か
〇ドル円海外時間に104.60まで上昇するも前日高値104.77に到達できず104.40近辺に反落
〇利食いによる米株軟調、米指標不冴え、米国内コロナ感染拡大、感謝祭前ポジション調整が重石
〇ユーロドル欧州序盤に2か月半ぶり高値1.1930まで上昇後にやや伸び悩む
〇ドル円テクニカルには地合いの弱さ印象付ける形状、ファンダメンタルズも下落リスク警戒される
〇本日米国感謝祭祝日で動意薄化
〇本日の予想レンジ:104.10ー104.70
海外時間の為替概況
25日(水)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて(本邦の5・10日要因)、一時104.60まで上値を伸ばすも、前日高値104.77をバックに伸び悩むと、@米主要株価指数の軟調推移(心理的節目3万ドル到達後の利食い売り)や、A米第3四半期GDP改定値(結果33.1%、予想33.2%)の予想比下振れ、B米新規失業保険申請件数(結果77.8万件、予想73.0万件)の冴えない結果、C新型コロナウイルスの感染拡大(世界の感染者数が6000万人の大台突破。米国では死者が2000人超え。入院者数も過去最多を更新)、D米感謝祭前のポジション調整が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、104.40近辺まで反落する展開となっております(米感謝祭を控えて閑散商い)。
25(水)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。欧州時間朝方にかけて、一時1.1930(約2ヵ月半ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、9/2高値1.1931をバックに伸び悩むと、@欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大や、AECBによる根強い追加緩和観測、B当局者によるユーロ高牽制の思惑、C欧米株の下落を背景としたリスク回避のドル買いが重石となり、米国時間には一時1.1882まで反落する場面も見られました。もっとも、米感謝祭を翌日に控え方向感は見出しにくく、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1910近辺まで持ち直す動きとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、11/11に記録した高値105.68をトップに反落に転じると、11/18にかけて一時103.64まで下落しました。この間、一目均衡表基準線及び転換線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(3日連続で一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドが密集する104円台半ばのレジスタンスに続伸を阻まれる展開→上値の重さを再確認)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地が残る米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(米新規失業保険申請件数が2週連続で増加)、B米中対立激化懸念、C朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大リスク(たとえ新型コロナワクチンの供給が開始されたとしても世界中に行き渡るまでには相当な時間を要するとの慎重な見方)、E日本経済の先行き不透明感(本邦における新型コロナ感染者数急拡大→本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、F実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、G米追加景気対策の後ずれ観測(財政の崖リスク)、H米財政赤字の拡大懸念(米国債の格下げリスク)など、ドル円相場の下落を想起させる材料が引き続き沢山残っている状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。但し、本日は米感謝祭(Thanksgiving Day)で市場参加者の激減が見込まれることから、余程大きな材料が出てこない限り、1日を通して動意薄の展開(狭いレンジ内での方向感を見出しにくい相場)が予想されます(米国市場は休場)。
本日の予想レンジ:104.10ー104.70
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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