ドル円 英国情勢が波乱要因となる可能性も(11/23夕)

週明け23日の東京市場は、凪商状。

ドル円 英国情勢が波乱要因となる可能性も(11/23夕)

ドル円 英国情勢が波乱要因となる可能性も

〇ドル円東京祝日で凪商状、103円台後半の横ばい推移
〇トルコリラ夕刻急落原因特定できず
〇米国の1日の感染者数週末も過去最高を更新 ワクチンは12月11日にも使用可との観測も
〇「英・EU貿易交渉」の行方も気掛かり場合によってはポンド主導の相場展開も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.50-104.20

<< 東京市場の動き >>

週明け23日の東京市場は、凪商状。終日を通した変動は20ポイントにも満たず、ほぼ横這い推移だった。

先週末には、APEC首脳会議やG20首脳会議など重要な国際会議が開催され、出席したトランプ米大統領からも幾つかの発言が聞かれていた。また、引き続き新型コロナの感染拡大ならびにワクチン開発に関する報道などが様々飛び交い、百花繚乱状態に。
そうした状況を受け、ドル/円は103.70-75円で寄り付いたものの、積極的な動意に乏しい。東京が休場となるなか売買の手控えが目立ち、103.70-85円といった非常に狭いレンジ内での一進一退にとどまっている。16時現在では103.75-80円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、そうしたなかトルコリラが夕方になり突然急落。対円では13円半ばから13円割れ視野に入れたレベルまで、一気に値を崩している。材料は不明だか、早出の欧州勢による薄商いの間隙を突いた動きだったことは間違いない。

一方、材料的に注視されていたものは、「米大統領選」と「新型コロナとワクチン開発」について。
前者は、依然として敗北を認めないトランプ米大統領だが、ペンシルベニア州連邦地裁はトランプ陣営が求めていた「郵便投票約700万人分を無効とする」旨の訴えを棄却。いよいよ窮地に追い込まれつつ。またバイデン陣営は着々と組閣人事に勤しんでおり、次期政権の大統領首席補佐官が内定しているクレイン氏から、「24日に次期政権の閣僚候補の第1弾を発表する」との発言が聞かれていたようだ。イエレン前FRB議長の名前も取り沙汰されている次期財務長官は果たして誰か!?
対して後者は、この週末、米国における一日あたりの新型コロナ感染者が18万人を超え、一日あたりの過去最多を更新。また、トランプ米大統領の長男や、ホワイトハウス補佐官を務める大統領の個人弁護士ジュリアーニ氏の息子などのコロナ感染も明らかとなった。感染拡大が依然として続くなか、米ファイザーが「米当局にワクチンの緊急使用許可を申請」、早ければ12月11日にも接種できるようになるとの別の報道も観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

今年の為替市場は、東京が休場になる際、大きく動くことも少なくなかったが、本日はそんな経験則を尻目にとても静かな動きとなっている。事実、前述したように東京時間のドル/円の変動はわずか15ポイントほどだった。油断は禁物ながら、このあとの欧米時間もドル/円に限れば、引き続き落ち着いた値動きをたどるとの見方も決して少なくない。
そうしたなか、材料的に注視されているものは、新型コロナの感染拡大とワクチン開発について。また、それらニュースを受けた米株の動きにも注意を払いたい。一方、米国ファクターとは別に英国情勢、とくに「英・EU貿易交渉」の行方も気掛かりだ。先週、ブルームバーグが「日時は決まっていないが23日にも交渉打開を発表する可能性」−−などと報じている。場合によっては、ポンド主導の相場展開も。

テクニカルに見た場合、依然として狭いレンジ内。先週末、「18日以降というごく短期に目を向ければ、103.66-104.21円というわずか55ポイントレンジにとどまっている」とレポートしたが、いまだそのなかから脱却できない。まずは、同レンジをめぐる攻防が注視されそうで、上方向に抜ければ移動平均の21日線も位置する104円半ばを目指す反面、下値を割り込んでくれば前回103.18円がターゲットに。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、11月の製造業PMI速報値などの米経済指標が発表されるほか、サンフランシスコ連銀総裁やシカゴ連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。また米財務省による2年債や5年債の入札も実施される見込みだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.50-104.20円。19日高値の104.21円が最初の抵抗。超えれば移動平均の21日線も位置する104円半ばが次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースではここのところ幾度となく下値を支えている103.65-70円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むようだと、前回安値103.18円が視界内に捉えられかねない。(了)

注:ポイント要約は編集部

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