日米など休場多く、荒れた動きにも要注意(週報11月第4週)

先週のドル/円相場は、ドルが冴えない。

日米など休場多く、荒れた動きにも要注意(週報11月第4週)

日米など休場多く、荒れた動きにも要注意

〇ドル円先週は105円台を回復する場面もあったが週末にかけ下値を探る展開103円台で越週
〇バイデン氏新大統領としての既成事実積み上げつつある
〇今週は米新政権人事、コロナ拡大とワクチン開発、米景気対策等要注視
〇今週のドル/円予想レンジ102.50-105.00

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場は、ドルが冴えない。ただ、前週に動いた2.5円レンジのなかにとどまるなど、新たな方向性を示すことはできなかった。

前週末は、3日に実施された米大統領選における全選挙人の獲得数が判明。トランプ氏の逆転がますます苦しくなるなか、ジョンソン英首相が「コロナ感染者と接触」したために、自主隔離に入った旨を発表していた。
そうした状況を踏まえ、ドル/円は104.70円前後で取引を開始したのち、一時105円台を回復。週間高値を示現するも、ドル高基調は続かなかった。むしろ、週末にかけては下値を探る展開をたどると103円台まで1円以上下落。週末NYも103.80-85円と、週間を通してのドル安値圏で越週している。
なお、中銀総裁らが交代し新体制となったトルコ中銀が政策金利発表を行い、政策金利を475bp引き上げて15.00%とした。これを好感したリラ買いが優勢になると、対円やドルで直近の戻り高値を更新。対円では14円台回復も視界内に捉えられているようだ。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「米大統領選」と「新型コロナ関連ニュース」について。
前者は、米大統領選において勝敗の判明していなかったジョージア州とノースカロライナ州で勝敗が確定。その結果、全米538人の選挙人のうちバイデン氏が306人、トランプ氏が232人を獲得したことが明らかとなった。しかし、トランプ氏は依然として敗戦を認めず、長期化の様相も。ただ、そうしたなかバイデン氏は粛々と組閣人事などに着手しているほか、各国首脳らとの電話会談を実施。新大統領としての既成事実を積み上げつつある。いまだ再集計を実施中の州などは存在するが、金融市場においても、逆転不可能でバイデン新大統領で決まり、といった見方がもはや大勢だ。

対して後者は、ロイターが「次期政権誕生までにコロナ感染は死者31万人超える恐れ」と報じたほか、全米における一日当たりの新規感染者が連日のように過去最高を更新していることが明らかに。また、米国以外でも、コロナ対策の最前線であるジュネーブにあるWHO本部でクラスターの発生した可能性が伝えられるなど、新型コロナの感染拡大に関する悲観論も根強い反面、ワクチン開発への期待感もそこここで取り沙汰されていた。たとえば、米モデルナが「コロナワクチン、臨床試験第3相の94.5%で効果」、米ファイザーも「大規模試験の最終分析の95%有効」などと発表したことが、それぞれ株式市場を中心に大いに好感された局面も観測されている。

<< 今週の見通し >>

米大統領選においては、引き続き波乱要因として注意する必要があるものの、前述したように基本的には「バイデン氏勝利は動かない」との見方が大勢。為替や株式など金融市場も、すでにそれを織り込む動きとなっている。そうしたなか、マーケットで注視されている組閣人事のひとつである次期米財務長官について、「イエレン前FRB議長」の名前が取り沙汰され始めた反面、これまで有力候補とされていた「ブレイナード同理事が候補者から外れる」との報道も。真偽を含め、続報などを注視している向きも少なくない。
一方、今週の市場で話題になりそうなのは、まず前段でも取り上げた「新型コロナの感染拡大とワクチン開発」。また、米財務長官が「民主党との交渉再開する」と発言したことで再び脚光を浴びそうな「米景気対策」の行方にも一応要注意。そのほか、今週は週初に東京が休場となるほか、週末にはNY市場が休場となる。イベントなどの材料とは別に、休場をにらんだポジション調整の動きなども、リスク要因として頭の片隅にとどめておいて損はなさそうだ。

テクニカルに見た場合、先週は週末にかけて動意が徐々に乏しくなり、週央18日以降の3営業日だけに限れば、103.66-104.21円というわずか55ポイントレンジだった。目先は明確な方向性が乏しいと言わざるを得ない。ただ、リスクという意味では下方向への動きを警戒する声が多く、先週安値の103.66円、あるいは6日安値の103.18円を下回れば、いよいよ102円台突入も否定出来なくなりそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
そうしたなか今週の材料としては、11月の消費者信頼感指数や7-9月期のGDP統計改定値などの米経済指標が発表されるほか、11月4-5日開催分のFOMC議事録要旨公開、米財務省による2年債や7年債の入札などが実施される見込みだ。また、欧米要人による講演など発言機会も引き続き多く、その発言内容には一応要注意。

そんな今週のドル/円予想レンジは、102.50-105.00円。ドル高・円安については、ごく目先的には104.21円が抵抗になりそうで、超えると移動平均の21日線が週明けに位置する104円半ば、そして105.14円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末にかけて時間足など短期ベースのサポートになった103.65-70円をめぐる攻防にまずは注視。割り込むようだと前回安値103.18円、さらには102円台後半が視界内に捉えられそうだ。(了)

注:ポイント要約は編集部

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