ドル円、新型コロナウイルスの感染拡大と冴えない米小売売上高を受けて続落(11/18朝)

17日(火)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。

ドル円、新型コロナウイルスの感染拡大と冴えない米小売売上高を受けて続落(11/18朝)

ドル円、新型コロナウイルスの感染拡大と冴えない米小売売上高を受けて続落

〇ドル円米国等でのコロナ感染拡大と小売売上高の不冴えに一時104.07まで下落その後も戻り鈍い
〇ユーロドル米指標の不冴えと英EU間の貿易交渉妥結期待に一時1.1894まで上昇
〇ドル円テクニカルの地合い弱く11/6安値103.17を試す展開か
〇ファンダメンタルズもドル円下落材料多い
〇104円下抜けの場合見切り売り強まる恐れあり
〇本日の予想レンジ:103.80ー104.60(予想レンジ訂正)

海外時間の為替概況

17日(火)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@新型コロナウイルスの感染拡大懸念(米国における新型コロナウイルスに係る入院者数が過去最多を更新)や、A上記@を受けた株式市場の軟調推移、B米長期金利の低下、C新型コロナワクチンに関する過度な期待感の後退、D米10月小売売上高(結果0.3%、予想0.5%)の冴えない結果が重石となり、米国時間にかけて、安値104.07(11/9以来)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、104.20近辺で推移しております。尚、昨日はパウエルFRB議長より、「目先は経済の下方リスクが大きい」「景気回復支援に向けて必要な限りあらゆる政策措置を使用する」との発言が見られましたが、相場の反応は限定的となりました。

17日(火)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。@米国債利回りの低下を受けたドル売り圧力や、A米10月小売売上高の冴えない結果、B英国と欧州連合は「早ければ来週の合意を目指している」との一部報道(英ポンド上昇→ユーロ連れ高)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1894まで上昇しました。しかし、心理的節目1.1900をバックに伸び悩むと、CラガルドECB総裁による追加緩和を示唆する発言(新型コロナワクチン開発の前進がECBの見通しを大幅に修正するものでは無いことを強調→予定通り12月に金融緩和に踏み切る可能性→ユーロ売り)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.1864近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、11/11に記録した高値105.68をトップに反落に転じると、昨日は一時104.07まで下落しました。この間、一目均衡表基準線及び転換線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(短期筋の見切り売りが活発化する中、目先は11/6に記録した約8ヵ月ぶり安値103.17を試す展開)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(今週発表された米11月ニューヨーク連銀製造業指数、米10月小売売上高が共に冴えない結果)、B米中対立激化懸念、C朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大リスク(※新型コロナワクチン期待は沈静化。楽観ムードの逆流に警戒)、E日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、F実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク。昨日は株式市場がグローバルに反落)、G米追加景気対策の後ずれ観測(財政の崖リスク)、H米財政赤字の拡大懸念(米債の格下げリスク)など、ドル円相場の下落を想起させる構造的な不安材料は引き続き沢山残っている状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。欧米株及び欧米長期金利の動向や、新型コロナワクチンに関する続報(ワクチン開発に関するポジティブな報道が既に市場に織り込まれている為、反応しづらくなりつつある)、米経済指標の結果(米10月住宅着工件数や、米10月建設許可件数など)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(節目104.00を下抜けられれば、見切り売りが一段と強まる恐れ)。

本日の予想レンジ:103.80ー104.60

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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