米株の動き注視、為替は株価にらみの展開か(10/30夕)

30日の東京市場は、ドルが弱含み。昨日安値や9月安値など、一時104円レベルをうかがう局面も。

米株の動き注視、為替は株価にらみの展開か(10/30夕)

米株の動き注視、為替は株価にらみの展開か

〇ドル円、夕方にかけて104.10-15まで値を崩し、ドルが弱含みの展開
〇新型コロナ、欧米での感染急拡大に関する報道相次ぐ
〇時間外米株先物大きく値を下げる、状況次第では為替市場においてもリスク回避の動き強まるか
〇欧米諸国における新型コロナの感染拡大、株式市場に与える影響にも注目
〇本日発表の米経済指標、米企業決算発表などにも要注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.00-104.80

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場は、ドルが弱含み。昨日安値や9月安値など、一時104円レベルをうかがう局面も。

ドル/円は104.55-60円で寄り付いたのち、しばらくは底堅い。104.40円前後をサポートに下げ渋ったものの、割り込むと続落し、夕方にかけては104.10-15円まで値を崩している。日経平均株価がクローズベースで300円を超える下落をたどったうえ、時間外で取引されていたNYダウ先物など米株3指数とも大きく値を下げたことが嫌気されていたという。16時現在では104.25-30円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「欧州を中心とした新型コロナの感染拡大」と「追加の新型コロナウイルス経済対策」について。
前者は、ドイツのメルケル首相が、新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、「医療態勢が限界状態となっている」と述べたことが話題になるなか、スペインが25日に全土対し発令した「期間2週間の緊急事態を来年5月9日まで延長する」ことを明らかに。また、米国においても、29日の国内感染者が「8.6万人を超え、一日当たりとしては過去最高を更新した」と報じられている。後者との絡みでいえば、25日にメドウズ米大統領首席補佐官が「わたしたちは感染拡大を制御するつもりはない」などと発言していたが、米大統領選まで残り数日となるなか、そのスタンスを貫けるのか疑問視する声も聞かれていた。

対して後者は、ペロシ下院議長が当初「20日が期限」と述べており、それを超えての協議が実施されているものの、1週間を超えてもまだまとまる気配に乏しい。昨日もペロシ氏は「米大統領選後、来年1月に新議会が発足する前に経済対策でトランプ政権と合意することは可能」とやや楽観的なコメントを発していたが、カドローNEC委員長は逆に悲観的とも言えるコメントを発信。そのうえで、「ペロシ下院議長が足を引っ張っている。民主党は非常に重要な問題で妥協する姿勢を見せなかった」などと批判していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

11月3日の「米大統領選」そして「米上院選」への関心を集めるなか、「新型コロナの感染拡大」が新たな不安要因として取り沙汰されている。そのひとつは、前述したメドウズ発言や、トランプ米大統領がたびたび繰り返す「状況は好転しつつある」との発言に信ぴょう性が疑われることが挙げられよう。さらには、米紙ワシントンポストが指摘するように「コロナの感染拡大は大統領選の結果を左右する、いわゆる"激戦州"で顕著」とされることも気掛かり。欧州の情勢ももちろんだが、コロナをめぐる米国の情勢にも十分な注意を払いたい。
一方、そんな欧米諸国における「新型コロナの感染第2波」が、株式市場に与える影響にも注目だ。昨日こそ反発に転じた米株だったが、先でも取り上げたように、東京の時間外取引はされているNYダウ先物など米株3指数ともに大きく値を下げている。相場の地合いはかなり悪いと言わざるを得ず、本日NY時間さらに下落するようだと、為替市場においてもリスク回避の動きが強まることになりかねないかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドルは昨日104.03円まで下落し、9月安値に面合わせ。安値を割り込めなかったという点に、一抹の引っ掛かりも覚えるが、リスクはドル安方向といって間違いなさそうだ。むしろ、本日中にも再び104円割れトライをたどる可能性もある。
ただ、レベル的には日本の当局者などによる「口先介入」にも要注意。継続的な効果はともかく、一時的なドル下支え効果は無視できないかもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「ベラルーシ情勢」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
そうしたなか本日の材料としては、10月のシカゴ購買部協会景気指数や同ミシガン大学消費者信頼感指数確報値といった米経済指標が発表される予定となっている。ただ、昨日発表された米GDPがなかなか強い数字になったにもかかわらず反応が限られたことで、米指標は悪い内容の方が影響は大きいのかもしれないとの指摘も。そのほか、株価が崩れているだけに、発表される米企業決算発表などにも要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.00-104.80円。昨日高値の104.73円が最初の抵抗として意識されている。超えると、26日に記録したドル高値105.05円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日に続き本日東京時間にも割り込めなかった9月安値である104.00円をめぐる攻防にまずは注目。下回るようなら当然103円台突入で、年初来安値101.19円を起点とした大きな上げ幅のフィボナッチ76.4%戻しにあたる103.65-70円が意識されそうだ。

米株の動き注視、為替は株価にらみの展開か

ドル円日足


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