大統領候補の討論会注視、レンジ放れ期待も(9/29夕)

29日の東京市場は、ドルが小じっかり。レンジは決して広くなかったが、終盤にかけてドルが買い進められている。

大統領候補の討論会注視、レンジ放れ期待も(9/29夕)

大統領候補の討論会注視、レンジ放れ期待も

〇ドル円、夕方にかけ105.70レベルまで上昇、終盤にかけてドルが買い進められる展開
〇トルコリラ円、依然史上最安値圏での値動き、隣国の情勢警戒か
〇ドル円、105.70レベルを越えるか反落に転じるか、目先の攻防に注目
〇本日実施される米大統領候補による討論会注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.30-106.10

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場は、ドルが小じっかり。レンジは決して広くなかったが、終盤にかけてドルが買い進められている。

ドル/円は105.45-50円でオープンしたのち、しばらくは冴えない。本日NY時間の材料をにらみ積極的な売買が手控えられ、105.35-55円といったレンジをたどるも、夕方にかけて上抜けしてきた。日中高値である105.70円レベルまで上昇すると、16時現在でも同水準をキープ、ドル高値圏で欧米時間を迎えていた。
なお、それとは別にトルコリラが依然として不安定。隣国アゼルバイジャンとアルメニア情勢をめぐる警戒感から、対円などで引き続き史上最安値圏での冴えない値動きが続いている。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「M&Aなど」について。
前者は、まずTikTokをめぐる動きについて、中国共産党機関紙である環球時報が「中国は米側の動きを阻止するために断固とした措置を講じる」との見通しを報じたほか、中国大使はWTOが「米国の対中関税措置が国際貿易ルールに違反していると判断」したことについて、「客観的かつ公平な判断だった」と発言したことも観測されていた。そのほか「中国外相が10月来日で調整に入った」、「中国、南シナ海など5ヵ所で同時軍事演習開始」、「中国共産党、10月26-29日に5中総会を開催」−−など、様々なニュースが報じられている。

対して後者は、コロナ禍で経営の苦しい先も観測されるなか、国境を超えたM&Aの話などが相次ぐ。たとえば「欧州製鉄大手ミタル、負債を含め33億ドルで米社に米国事業を売却」、「米シーザーズ、英ウィリアム・ヒルを29億ポンドで買収する方向で協議」、「第一生命、子会社通じ100億円で米損保を買収」、「独フォルクスワーゲン、ヘラー傘下のカメラソフトウエア事業を買収」−−などになる。また、「NTTが携帯電話事業を手がけるNTTドコモを完全子会社化する検討に入った」との報道も別途観測され、思惑を呼んでいた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は本日の夕方にかけ、105.70円レベルまで値を上げてきたが、昨日もレポートしたように同レベルは鬼門。何故なら、先週末に続き昨日の東京でも同水準でドルの上値をキャップされていることにほかならない。勢いそのままでしっかりと越えていくのか、それとも「二度あることは三度ある」となり再び反落に転じるのか、目先の攻防に要注目だ。なお、そんなドル/円の動きもさることながら、トルコリラなどを含めた欧州通貨の動きにも一応要注意。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「菅新首相誕生と日本の政局」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、本日はトランプ氏とバイデン氏、2人の米大統領候補による討論会が実施され、そちらを注視している向きも少なくない。ここにきて、NYタイムズが報じた「トランプ氏の過去の納税問題」が話題になっており、バイデン陣営が攻勢を強めているとの報道もある。終了後に両氏の支持率がさらに広がるのか、それとも縮まるのか、いずれにしても注目だ。

テクニカルに見た場合、昨日もレポートした「先週24日以降のドル/円は105.20-70円という50ポイントレンジ」をいまだ形成している。本日夕方に上抜けかかったが、現状のところ抜けることは出来ていない。ともあれ、まずはそんな足もとの50ポイントレンジをめぐる攻防にまずは注意を払いたい。上抜ければ106円台回復が見込まれる反面、失敗すれば一転して下値トライ105.20円あるいは105円ちょうどなどを視界内に入れた展開も。

本日、7月のS&Pケースシラー住宅価格指数や9月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数といった米経済指標が発表される予定となっている。
また、米地区連銀総裁などによる講演も多く予定されているうえ、前述した「米大統領候補者による討論会」が実施される見込み。さらに、欧州へと目を向けると、英国とEUの主席交渉官級協議が行われる見通しで、こちらに対する警戒感も強いようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.30-106.10円。本日東京でも「しっかり」とは越えられなかった105.70円レベルが最初の抵抗。上抜ければ106円台回復もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含め、かなりの底堅さがうかがえる105.20-30円が目先のサポートか。ただ割り込むと105円割れ、104.80円や104.40円などが意識されかねない。

大統領候補の討論会注視、レンジ放れ期待も

ドル円日足



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