米要因も気になるが、欧州通貨の動き要注意(9/25夕)

25日の東京市場は、小幅ながら「行って来い」。一時ドルが買い進められたものの続かず、結局寄り付きレベルまで押し戻されている。

米要因も気になるが、欧州通貨の動き要注意(9/25夕)

米要因も気になるが、欧州通貨の動き要注意

〇ドル円、一時105.55レベルを記録するも夕方にかけて右肩下がり、行って来いの展開
〇トルコリラ、堅調な推移、対円で一時9/17以来の14円台に届く
〇米通貨当局者による発言相次ぐ、一部はドルの支援要因に
〇ポンド・トルコリラといった欧州通貨の動き、要警戒
〇本日発表の8月米耐久財受注、また要人の発言注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.80-105.70

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場は、小幅ながら「行って来い」。一時ドルが買い進められたものの続かず、結局寄り付きレベルまで押し戻されている。

ドル/円は105.35円レベルでオープンしたのち、ドルが緩やかな右肩上がり。週末ゴトー日で需給要因などが取り沙汰されるなか、円がクロスを含め全面的に軟調に推移したことで、ドル/円もじり高推移をたどっている。日中高値である105.55円レベルを記録するも上値は重く上げ渋り。夕方にかけては、一転して右肩下がりとなり、105.30円レベルへと軟化。16時現在では105.30-35円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、そうしたなかトルコリラが対円などで小じっかり。前日、予想外の利上げを受け、急伸したトルコリラは、東京時間にも堅調裡。対円では夕方にかけて値を上げると、9月17日以来となる14円台へとタッチも観測されている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米経済・金融情勢」と「米中の対立」について。
前者は、引き続き米通貨当局者による発言が相次いでいたようだ。好悪取り混ぜ3つほど取り上げると、セントルイス連銀総裁「失業率は今後数ヵ月で急速に低下する可能性」、ボストン連銀総裁「2%のインフレ率に程遠く低金利は数年継続」、シカゴ連銀総裁「仕事を失った失業者への支援を強化すべき」−−になる。そのほか、ブルームバーグが「ムニューシン米財務長官が追加景気対策の妥協案をめぐり、民主党のペロシ下院議長との協議を再開する意向」と報じ、これはドルの支援要因に。
対して後者は、先日もトランプ米大統領と習中国国家主席による激しいやり合いが観測された国連安保理で、再び米中による非難の応酬が観測されていた。オンラインで開いた高官級公開会合において、両国の国連大使が「恥を知れ」や「雑音が聞こえた」などといった罵声に近い内容を互いに声高で叫んでいたという。なお、それとは別に米地裁がトランプ政権に対し、「新規ダウンロード禁止措置の延期など、25日までにTikTokをめぐる法的文書の提出を要求した」ことが話題となっていた。

<< 欧米市場の見通し >>

新型コロナの感染者は、全世界で3200万人超え。死者数もおよそ98万人と、100万人超えも不可避の状況となっている。止まらぬ感染拡大、とくに欧米諸国における再拡大が、政治そして社会問題化している感も否めない。各国の政策対応には引き続き要注意だろう。前述したような様々な「米国ファクター」にも注意を払いたいところだが、市場変動という意味ではポンドやトルコリラなどを含めた、欧州通貨の動きにより警戒が必要かもしれない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「菅新首相誕生と日本の政局」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。今週は週間を通して米通貨当局者などによる発言機会が多く、本日も欧州を含めて複数要人の講演が予定されており、それらに対する警戒感も強い。ただ、敢えてやや異なる視点からひとつ指摘をしておくと、9月末がそろそろ意識されるなかの需給要因、そして株式などを含めたうえでのポジション解消の動きもジワリと俎上にのぼりはじめているようだ。思惑とは逆方向に動く展開などにも一応要注意。

テクニカルに見た場合、6月高値109.85円を起点とした長期フィボナッチの観点では、38.2%戻しにあたる105.40円レベルをクリアしており、上値メドは半値戻しの106.20-25円。また、短期8月高値107.05円を起点とすれば、足もと上げ渋っている105.55円レベルはちょうど半値戻しに合致、その攻防に注目だ。ちなみに、後者では61.8%戻しは105.85-90円、76.4%戻しは106.30-35円となる。

本日、8月の米耐久財受注が発表される予定で、まずはその内容が注視されている。
また、ウィリアムズNY連銀総裁による電話会議参加など、本日も要人の発言機会が少なくないだけに、そちらの動きにも注意を払いたいほか、米地裁が命じたTikTokに絡む要求の返答、トランプ政権の出方も場合によっては波乱要因となりかねない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.80-105.70円。時間足など短期ベースでは、ここ数日何度か上抜けを狙うも阻まれている105円半ばが最初の抵抗。ただ、上抜ければ移動平均の21日線が位置する105.65-70円が次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日の欧米時間以降は105.20円レベルが目先のサポートとして寄与している感があり、まずはその攻防が注目されそうだ。下回ると105円割れ、104.80円や104.40円などが意識されかねない。

米要因も気になるが、欧州通貨の動き要注意

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る