ドル円、約2週間ぶり安値圏へ下落。米FOMCを前にドル全面安の様相
〇ドル円FOMCへの緩和期待でレンジ下放れ、一時105.54まで下落
〇ユーロドルリスク選好に1.1888まで上昇後伸び悩む。レーン専務理事再びユーロ高牽制
〇ドル円一目均衡表基準線や転換線、21日移動平均線を下抜け地合いの弱さを印象付けるチャート形状
〇一目均衡表雲下限をクリアに下抜けられるか否かに注目集まる
〇本日も米FOMCに対する追加緩和期待を背景にドル全面安の流れが続くと予想
〇本日の予想レンジ:105.30ー106.10
海外時間の為替概況
14日(月)の外国為替市場でドル円は下落。@9/15ー9/16に予定されている米FOMCに対する根強い追加緩和期待(ドル売り要因)や、A欧米株の上昇を背景としたリスク選好ムードの高まり(ドル売り要因)、B米中対立先鋭化リスク(ドル売り要因)、C菅官房長官の自民党総裁選出(材料出尽くしに伴う円高圧力)、Dテクニカル的な地合いの弱さ(レンジ相場からの下放れ→短期筋のロスカット)が重石となり、米国時間には、約2週間ぶり安値となる105.54まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、105.70近辺で推移しております。
14日(月)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む動き。@欧米株の上昇を背景としたリスク選好ムードの高まり(ドル売り要因)や、A9/15ー9/16に予定されている米FOMCに対する根強い追加緩和期待(ドル売り要因)、Bユーロ圏7月鉱工業生産(結果▲7.7%、予想▲8.1%)の予想比上振れ(ユーロ買い要因)、Cドイツ経済省(月報)による「年内の国内経済は新型コロナウイルス危機からの回復が続く見込み」とのポジティブな見解(ユーロ買い要因)、D英ポンドの堅調推移(週明けの英ポンドが反発→ユーロ連れ高)が支援材料となり、米国時間朝方には一時1.1888まで上昇しました。しかし、先週の高値1.1918をバックに伸び悩むと、EレーンECB専務理事による「ユーロ相場はインフレ見通しに影響を与える」との発言(ユーロ高牽制発言→ユーロ売り要因)や、F英ポンドの反落(英国よる国内市場法案の審議開始→英合意無き離脱リスク再燃→英ポンド下落→ユーロ連れ安)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1868近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、8/28に記録した高値106.96をトップに反落に転じると、昨日は一時105.54まで下落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を下抜けするなど、テクニカル的にみて、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となっております。目先は105.66に控える一目均衡表雲下限をクリアに下抜けられるか否かに注目が集まります(クリアに下抜けられた場合、強い売りシグナルを示唆する三役逆転の成立を通じてドル円に下押し圧力が加わる可能性あり)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(日本側はアベノミクス終了の思惑が広がる一方、米国側は9/15ー9/16に予定されているFOMCに向けて追加緩和期待が高まる展開)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C米政治の先行き不透明感(11/3の米大統領選)、D朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大懸念、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株式相場の大幅な乖離(株安に端を発したリスク回避ムードの再燃→クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも下落リスクが警戒されます。欧米株の動向や、米中対立激化に関するヘッドライン、米中の主要経済指標の結果(中国8月小売売上高、中国8月固定資産投資、中国8月鉱工業生産、米9月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米8月鉱工業生産など)、英国情勢(合意無き離脱懸念が一段と高まるか否か)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(本日も米FOMCに対する追加緩和期待を背景にドル全面安の流れが続くと予想)。
本日の予想レンジ:105.30ー106.10
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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