来週の為替相場見通し:『自民党総裁選・FOMC・日銀会合などイベント目白押し』(9/12朝)

ドル円は、心理的節目106円丁度を挟んで方向感に欠ける値動きが続いております

来週の為替相場見通し:『自民党総裁選・FOMC・日銀会合などイベント目白押し』(9/12朝)

来週の為替相場見通し:『自民党総裁選・FOMC・日銀会合などイベント目白押し』

〇ドル円週を通して方向感を見出しづらく、週間値幅は僅か61銭、106.10近辺での越週
〇ユーロドル英国のEU離脱問題、ECB緩和観測に1.1753まで下落
〇その後ラガルドECB総裁の「為替レートを目標にしているわけではない」との発言等で1.1918まで急伸
〇週末にかけてはポンド売り、レーンECB専務理事のユーロ高牽制発言に再び反落、1.1840レベルで越週
〇株安を背景としたリスク回避の円買いと、米FOMC後のドル売り期待がドル円の重石
〇来週の予想レンジ(USDJPY):104.75ー107.25(EURUSD):1.1700−1.1950

今週のレビュー(9/7−9/11)

<ドル円相場>
今週のドル円相場は、週初106.28で寄り付いた後、早々に週間高値106.39まで上昇しました。しかし、先週の高値106.57をバックに伸び悩むと、@米主要株価指数の下落(レーバーデー明けの米国勢がリスクアセット売りで参入)を受けたリスク回避ムードの再燃(対主要通貨でドル高→クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路)や、A米中対立激化懸念(トランプ米大統領は中国との経済関係を制限する姿勢を強調)、B翌週の米FOMC(連邦公開市場委員会)を前にした追加緩和期待が重石となり、9/9にかけて、安値105.78まで下落しました。もっとも、一目均衡表雲下限に続落を阻まれると、週末にかけて持ち直し、結局106.10近辺での越週となっております。週を通して方向感を見出しづらく(リスク回避局面ではドル高・円高、リスク選好局面でのドル安・円安といったようにドルと円が同一方向で動いたことが要因)、週間値幅は僅か61銭に留まっております。

<ユーロドル相場>
今週のユーロドル相場は、週初1.1833で寄り付いた後、@英国の合意なき離脱リスクの高まり(英ポンド急落→ユーロ連れ安)や、AECBによる根強い追加緩和観測、Bドイツ7月鉱工業生産(結果▲10.0%、予想▲7.3%)の冴えない結果、C欧米株の下落を受けたリスク回避のドル買い圧力が重石となり、9/9にかけて、8/12以来、約1ヵ月ぶり安値となる1.1753まで下落しました。しかし、ボリンジャーバンド下限に続落を阻まれると、D欧米株の持ち直しを受けたリスク選好のドル売りや、EラガルドECB総裁による「為替レートを目標にしているわけではない」との(ECB理事会後の記者会見での)発言(市場ではこれがユーロ高容認発言ととみなされユーロ買いを誘発)が支援材料となり、翌9/10には、約1週間ぶり高値となる1.1918まで急伸しました。

もっとも、心理的節目1.20をバックに伸び悩むと、週末にかけて再び反落。F英国の合意無き離脱リスクの再燃を受けた英ポンドの急落(上記@と同様、英ポンド急落→ユーロ連れ安の波及経路)や、GレーンECB専務理事による「3月以降のユーロ上昇はインフレ見通しを押し下げる」とのユーロ高牽制発言が重石となり、結局1.1840近辺まで押し返されての越週となっております。

来週の見通し(9/14−9/18)

<ドル円相場>
ドル円は、心理的節目106円丁度を挟んで方向感に欠ける値動きが続いております(一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限が全て同水準に密集する状態)。テクニカル的にみて、レンジ相場の継続(方向感を見出しづらいトレンドレスな相場展開の継続)が予想されます。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違い(日本側は安倍晋三首相辞意表明を経てアベノミクス終了の思惑が広がる一方、米国側はジャクソンホールを経て大規模量的緩和の長期化期待。9/15ー9/16に予定されているFOMCに向けた追加緩和期待もドル売り要因)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C日米の政局不透明感(9/14の自民党総裁選及び、11/3の米大統領選への警戒感)、D朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大懸念、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株式相場の大幅な乖離(株安に端を発したリスク回避ムードの再燃→クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路)、H英国の合意無き離脱リスクの再燃(英ポンドの急落に端を発したリスク回避のクロス円下落リスク)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円相場は、ファンダメンタルズ主導で上値を切り下げる展開が予想されます。株式市場の動向(米主要株価指数が下げ幅を拡大するか否か)や、米中対立激化に関するヘッドライン(トランプ米大統領のツイート内容に注目)、米中の主要経済指標の結果(中国8月鉱工業生産、中国8月小売売上高、中国8月固定資産投資、米9月ニューヨーク連銀景況指数、米8月鉱工業生産、米8月小売売上高、米8月住宅着工件数、米9月ミシガン大消費者信頼感指数など)や、英国・EU間の通商交渉の行方(英合意無き離脱リスクが一段と高まるか否か)、

9/14に予定されている自民党総裁選(予想通り菅官房長官が選出された場合、アベノミクス継続の思惑からひとまずご祝儀的な株高・円安が促されるリスクあり)、9/15ー9/16に予定されている米FOMCの結果(明確なフォワードガイダンスが示された場合、金融緩和長期化観測を通じてドル売りが強まる恐れあり)、9/16ー9/17に予定されている日銀金融政策決定会合の結果(政策変更は無いと見込まれることから、新総裁誕生後の黒田総裁会見に注目。アベノミクス継続が強調されれば、一時的に円売りで反応する恐れあり)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落(上値の重い展開)をメインシナリオとして予想いたします(株安を背景としたリスク回避の円買いと、9/15ー9/16に予定されている米FOMC後のドル売り期待がドル円の重石)。

来週の予想レンジ(USDJPY):104.75ー107.25

<ユーロドル相場>
ユーロドル相場は、9/9に記録した約1ヵ月ぶり安値1.1753をボトムに切り返すと、9/10には一時1.1918まで急伸しました。しかし、心理的節目1.2000や、9/1に記録した約2年4ヵ月ぶり高値1.2012が意識されると上値を重くし(戻り売りを誘発)、週末にかけて再び、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜ける冴えない展開となりました。テクニカル的に見て、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(1.19台での滞空時間は僅か2時間程度)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@ユーロ圏経済及び物価の先行き不透明感(ユーロ高を背景にインフレ鈍化懸念)や、A米中対立激化リスク(米中による報復措置の応酬→世界経済の不安定化リスク)、B世界的な貿易戦争再開リスク(米大統領選挙への不確実性が増しつつあり、トランプ米政権による強硬外交がユーロ圏へも波及する恐れ)、C朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、D新型コロナ第2波リスク(ユーロ圏における新型コロナ感染再拡大懸念)、EECBによる根強い追加緩和観測、FIMM通貨先物市場における投機筋の高水準のユーロロング(上値余地は限定的)、G英国の合意無き離脱リスクの再燃(英国・EU間の通商交渉難航リスク)、HECB当局者によるユーロ高牽制発言(レーンECB専務理事は9/11にユーロ高を牽制)など、ユーロドルの上値を抑制する材料は今尚沢山残っている状況です。

以上の通り、ユーロドル相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。欧米株及び欧米の長期金利の動向(欧米株が冴えない場合、リスク回避のドル買い・円買いを通じてユーロが押し下げられるリスクあり)や、米中対立激化を巡るヘッドライン、ユーロ圏の要人発言(ECB当局者によるユーロ高牽制発言に注意)、英国・EU間の通商交渉の行方(交渉難航なら英ポンド急落→ユーロ連れ安)、欧米の主要経済指標の結果(9/15のドイツ9月ZEW景況感調査や、9/15−9/16の米FOMCなど)を睨みながらも、当方では引き続き、ユーロドル相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(英合意無き離脱リスクの高まりを受けた英ポンド急落→ユーロ連れ安の流れと、ECB当局者によるユーロ高牽制発言がユーロの重石)。

来週の予想レンジ(EURUSD):1.1700−1.1950

注:ポイント要約は編集部

来週の為替相場見通し:『自民党総裁選・FOMC・日銀会合などイベント目白押し』

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