ドル円、米中楽観ムードを背景に上昇するも、ジャクソンホールを前に伸び悩む展開
〇ドル円、米中通商協議進展期待等に106.57まで上伸後、消費者信頼感指数の不冴えで106.36近辺に反落
〇ユーロドルは1.18台前半で底堅い
〇ドル円、テクニカルに持ち直しの兆し見せるも、ファンダメンタルズの弱さが続伸阻むシナリオを想定
〇明日以降のジャクソンホールを前に再びドル安を織り込む動きが広がるか
〇本日の予想レンジ:105.80ー106.60
海外時間の為替概況
25日(火)の外国為替市場でドル円は上昇後に反落。@新型コロナウイルスの治療薬承認を巡る期待感や、A米中通商協議の進展期待(米中両国は合意の履行に向けて必要な措置を取ることにコミット)、B上記@Aを背景としたリスク選好ムード(欧米株上昇→円売り)、C米7月新築住宅販売件数(結果90.1万件、予想78.6万件)及び、D米8月リッチモンド連銀製造業指数(結果18、予想10)の良好な結果が支援材料となり、米国時間にかけて、約1週間ぶり高値106.57まで上昇しました。しかし、上方に位置する一目均衡表雲下限をバックに伸び悩むと(戻り売り圧力が強まると)、その後は、E米8月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果84.8、予想93.0、2014年5月以来の低水準)の冴えない結果や、F米主要株価指数の反落(リスク回避の円買い)、G良好な2年債入札を受けた米長期金利の低下が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、106.36近辺まで押し戻される展開となっております。
25日(火)のユーロドル相場は堅調な動き。@欧米株の上昇を背景としたリスク選好のドル売り・円売りや、Aドイツ8月Ifo景況感指数(結果92.6、予想92.0)の良好な結果(ユーロ買い要因)、B米8月コンファレンスボード消費者信頼感指数の急低下(ドル売り要因)、C良好な2年債入札を受けた米長期金利の低下(ドル売り要因)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.1844まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、1.1833近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、8/19に記録した安値105.11(7/31以来の安値)をボトムに反発に転じると、昨日は一時106.57まで上昇しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドを上抜けするなど、テクニカル的にみて、やや「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状となっております(但し、107円付近には分厚い一目均衡表雲が控えており、上値余地は限定的か)。
ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策余力の違い(8/27ー8/28に予定されているカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム=ジャクソンホールに注目)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下(米政治の先行き不透明感)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナウイルスの感染拡大懸念、G日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)など、引き続きドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しを見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。米中対立に関するヘッドライン(昨日の米中楽観ムードを打ち消すヘッドラインに警戒)や、米国の主要経済指標の結果(米7月耐久財受注など)、欧米株及び米長期金利の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落(上値余地は限定的)をメインシナリオとして予想いたします(明日以降に控えるジャクソンホールを前に再びドル安を織り込む動きが広がると予想)。
本日の予想レンジ:105.80ー106.60
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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