ドル戻り歩調だが、それでも基本はレンジ内(8/25夕)

25日の東京市場は、ドルが小高い。レンジそのものは狭かったが、前日は越えられなかった106円台を回復する局面も観測されている。

ドル戻り歩調だが、それでも基本はレンジ内(8/25夕)

ドル戻り歩調だが、それでも基本はレンジ内

〇ドル円、小動きながらもドルは底堅い展開、夕方に106.15近くまで値を上げた
〇「米中貿易合意の検証会合」に一定の進展、ドルの底堅い値動きしばらく続くか
〇今週は「ジャクソンホール会合」と「米共和党大会」に注目、市場はそれまで動きにくい雰囲気
〇米警官による黒人男性銃撃事件、捜査の進展次第では波乱要因となるか
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.70-106.60

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場は、ドルが小高い。レンジそのものは狭かったが、前日は越えられなかった106円台を回復する局面も観測されている。

ドル/円は105.95円前後で寄り付いたのち、基本はボックス相場。終日を通した値幅はわずか30ポイント程度の動きにとどまっていた。しかし、日米株価がともに大きく上昇したことなどもあり、小動きながらもドルは底堅い展開。夕方には日中高値である106.15円近くまで値を上げ、16時現在でもほぼ同水準で推移し欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中の対立」と「米中貿易協議」について。
前者は、4日間の日程で始まった米共和党大会において、11月に行われる大統領選で再選を目指すトランプ氏の公約要旨を発表され、そのなかで「中国への依存を終わらせる」とともに、100万人の雇用を中国から取り戻す方針を掲げたことが話題になっていたようだ。そうしたなか、中国サイドは王外相が25日から独仏など欧州5ヵ国の歴訪を発表。中国の立場を説明し、関係を維持するとともに対米関係を進めたい考えなどもあるようだ。またTikTokは、「トランプ米大統領などを相手取りロサンゼルス連邦地裁に提訴した」ことを正式に発表している。

対して後者は、15日に実施される予定だった「米中貿易合意の検証会合」が、延期となり先行きは一気に不透明に。そののち紆余曲折を経るも、本日になり突然、「中国副首相が米USTR代表らと24日に電話協議を行った」と報じられている。さらに「双方が進展を確認し、合意の成功に向け必要な措置を取ることで約束した」という。なお、この報道を受けた為替市場の反応だが、ドル/円などは予想以上の小動きにとどまったが、人民元はオンショア、オフショアともに値を上げている。

<< 欧米市場の見通し >>

今週一週間を通して注目されている材料は、「ジャクソンホール会合」と「米共和党大会」。ともに27日に重要なイベントが予定されていることで、それまではやや動きにくい雰囲気をたどりそう。ただ、それでも前述したように懸案事項のひとつだった「米中貿易合意の検証会合」について、一定の進展が見られたことで、ドルの買い安心感を取り沙汰する声も聞かれていた。ドルの底堅い値動きは、いましばらくのあいだ続く可能性もある。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、ここにきて「安倍首相の健康不安説」と「ベラルーシ情勢」も新規要因として注目を集めはじめている。そうしたなか、「米大統領選」などと絡め目先注目されているのが、現地時間23日夕方に発生した「米警官が黒人男性を背後から銃撃した」事件。野党民主党のバイデン大統領候補も「警官らの責任を追及すべきだ」と述べるとともに、徹底捜査を求める声明を発表している。捜査の進展如何では金融市場においても波乱要因となりかねないだろう。

テクニカルに見た場合、本日の東京時間にドルはやや強含みに推移したが、それでも大局的にはレンジ内。月初から続く105-107円という2円レンジにはいまだとどまっている。明確な方向性は依然として乏しく、引き続き足もとのボックス圏をどちらに抜けていくのか、その方向性とブレークのタイミングに注意を払いたい。

本日、8月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表される見込みとなっている。先で指摘したように、今週は27日に重要イベントが集中しているものの、発表される米経済指標への関心は決して低くない。冴えなかった昨日発表された7月のシカゴ連銀全米活動指数に続き、本日以降も同様の指標内容が続くならドルの上値抑制要因となる可能性もありそうだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.70-106.60円。本日東京の夕方に接近するも越えられなかった106.21円をめぐる攻防にまずは注視。抜ければ、106.30円や106.60円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値105.69円や先週末安値の105.45円が取り敢えずのサポートに。割り込めば前回安値105.10円がターゲットとなる。

ドル戻り歩調だが、それでも基本はレンジ内

ドル円日足


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