米雇用統計注視、レンジ脱却なるか(8/7夕)

7日の東京市場は、ほぼ横這い。105円台半ばを挟んだ、20ポイント強のレンジ取引にとどまっている。

米雇用統計注視、レンジ脱却なるか(8/7夕)

米雇用統計注視、レンジ脱却なるか

〇ドル円、105円台半ばを挟んだ20ポイント強のレンジ取引
〇TikTokをめぐる動きやトランプ発言等を材料視
〇新型コロナ追加経済対策法案をめぐり、米政権と民主党に依然溝
〇足もとで強弱の数字が混在する、本日発表の米雇用統計には要注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.80-106.20

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場は、ほぼ横這い。105円台半ばを挟んだ、20ポイント強のレンジ取引にとどまっている。

ドル/円は105.45円レベルで寄り付いたものの、NY時間に注目の米雇用統計発表を控えていることもあり、終日を通して積極的な売買は観測されなかった。105円台半ばを挟んだ、20ポイント強のレンジ取引に。終盤にかけて「東京の新規コロナ感染者は462人」と発表されたものの、影響は限られた。16時現在では105.55-60円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「TikTokをめぐる動き」と「幾つかのトランプ発言」について。
前者は、中国外務省報道官から「米の中国製アプリ排除に断固反対する」との発言が聞かれるなか、TikTok(ティックトック)を運営する中国バイトダンスが、アイルランドにデータセンターを開設すると明らかにしたとされ一部で話題に。そのほか、中国メディアによる「米マイクロソフトはTikTok買収で最大300億ドルを支払う用意あり」や、英紙FTの「米MS、TikTokの一部事業でなく事業全体の買収を検討」との報道なども、その真偽を含めて物議を醸していたようだ。

対して後者は、ラジオ番組などを通じて伝えられたトランプ発言が思惑を呼ぶ。幾つか例を挙げると、「給与税減免と立ち退き猶予で大統領令を発令する」、「大統領選が行われる11月初旬までにコロナワクチンが実用化される可能性はある」、「カナダ製アルミニウム製品に対する10%の関税を再発動する宣言に署名した」、「レバノンの首都ベイルートで起きた大爆発は事故だった可能性もある」、「ツイッター社などから不当な検閲を受けたと不満を表明」−−などになる。また、発言ではないが「全世界への渡航中止を撤回」したほか、別途「TikTok売却に関する大統領令に署名した」とも伝えられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

トランプ氏が発した「金曜日、雇用に関して大きな数字がでる」とのコメントもあり注目度の高い7月の米雇用指標だが、具体的な数字の予想はなかなか難しい。実際、一昨日に発表されたADP雇用統計は大いに期待を裏切る数字だった反面、昨日発表された週間ベースの新規失業保険申請件数は逆に予想を上回る好数字に。つまり、足もとでも好悪が混在している状況にある。ただ、いずれにしても、米雇用統計発表前後の金融市場には要注意で、荒っぽい変動をたどることへの警戒感を抱く向きも少なくない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それら数ある要因のなかでも、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。なお、昨日筆者が懸念を示した「米政権と民主党指導部による新型コロナウイルス追加経済対策法案をめぐる協議」の行方だが、6日に実施された協議でも、与野党協議は法案の規模や内容をめぐってなお溝が埋まっていないようだ。このあとの欧米時間、米雇用統計の発表がメインの材料となろうが、こちらの情勢にも引き続き注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、今週のドル/円はザックリ言って105.30-106.50円という1.2円レンジを形成しているが、このあとの発表される米雇用統計などを受けて、レンジを放れることができるのかが注視されている。ちなみに、リスクという点ではドル安方向にバイアスがかかるとされ、レンジ下限である105.30円を仮に割り込めば105円割れトライから、直近安値104.19円を目指すとの見方が有力だ。

本日、7月の米雇用統計が発表される予定となっている。もともと注目度の高い経済指標だが、前述したようにトランプ氏が「金曜日、雇用に関して大きな数字がでる」と発言したこともあり、いつも以上に注目されている感を否めない。なお、市場の関心がもっとも高い非農業部門雇用者数はプラス150万人程度が見込まれているほか、失業率は10.5%程度が予想されているという。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.80-106.20円。上方向は、今週水曜日以降一度も106円台に到達しておらず、その手前が少しずつ抵抗として意識されている感。本日も105.80-90円などの攻防にまずは注視だ。上抜けると、移動平均の21日線も近い106.47円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足ベースで少なくとも2度下げ止まっている105.30円前後を割り込めるか否かが注視されている。割り込んだ場合には105円割れも否定出来ないだろう。

米雇用統計注視、レンジ脱却なるか

(ドル円日足)


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