ドル円、上昇後に伸び悩む展開。ボルカールール緩和報道で資産現金化需要が和らぐ(6/26朝)

25日(木)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。

ドル円、上昇後に伸び悩む展開。ボルカールール緩和報道で資産現金化需要が和らぐ(6/26朝)

ドル円、上昇後に伸び悩む展開。ボルカールール緩和報道で資産現金化需要が和らぐ

〇ドル円リスク回避のドル買い継続に海外序盤に107.46まで上昇後107.20レベルに軟化
〇米通貨庁によるボルカールール緩和発表でリスクセンチメント改善、ドル売りに
〇その流れでユーロドルも1.12台前半に持ち直す
〇テクニカルには下値の堅さ印象付ける形状に変化するもファンダメンタルズはなお弱い
〇ドル円一巡後の反落リスクを警戒、ボルカールール緩和の影響も要見極め
〇本日の予想レンジ106.80-107.50

海外時間の為替概況

25日(木)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。@新型コロナ第2波リスクの高まり(米カリフォルニア州やテキサス州、フロリダ州などで感染者急増)や、A世界的な貿易戦争拡大リスク(米中対立懸念に加えて、足元では米欧および米英貿易摩擦を巡るリスクが再燃)、B米大統領選挙の先行き不透明感(バイデン氏がトランプ米大統領を大きく引き離す展開)C欧米株の不安定化を背景とした資産現金化需要の高まり(リスクアセットを売却してドルに戻そうとする動き)、D対ユーロでのドル買い圧力(ECBがユーロ圏以外の中銀にユーロの流動性を供給と発表)が支援材料となり、米国時間朝方には、約1週間ぶり高値となる107.46まで急伸しました。

しかし、ボリンジャーミッドバンドに続伸を阻まれると、E冴えない米経済指標(新規失業保険申請件数など)を受けたドル売り圧力や、F米通貨庁によるボルカールールの一部緩和発表、G上記Fを受けたリスク回避ムードの後退(米株反発→資産現金化需要後退→ドル売り)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では、107.19近辺まで軟化する動きとなっております。

25日(木)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@新型コロナ第2波リスクの高まりや、A世界的な貿易戦争再開リスク、B欧米株の急落を背景とした資産現金化需要の高まり(ドル買い)、CECBによる「ユーロ圏以外の中銀にユーロの流動性を供給する(EUREP)」との発表(ユーロ売り)、D米独関係悪化懸念(ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプラインを巡る米国の制裁措置に対して、ドイツが対抗措置を検討しているとの一部報道)が重石となり、米国時間朝方には、一時1.1191まで下落しました。しかし、先週末金曜日に記録した安値1.1168をバックに下げ渋ると、E冴えない米経済指標を受けたドル売り圧力や、F米通貨庁によるボルカールールの一部緩和発表、G上記Fを受けたリスク回避ムードの後退(米株反発→資産現金化需要後退→ドル売り)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では、1.1226まで持ち直す動きとなっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、6/23に記録した約1カ月半ぶり安値106.07をボトムに反発に転じると、昨日は約1週間ぶり高値となる107.46まで反発しました。この間、一目均衡表転換線や雲上限を上抜けするなど、テクニカル的にみて、「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状となっております。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きな米国=イールドカーブ・コントロール導入の可能性もあり)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争再開懸念(米大統領選挙への不確実性が増しつつあり、トランプ米政権による強硬外交が高まる恐れあり)、D朝鮮半島や中東、中印、香港、メキシコを巡る地政学的リスク、E新型コロナの第2波リスク(米国の大半の州で感染拡大)、F日本経済の先行き不透明感(インフレ鈍化→実質金利上昇→円高)、G全米各地で続く人種差別抗議デモなど、ドル円相場の下落を想起させる材料が引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的に持ち直しの動きが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。昨日は資産現金化需要の高まりを背景にショートカバー主導で約1週間ぶり高値圏まで上昇しましたが、一巡後の反落リスクには常に注意が必要でしょう(クロス円下落→ドル円下落の波及経路)。新型コロナ第2波に関する続報や、欧米株および米長期金利の動向(ボルカールール一部緩和報道がどの程度のインパクトがあるかを見極める展開)、世界的な貿易戦争に係るヘッドライン、米主要経済指標の結果(米5月PCEデフレータや、米6月ミシガン大消費者信頼感指数など)、週末に絡むポジション調整を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落(一巡後の反落)をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:106.80ー107.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、上昇後に伸び悩む展開。ボルカールール緩和報道で資産現金化需要が和らぐ

ドル円日足

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