FRB議長の証言注視も、基本はレンジ取引か(6/16夕)

16日の東京市場は、ドルが小高い。ここ2-3日、ドルの上値を抑制していた107.50円台を超え、一時直近の戻り高値を更新している。

FRB議長の証言注視も、基本はレンジ取引か(6/16夕)

FRB議長の証言注視も、基本はレンジ取引か

〇ドル円は日経平均の上昇委小高く推移、直近戻り高値を更新し107円台後半へ
〇本日東京時間のクローズ間際には「北朝鮮が韓国との南北共同連絡事務所を爆破のもよう」との報道
〇各国で「コロナの第2波」への懸念が取り沙汰されており株式市場は荒い値動き
〇ドル円はしばらく107円台で方向を探る展開か
〇米経済指標、パウエルFRB議長議会証言を注視
〇欧米時間のドル円予想レンジ、106.90-107.90

<< 東京市場の動き >>

16日の東京市場は、ドルが小高い。ここ2-3日、ドルの上値を抑制していた107.50円台を超え、一時直近の戻り高値を更新している。

ドル/円は107.30円レベルで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。107円半ばを上値に、下値は107.20-25円まで弱含む局面も観測されていた。しかし、日経平均株価が終値ベースでも1000円を超える上昇をたどったことなどが好感されると、ドル買い・円売りが優勢に。日中高値である107.60-65円まで値を上げている。その後ドルは上げ渋るも底堅く、16時現在では107.50-55円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、円は対ドルだけでなく、クロスを含めてほぼ全面安の様相。ポンド/円については昨日とまったく逆、早朝安・夕方高の値動きで、その間に1円程度も上昇している。

一方、材料的に注視されていたものは、「米国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、発表された最新6月分のデータとなるNY連銀製造業景況指数は事前予想値マイナス30に対して、結果はマイナス0.2の好数字。これは前月のマイナス48.5と比較しても、順調な回復を裏付ける結果となった。ただ、皮肉なことに新型コロナ第2波への警戒感は強く、またSF連銀総裁は「経済が回復するまで強力な緩和姿勢を維持する」、アトランタ連銀総裁も「第4四半期の失業率は10%程度と予想」−−との発言が観測されたように当局者の慎重姿勢も目に付く。

対して後者は、金委員長の妹である金与正党第一副部長が「遠くない時期に、南北共同連絡事務所の形なく壊れる悲惨な光景を見ることになる」などとする談話を発表。韓国への武力行使を示唆していたことについて、韓国サイドは文大統領が「対決の時代に戻ってはいけない」と対話を呼びかけたものの、北朝鮮は意に介さず。むしろ、朝鮮中央通信は「北朝鮮が韓国との非武装地帯への軍進出を警告」と報じたほか、本日東京時間のクローズ間際になって「北朝鮮が韓国との南北共同連絡事務所を爆破のもよう」としたニュースも飛び込んできた。南北間の対立がさらに深刻度を増している感が否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

米中のほか日本においても、「コロナの第2波」への懸念が取り沙汰されている。それもあり、日米などの株価はやや荒っぽい値動きをたどっているものの、為替市場とくにドル/円の動意はそれほど活発ではない。新型コロナによる為替市場への影響力は、以前に比べて落ちている感もある。もちろん、予断は許さないものの、しばらくのあいだは次の方向性を探る展開、107円台を中心とした一進一退を見込む声も聞かれていた。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「全米に広がるデモ活動」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と、前述した「新型コロナの第2波」への警戒になる。また、後者と絡める格好で荒っぽい変動の多い米株の動きも気掛かりだ。さらに、それとは別に実施されるパウエルFRB議長の議会証言を警戒する向きも少なくない。ちなみに、トランプ氏が「弱気見通し」について批判をしたこともあり、微修正を加えるなどとした予想も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、先週示現した106.58円で目先のボトムを付けた感もあり、足もとのドルは底堅い。ただ、上値も重く108円台は近くて遠い存在という気もしないではない。狭く考えれば107円台、広くとった場合でも106.50-108.00円程度のレンジを、上下どちらに抜けていくのか、その方向性にまずは要注意。

本日、5月の小売売上高や6月のNAHB住宅市場指数などの米経済指標が発表される予定となっている。前述したように、昨日発表された6月のNY連銀製造業景況指数がかなりの好数字となっただけに、さらに続くような内容となるのか否かが注視されている。好数字が続けば、ドルの下支え要因となる可能性もある。
それとは別に、パウエルFRB議長による半年に一度の議会証言にも要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.90-107.90円。本日の東京高値にあたる107.60-65円が最初の抵抗。上抜ければ、移動平均の25日線などが位置する107.70-80円がターゲットに。108円は存外遠いイメージだ。
対するドル安・円高方向は、107.20円前後に弱いサポートが位置しており、割り込んでも107円レベルでは底堅そう。ただ、下回れば安値106.58円が意識されそうだ。

FRB議長の証言注視も、基本はレンジ取引か

(ドル円日足)

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