ドル円、欧米株を睨みながらの神経質な展開。クロス円相場の反発が下支え(6/16朝)

15日(月)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。

ドル円、欧米株を睨みながらの神経質な展開。クロス円相場の反発が下支え(6/16朝)

ドル円、欧米株を睨みながらの神経質な展開。クロス円相場の反発が下支え

〇ドル円107円割れを回避、中国財政出動期待、NY連銀製造業景況指数の改善、株価の回復がサポート
〇ユーロドル1.1227から1.1334まで急伸、EU首脳会談での基金進展期待、米主要株価指数の急反発等で
〇ドル円はテクニカル、ファンダメンタルズとも地合いの弱さが確認される
〇本日の予想レンジ106.90ー107.80

海外時間の為替概況

15日(月)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@新型コロナ第2波リスクへの警戒感(米フロリダ州や米テキサス州に加えて、中国北京でも感染拡大の報告→パンデミック再燃リスク)や、A世界的な株安及び原油先物価格の下落を受けた投資家心理の悪化ムード(リスクオン相場の巻き戻し)、B冴えない中国の主要経済指標(鉱工業生産や小売売上高)、C全米各地で活発化する人種差別抗議デモ、D朝鮮半島を巡る地政学的リスクが重石となり、日本時間午後にかけて、一時107.00まで下落しました。しかし、節目107.00をバックに下げ渋ると、E中国財務省による「特別国債の入札を6/18に行う」との発表(財政出動期待)や、F米6月ニューヨーク連銀製造業景気指数(結果▲0.2、予想▲30.0)の良好な結果、G米主要株価指数の急反発(大幅マイナスからプラス圏へ浮上)が支援材料となり、米国時間にかけて107.49まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、107.35近辺で推移しております。

15日(月)のユーロドル相場は底堅い動き。@新型コロナ第2波リスクへの警戒感(米フロリダ州や米テキサス州に加えて、中国北京でも感染拡大の報告→パンデミック再燃リスク)や、A世界的な株安及び原油先物価格の下落を受けた投資家心理の悪化ムード(リスク回避のドル買い・円買い)を背景に、一時1.1227まで下げ幅を広げるも、先週末金曜日に記録した安値1.1212をバックに下げ渋ると、B全米各地で活発化する人種差別抗議デモを受けたドル売りや、C6/18−6/19に予定されているEU首脳会議(EU復興基金に進展が見られるか否か)への期待感、D米主要株価指数の急反発(大幅マイナスからプラス圏へ浮上→リスク選好のドル売り)、E米FRBによる広範な米社債を買い入れるとの一部報道(クロス円上昇→ユーロドル上昇)が支援材料となり、米国時間にかけて1.1334まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、1.1312近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、先週末金曜日(6/5)に記録した約2カ月半ぶり高値109.86をトップに反落に転じると、6/11には一時106.58まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や200日移動平均線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表基準線を下抜けした他、バンドウォーク(ボリンジャーバンド上限に沿って上昇を続ける状態)や一目均衡表三役好転も終了するなど、テクニカル的にみて、「地合いの悪さ」を強く印象付けるチャート形状となっております(昨日は米国時間にかけて107.49まで上昇するも、先週末金曜日に記録した高値107.56を前に失速)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きな米国=イールドカーブ・コントロール導入の可能性もあり)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、D新型コロナの第2波リスク、E日本経済の先行き不透明感(実質金利上昇→円高)など、ドル円の下落を想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「地合いの弱さ」が確認されます。世界的な外出規制緩和に伴う景気回復期待は既に織り込み済みであり、ここから先は「第2波リスク到来→リスクオンの巻き戻し」の流れに引き続き警戒が必要でしょう(中国による特別国債入札や、欧州のEU復興基金への期待感、米FRBによる広範な米社債を買い入れるとの報道が昨晩のリスクオンをもたらしているが、いずれもある程度織り込まれていたことであり、sell the factの展開に要注意)。新型コロナを巡るヘッドラインや、日銀金融政策決定会合(特に黒田総裁記者会見)、米主要経済指標の結果(米5月小売売上高や、米5月鉱工業生産、パウエルFRB議長発言等)、欧米株や米長期金利の動向(米国時間の株高の流れが持続するか否か)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:106.90ー107.80


注:ポイント要約は編集部

ドル円、欧米株を睨みながらの神経質な展開。クロス円相場の反発が下支え

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