米大統領の会見注視、香港情勢の行方は!?(5/29夕)

29日の東京市場は、ドルが弱含み。大きな意味ではレンジ内だが、今週のドル安値を更新するなど下値を試す動きが目に付いている。

米大統領の会見注視、香港情勢の行方は!?(5/29夕)

米大統領の会見注視、香港情勢の行方は!?

〇ドル円は107.09まで下落
〇市場は香港情勢をめぐる米中対立を引き続き注視
〇トランプ大統領の関連記者会見待ち
〇中国に関しては日中関係等対米以外の関係悪化も要注意
〇ドル円は今週107円台後半を維持してきたものの108.09を抜けられず逆に下値106.74を意識する展開に
〇欧米時間のドル円予想レンジ106.70-107.70

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場は、ドルが弱含み。大きな意味ではレンジ内だが、今週のドル安値を更新するなど下値を試す動きが目に付いている。

ドル/円は、107.60-65円で寄り付いたのち、当初はドルがしっかり。107.70-75円へと小幅に値を上げた。しかし、以降は米中対立への危機感が高まったことで、じわじわとドル売り・円買いが優勢に。今週の週間安値を含む107.30-35円を割り込むとストップロスを巻き込み、107.05-10円まで値を崩している。16時現在では日中安値から小戻した107.15-20円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「香港情勢」について。
昨日の東京時間夕方、中国が全人代において「香港国家安全法」を制定する方針を採択したことが、そこここで物議を醸す。日本からも、菅官房長官や茂木外相による「憂慮」を示すコメントが聞かれていたほか、英米豪加の4ヵ国外相は共同声明を発表し、「一国二制度を弱体化させる」などと強く批判していた。
そうしたなか米国は、NEC委員長が「香港を中国と同様に扱う必要がでてくる」と発言したうえ、トランプ米大統領は「29日に中国について記者会見を行う予定」と述べ、対抗措置をとる考えを再表明。そのため、とくに後者が市場で思惑を呼んでいたようだ。対して中国はというと、在米大使館が香港情勢に関し、「中国当局は外国の干渉に対抗措置を講じる」としたコメントを発表、米国との対決姿勢を改めて示す結果となっている。

<< 欧米市場の見通し >>

新型コロナウイルスに関しては、感染拡大の「第2波襲来」を警戒しつつ、各国とも少しずつ経済活動の再開を拡大させている。予断は許さないが、徐々に「コロナ後」へ市場筋の関心も移行し始めているようだ。そうした状況下、目先もっとも関心を呼んでいるのは、「香港情勢」を中心とした米中対立。また中国は、45日間連続で公船が沖縄県尖閣諸島沖を航行しているだけでなく、「日本の漁船を追い回しした」ことも明らかになっている。日中間の対立にも一応注意を要したい。

材料的に見た場合、「貿易問題のほか香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「新型コロナ治療薬をめぐる動き」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」関連のニュースだが、バリューそのものは以前より落ちているのかもしれない。むしろ、震源地はそのコロナ問題だが、貿易問題や台湾も香港など多方面に広がりをみせる「米中間の対立」には、とくに要注意。本日に限れば、前述したトランプ米大統領による「中国についての記者会見」が波乱要因となる可能性もある。

テクニカルに見た場合、今週のドル/円は107円台後半を中心とした高原推移をおおむね続けてきたものの、108.09円というレンジの上限を抜けられず、結局小反落。一転して、今度は106.74円という過去半月程度の安値が意識されている。まずは、同安値をめぐる攻防に注目で、仮に下抜ければ6日安値の105.99円がターゲットに。

本日、5月のシカゴ購買部協会景気指数や同月ミシガン大学消費者信頼感指数確報といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された米経済指標は好悪マチマチながら、数字そのものは冴えないものが多く、本日の指標についても内容を注視している向きは少なくない。
ただ、前述したトランプ氏の会見や、「パウエルFRB議長によるバーチャル討論会参加」をより警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.70-107.70円。これまでサポートだった107.30-35円を回復できるか否かにまずは注目。上抜ければ直近高値の107.95円や108.09円などが再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値も近い107.05円レベルが最初のサポート。割り込むと、過去半月程度の安値である106.74円が名実ともにターゲットとなる。

注:ポイント要約は編集部

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