米中対立を依然注視、ドル円はレンジ上放れ期待も(5/26夕)

26日の東京市場は、ドルが小じっかり。堅調な日米株価を材料に、一時108円台回復をうかがう局面も観測されていた。

米中対立を依然注視、ドル円はレンジ上放れ期待も(5/26夕)

米中対立を依然注視、ドル円はレンジ上放れ期待も

〇ドル円107円台後半で堅調に推移するも108円台回復はならず
〇米中対立は双方の「口撃」が激化
〇幾つかの国際会議に対面式で開催の動き
〇市場は「新型コロナ後」の相場模索へ
〇米中対立、ワクチン開発関連ニュース、原油価格動向に要注目
〇ドル円はレンジ上限108.09に近く上放れに注意
〇ドル円予想レンジ107.40-108.30

<< 東京市場の動き >>

26日の東京市場は、ドルが小じっかり。堅調な日米株価を材料に、一時108円台回復をうかがう局面も観測されていた。

ドル/円相場は、寄り付いた107.65-70円を日中安値に、ドルがじり高推移。一時107.90-95円まで値を上げたものの、108円台回復はならなかった。日経平均株価が終値ベースで500円を超える上昇をたどったほか、時間外で取引されているNYダウ先物も堅調推移したことが材料視されていた。しかし、日中高値を付けたのちは、やや上げ渋り様相で107.80円台を中心とした揉み合いに。16時現在では107.85-90円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中対立」と「幾つかの国際会議をめぐる動き」について。
前者は、米中の対立は双方の口撃が激しさを増してきた。たとえば、中国外務省の趙副報道局長は、香港の国家安全法成立後の対中制裁を示唆したオブライエン米大統領補佐官の発言について、「一部政治家の“雑音”に断固反対する」などと述べ、発言を「雑音」扱いしていたようだ。また、それとは別に新たに、米国が中国航空会社への規制に異議を唱えたことに対し、中国サイドが反論するなど、こちらも新たな対立材料として浮上してきた感がある。
対して後者は、新型コロナウイルスの影響をうけ、テレビ会議などに移行していた国際会議が再び対面式に戻りつつある流れがジワリと観測され始めてきた。先日、トランプ米大統領がG7を対面式に戻す考えを示し、それを受け安倍首相は米国での開催が正式決定すれば訪米して出席する考えを明らかにしている。また、ロイターはEUが行う共通予算と新型コロナウイルス復興基金をめぐる首脳会議を、やはり「対面式で開催する可能性がある」と報じている。日常が少しずつ戻りつつあるようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

新型コロナウイルス感染の「第2波襲来」を懸念しつつも、日米欧などは経済活動の再開に動いており、「新型コロナ後」が相場の新たなテーマとして浮上してきた。そのひとつが、新型コロナに端を発した新たな米中対立の行方であることは間違いないものの、取り敢えずはともに「口先介入」程度にとどまっていることで一応の安心感が保たれている。ただ、均衡が破れた場合には、ドル/円相場も再びレンジ放れを試す展開をたどる可能性がある。

材料的に見た場合、「貿易問題のほか香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「コロナ治療薬をめぐる動き」など、注目要因は非常に多い。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」関連のニュースだが、感染拡大云々といった直接的なものよりも、「ワクチン開発をめぐる動き」や「米中間の対立」などに注意を払いたい。なお、そうしたなか経済活動再開を受け、各国の原油需要の復活を期待する声が一部で聞かれており、原油価格にも一応要注意か。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去1ヵ月程度の大レンジと、同2週間程度の小レンジという2つのレンジを形成しているが、異なるのは下限のレベルのみ。上限はともに108.09円となっている。本日東京では、レンジ上限に近い107.90円台まで一時上昇したものの、結局抜け切れず。ただ、このあと再びトライする可能性もあり、レンジの上放れには注意しておきたい。

本日は、5月の消費者信頼感指数や同ダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表される予定となっている。4月分の米経済指標は悪い内容が大多数だったが、5月分は事前予想値ほど悪化していない指標も少なくないだけに、本日も内容次第ではむしろドル買いの要因となる可能性を否定出来ないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.40-108.30円。本日東京高値である107.90-95円をめぐる攻防に注視。上抜ければ、直近高値の108.09円や200日線が位置する108.30円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値などが弱いサポートとなるが、明確な下値メドとなると前回安値の107.34円。ただ、割り込んでも底堅そう。


注:ポイント要約は編集部

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る