ドル円、英米市場休場で膠着。1日の値幅は僅か15銭(5/26朝)

25日(月)の外国為替市場でドル円は狭いレンジ内で膠着。

ドル円、英米市場休場で膠着。1日の値幅は僅か15銭(5/26朝)

ドル円、英米市場休場で膠着。1日の値幅は僅か15銭

〇ドル円英米休場で107.70付近で膠着
〇ユーロドルはIFO景況指数好転で1.09付近に戻すも動意薄
〇ドル円、テクニカルも、ファンダメンタルズも下落リスクが警戒される
〇本日の予想レンジ107.10ー108.10

海外時間の為替概況

25日(月)の外国為替市場でドル円は狭いレンジ内で膠着。@5・10日要因を背景に、一時107.78まで上値を伸ばすも、A米中対立激化を嫌気したリスク回避の円買いムードが重石となると、アジア時間午後にかけて伸び悩む動きとなりました。海外時間帯は、英国がスプリングバンクホリデー、米国がメモリアルデーでそれぞれ休場となる中、動意は薄く、結局107.70を挟んでの膠着相場に終始しました(1日の値幅は僅か15銭)。尚、安倍首相は昨日、緊急事態宣言を全国で解除すると共に、2兆円を超える予算の積み増しや、家賃支援を目的とした最大600万円規模の給付金新設などを公表しましたが、市場の反応は限定的となっております。

25日(月)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@オランダ・オーストリア・スウェーデン・デンマークの4カ国がEU復興基金について拒否したとの一部報道や、A米中対立激化を嫌気したリスク回避のドル買いが重石となる中、欧州時間朝方にかけて、一時1.0870まで下げ幅を広げました。しかし、Bドイツ5月IFO景況感指数が市場予想を上回る好結果を記録すると、C世界的な外出規制の緩和(新型コロナウイルスに伴う都市封鎖の緩和)を受けた楽観ムードの広がりや、D株高を背景とした投資家心理の改善期待が支援材料となり、米国時間には一時1.0915まで上値を伸ばす場面も見られました。もっとも、1.09台では戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと再び反落。英米市場休場で動意に欠ける中、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.0898近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、5/19に約1ヵ月ぶり高値108.09まで上値を伸ばすも、200日移動平均線が走る108.30をバックに伸び悩むと、その後下落に転じました。108円台での滞空時間は極めて短く、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(※一目均衡表雲上限も下方ブレイク)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米間における金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きい米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念(WHOや台湾に続き、香港も火種となっており、トランプ米大統領は対中強硬姿勢を一段と強める展開に)、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの2次感染リスク(外出規制緩和に伴う2次感染リスク)、E日本経済の先行き不透明感(インフレ鈍化→実質金利上昇→円高)など、ドル売り・円買いを想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。世界的な外出規制の緩和や、本邦における緊急事態宣言解除は織り込み済みであり、ここから先は一巡後の反落リスクにより警戒が必要でしょう。米中対立激化を巡るヘッドライン(※中国人民銀行が日本時間10時15分に公表する対ドル基準値にも注目)や、米国経済指標(住宅価格指数、新築住宅販売件数、コンファレンスボード消費者信頼感指数など)の結果を睨みながらも、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:107.10ー108.10

注:ポイント要約は編集部

ドル円、英米市場休場で膠着。1日の値幅は僅か15銭

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