ドル円、イベントを前に様子見ムード。日銀臨時会合および全人代がメインイベント
〇21日の海外市場でドル円は107.84までで伸び悩む
〇良好なPMI等の米経済指標がドル買い材料となる一方、
米中の対立激化懸念や、FRB正副議長の講演でのゼロ金利維持方針の協調が重石に
〇ユーロドルは一時1.1009まで急伸するも1.10台を維持できず
〇トルコ、南ア0.5%利下げ実施
〇テクニカル、ファンダメンタルズともに「売り一巡後の再上昇」が意識される
〇ドル円は短期的な上昇がメインシナリオ
〇本日開催の日銀臨時金融政策決定会合、中国全人代注視
〇本日の予想レンジ107.00ー108.25
注:ポイント要約は編集部
海外時間の為替概況
21日(木)の外国為替市場でドル円は方向感に欠ける展開。@世界的な外出規制の緩和(新型コロナウイルスに伴う都市封鎖の緩和)を受けた楽観ムードの広がりや、A原油高を受けた投資家心理の改善期待(クロス円上昇→ドル円連れ高の動き)、B5/22に予定されている日銀の臨時金融政策決定会合を前にした期待感(追加緩和期待→円売り)、C米経済指標の予想比良好な結果(米5月製造業PMIおよびサービス業PMI、米4月中古住宅販売件数、米4月景気先行指数)が支援材料となり、米国時間朝方には、一時107.84まで上昇しました。しかし、節目108円ちょうどを前に伸び悩むと、D米中対立激化懸念を背景とした円買いや、Eクラリダ副議長およびパウエル議長が共にゼロ金利政策を維持する方針を繰り返したことに伴うドル売りが重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、107.59近辺まで押し下げられる展開となっております。
21日(木)のユーロドル相場は急伸後に急反落。@世界的な外出規制の緩和(新型コロナウイルスに伴う都市封鎖の緩和)を受けた楽観ムードの広がりや、A原油高を受けた投資家心理の改善期待(クロス円上昇→ドル円連れ高の動き)、Bユーロ圏5月製造業PMIおよびサービス業PMIの良好な結果が支援材料となり、欧州時間には、一時約3週間ぶり高値となる1.1009まで急伸しました。しかし、5/1に記録した直近高値1.1019をバックに伸び悩むと、C2日連続で1.10台を定着できなかったことに伴う失望感(上値の重さを嫌気した見切り売り)や、D米中対立激化懸念を背景としたドル買い圧力、E米経済指標の予想比良好な結果(米5月製造業PMIおよびサービス業PMI、米4月中古住宅販売件数、米4月景気先行指数)が重石となり、米国時間には安値1.0937まで反落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.0943近辺で推移しております。尚、昨日は南アフリカ中銀、トルコ中銀共に予想通り50bpの利下げに踏み切りました。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、5/6に記録した安値105.98をボトムに反発に転じると、5/19には一時108.08(約1ヵ月ぶり高値圏)まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや雲上限を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転も成立するなど、テクニカル的に見て、中立→上昇へのトレンド転換が意識されます(※但し、現在は107.50台へと押し下げられるなど、108円台での上値の重さも浮き彫りに)。足元の下げが上昇トレンドの途中で見られる「押し目」局面なのか、先般の上昇がそもそも「騙し」なのかを見極める上で、本日は107円台前半に並ぶ一目均衡表転換線および基準線を死守できるか否かに注目が集まりそうです。
ファンダメンタルズ的に見ると、@日銀による追加緩和観測の高まり(本日予定されている臨時会合)や、A中国全人代開幕への期待感(本日開幕)、B世界的な外出規制の緩和(新型コロナウイルスがピークアウトしたとの期待感→リスク回避ムードの後退。本邦における緊急事態宣言解除の動きも好材料)、C米主要株価指数や原油先物価格の堅調推移など、クロス円(含む新興国通貨)上昇→ドル円連れ高を想起させる好材料が増えつつあります。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「売り一巡後の再上昇」が意識されます。本日開催される日銀臨時金融政策決定会合(新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けている中小企業などに対する新たな資金繰り支援制度を決定する見通し)や、中国全人代(例年開幕初日に見られる政府活動報告における年間目標に注目)の結果を睨みながらも、当方では短期的な上昇をメインシナリオとして予想いたします(5/19に記録した高値108.08を試す展開を想定)。
本日の予想レンジ:107.00ー108.25
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.05.22
ドル円見通し 5月19日夜高値と20日深夜安値の範囲内で小動き続く(20/5/22)
ドル円は7日未明安値からはやや戻し気味ではあるが、勢い付いた印象には欠ける。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2020.05.21
引き続き米要人発言に注意、米指標にも注目(5/21夕)
21日の東京市場は、ドルが小高い。30ポイント強とレンジは狭かったが、107円後半を中心としたドル高値圏での推移となった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。