ドル円、一時107円台半ばへ上昇。株高・原油高・クロス円高が底堅さの背景(5/19朝)

18日(月)の外国為替市場でドル円は底堅い動き。

ドル円、一時107円台半ばへ上昇。株高・原油高・クロス円高が底堅さの背景(5/19朝)

ドル円、一時107円台半ばへ上昇。株高・原油高・クロス円高が底堅さの背景

〇ドル円は107円台前半で底堅く推移
〇世界的な外出規制の緩和傾向による楽観、米政府の経済刺激策への期待等から週明け欧米株式市場は急伸
〇ユーロは独仏がEUの経済再建のため5000億ユーロの基金設立を提案したこともあって急上昇
〇ドル円はテクニカルには持ち直しの兆しが見られるがファンダメンタルズは未だ円高ドル安を想起させる
〇ドル円相場の軟調推移がメインシナリオ
〇今晩のパウエル議長の議会証言に注目
〇本日の予想レンジ106.90ー107.60

注:ポイント要約は編集部

海外時間の為替概況

18日(月)の外国為替市場でドル円は底堅い動き。@世界的な外出規制の緩和(新型コロナウイルスに伴う都市封鎖の緩和)を受けた楽観ムードの広がりや、A米政府による第4弾景気支援策への期待感、B米5月NAHB住宅価格指数(結果37、予想35)の良好な結果、C米主要株価指数や原油先物価格の上昇を受けた投資家心理の改善(クロス円急上昇→ドル円連れ高の動き)が支援材料となり、米国時間には、一時107.51まで上昇する場面も見られました。もっとも、一目均衡表基準線や、雲上限付近で伸び悩むと、引けにかけては再び反落。本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、107.31近辺まで押し戻される展開となっております。

18日(月)のユーロドル相場は急上昇。@世界的な外出規制の緩和(新型コロナウイルスに伴う都市封鎖の緩和)を受けた楽観ムードの広がりや、Aワクチン開発への期待感(臨床試験の進展を伝える一部報道)、Bドイツとフランスが欧州連合加盟国の経済再建のために5000億ユーロの基金設立を提案したこと(ユーロ圏経済の回復期待→投資家心理の改善→ユーロのショートカバー)などが支援材料となり、米国時間にかけて、5/5以来、約2週間ぶり高値となる1.0927まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、1.0915近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、5/11以降、一目均衡表雲上限および雲下限に挟まれた「レンジ相場」が続いております。相場の方向性を示唆するボリンジャーミッドバンドも「横ばい」に転じるなど、テクニカル的にみて、「下落→横ばい」へのトレンド転換が意識されます。目先は一目均衡表雲上限、雲下限のどちらを先に抜けてくるかに注目が集まりそうです。

一方、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きい米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの2次感染リスク(外出規制緩和に伴う2次感染リスクなど)、E日本経済の先行き不透明感など、ドル売り・円買いを想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的に持ち直しの兆し(下落→横ばいへのトレンド転換)が見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます(※事実昨日も一目均衡表雲上限トライ失敗後に押し戻される展開となりました)。米FRBによる量的緩和継続(ドル売り要因)や、米経済指標の不冴な結果(ドル売り要因)、日本経済の下振れ懸念(インフレ鈍化→実質金利上昇→円高要因)、原油先物価格の不安定化(株安・円買い要因)、米中対立激化懸念(株安・円買い要因)、新型コロナウイルスの二次感染リスク(株安・円買い要因)が重石になると見られ、当方では引き続き、ドル円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(※ポジション調整一巡後の反落リスクに警戒)。

尚、本日は日本時間23時に予定されているパウエルFRB議長による上院での議会証言に注目が集まります。米経済に対する弱気の姿勢(慎重な見方)が見られれば、足元のリスク選好ムードに水を差し、クロス円の反落を通じて、ドル円に下押し圧力が加わる恐れもあり、注意が必要です。

本日の予想レンジ:106.90ー107.60

ドル円、一時107円台半ばへ上昇。株高・原油高・クロス円高が底堅さの背景

ドル円日足

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