WHO年次総会を注視、英国情勢にも要注意
〇週明けのドル円は107円台前半のレンジ取引
〇本邦1-3GDPは-3.6%、為替相場の反応軽微
〇英国のEU離脱後交渉、米中関係が注目された
〇今晩の注目材料はコロナ関連報道、WHO年次総会、上昇中の原油先物等
〇欧米時間のドル/円予想レンジ106.80-107.60
<< 東京市場の動き >>
週明け18日の東京市場は、レンジ取引。107円前半、25ポイント程度の小動きで引き続き積極的な動意は限られている。
週末に、新型コロナをめぐり米中対立の激化が取り沙汰されるなか、今度は新たにファーウェイについても対立が表面化している。また、それとは別に、FOXニュースが「トランプ政権、WHOへの一部拠出再開を検討」などと報じ話題となっていた。
そうした状況下、取引が始まったドル/円は、前週末のNYクローズよりやや円高の107.05円レベルでオープンしたものの、結局同レベルが日中のドル最安値圏。以降は25ポイント程度のレンジ取引ながら、ドルは底堅く推移している。途中、日本の1-3月期GDPが発表され、マイナス3.4%となったが、予想を上回ったためか、影響は軽微。16時現在では107.15-20円で推移、欧米時間を迎えていた。
材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「ファーウェイをめぐる米中対立」について。
前者は、EU主席交渉官が、実施した英EU間の交渉について、「進展なく期待外れ」と失望を口にするなか、英紙サンデータイムズからは「EUが譲歩しないかぎり合意なき離脱に向け準備する」とジョンソン英政権の強気スタンスを示す報道が観測されていた。また、それとは別に週末には、ホールデン英中銀チーフエコノミストから「マイナス金利も検討」との発言が聞かれたことが思惑を呼ぶ。実際、ポンドは週明けの取引で、対円などでは安寄りしたものの続落せず、結局小動きに。ただ、一部通貨ペアでは上方向にギャップが空いたままで、穴埋めの有無が注視されていた。
対して後者は、ポンペオ米国務長官が、ファーウェイに対する輸出禁止措置の強化を発表したことに関する声明を出したうえで「ファーウェイは信用できない業者で、中国共産党の道具だ」などと批判している。それに対し、中国外務省が米政府に不当な抑圧停止を要求するとともに、同商務省は「米のファーウェイ制裁に対抗措置をとる」可能性を示唆するなど、今後さらなる火種となりそうな気配を漂わせていた。
<< 欧米市場の見通し >>
先週来のニュースをみても、引き続き新型コロナ絡みの内容が多くを占めるが、以前までとやや様相が異なるのは「コロナ倒産」を含めた企業の具体的なダメージを示すものが多くなってきたことと、経済活動の再開などを受けた負の感情、「第2波襲来」懸念の高まりになる。前者については、先週末に日本ではレナウン、米国ではJCペニーの経営破綻が明らかとなったが、同様の動きはまだまだ続くとの声も少なくない。市場の波乱要因として要注意だ。
材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「コロナ治療薬をめぐる動き」など、注目要因は依然として山積みの状況。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」に関連するニュースだが、連関するものとしてWHO年次総会における「米中対立」の行方を懸念する声も聞かれていた。また、為替市場への影響という意味では、久しぶりに30ドル台を回復してきたNY原油先物の動静にも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、先週水曜日以降の106.74-107.43円レンジを依然として保っている。引き続き、足もとの70ポイントレンジをめぐる攻防が注視されており、ブレークしていく方向などに注目だ。ちなみに、上放れれば直近高値の107.76円や108円がターゲットとなる反面、下放れると前回安値105.99円が名実とも視界内に入る。
本日、5月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表される予定となっている。
また、それ以外で何気に注視しているのは、テンレイロ英中銀委員による講演。先で指摘したようにホールデン英中銀チーフエコノミストから「マイナス金利検討」との発言が週末に聞かれていただけに、テンレイロ委員が賛意を示すのか否かなどを注視したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.80-107.60円。先週末高値の107.43円をめぐる攻防にまずは注目。しっかり上抜ければ、直近高値の107.76円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、107円や106.85円などに弱いサポートが位置するものの、意識される強いサポートは前回安値である106.74円か。そのレベルを下回ると、ドルの大幅続落も否定出来ない。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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