ドルは107円割り込むも方向性いまだ乏しい
〇ドル円は106円台後半で小安い
〇マイナス金利を否定したパウエル議長に対しトランプ大統領は再びマイナス金利を要求
〇コロナ問題では米独へ中露のサイバー攻撃の動き警戒
〇欧米諸国の生産活動再開は感染再拡大と悲観的に捉える向きが優勢に
〇欧米時間のドル円予想レンジ106.30-107.30
<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場は、ドルが小安い。106円台後半を中心とした動きだったが、昨日NY安値(106.74円)を下回ることは出来なかった。
ドル/円は、107円前後で寄り付いたのち、日中高値の107.05-10円を示現するも、上値追いはそこまで。以降は下値を探る展開となり、106円台後半を中心とした値動きとなっている。昨日安値に接近する106.75-80円まで下落したあと、16時現在では106.85-90円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、そうしたなかポンドが緩やかな右肩下がりの流れ。対円では131円前後から130.15円レベルまでじり安推移をたどっている。英国のロックダウン(都市封鎖)について、規制の緩和が一部で始まったが、警戒感を抱く声も少なくないようだ。
一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「新型コロナをめぐるサイバー攻撃」について。
前者は、前日に続き米当局者などによる関連コメントが相次ぐ。なかでも、パウエルFRB議長が発した「マイナス金利は現時点で検討の対象ではない」が市場で話題となっていた。ただ、それに対しトランプ米大統領は「パウエル氏は過去数ヵ月、良い仕事を行ってきた」と持ち上げたうえで、再び「FRBにマイナス金利政策を要求」するコメントを発していた。
対して後者は、新型コロナと無関係の2015年の問題を持ち出し、メルケル独首相が「ロシアがハッキングに関与した確かな証拠がある」と発言するなか、中国系ハッカー集団が米国の研究機関を襲撃したと報じられている。米FBIが「新型コロナ研究機関に不正侵入している」と発表したことに続き、米紙WSJは「中国やイランがハッカー攻撃で、ワクチン開発を妨害しようとしている可能性がある」とさらに危機感を煽っていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日報じたように、同じ材料でも日によって解釈が変わる猫の目相場の様相を呈しているが、足もとの市場は引き続き「欧米諸国の生産活動再開=感染再拡大」という悲観論に捉える向きがやや優勢となっているようだ。そうしたなか、日本も34都道府県で「緊急事態宣言」の解除がなされる見通しとなっている。一般市民の感情としては嬉しさ半分、不安も半分といったところだが、金融市場は一体どのような評価を下すのだろうか。
材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「新型コロナ治療薬をめぐる動き」など、注目要因は依然として山積みだ。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」に関連するニュースになるだろう。「起源説」などを背景に、米国が中国とバチバチやりあっているのは改めて指摘するまでもないが、同じ米国内でも「経済活動再開」をめぐりトランプ氏と国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長の意見に相違がみられるなど、対立の構図が浮かび上がっていることは少し気掛かり。動静には要注意であろう。
テクニカルに見た場合、足もとドルは弱含みだが、それでも下値は106.74円まで。過去1ヵ月程度推移しているレンジ(106-108円)のなかにはとどまっている。と言うより、上限超えを狙う位置から中心レベルへと戻したに過ぎない。引き続き、まずはレンジ放れのタイミングと方向性が注目されているようだ。
本日、幾つかの米経済指標が発表される予定となっているが、木曜日恒例となっている週間ベースの新規失業保険申請件数に再び注目だ。ちなみに、事前予想値は250万件程度を見込む向きが多く、先週(316.9万件)からさらに改善する公算が大きいという。
また、それとは別にカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁によるウェブ講演や カナダ中銀による金融システムレビュー公表などにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.30-107.30円。結局、昨日は終日を通して抵抗となった移動平均の25日線が位置する107.20-30円の攻防に本日も注視。上抜けると、107.76円の前回高値がターゲットになる。
対するドル安・円高方向は、昨日安値である106.74円が最初のサポート。割り込んだ場合には106.65-70円、106.40円などが意識されそうだ。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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