一転弱気ムード、再び107円割れトライか(5/13夕)

13日の東京市場は、おおむね揉み合い。107円台前半、20ポイント程度の横這い推移で目立った動意も方向性もうかがえなかった。

一転弱気ムード、再び107円割れトライか(5/13夕)

一転弱気ムード、再び107円割れトライか

〇ドル円は107円台で小動き
〇ニュージーランド中銀の追加緩和、マイナス金利示唆でN$円は下落
〇中国の強気外交は豪州やフランスにも対象が拡大
〇米国ではマイナス金利導入が議論
〇ドル円は106-108レンジがどちらに放れるか
〇今晩は米PPIに注目
〇海外時間の予想レンジ106.60-107.60

<< 東京市場の動き >>

13日の東京市場は、おおむね揉み合い。107円台前半、20ポイント程度の横這い推移で目立った動意も方向性もうかがえなかった。

ドル/円は、107.10円前後で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。時間足ベースなど短期のチャートをみると、寄り付いた107.10円レベルを3度トライし、いずれも下げ止まっており底堅いが、一方で上値も重くドルの高値は107.30円手前までだった。つまり、107.10-30円といった狭いレンジ取引をたどるなか、16時現在では107.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか唯一積極的な変動を見せた通貨がNZドル。対円では日中高値65.30-35円から一時1円程度の下げを記録していた。NZ中銀が金融決定会合を開き、将来的なマイナス金利の可能性を示唆したことなどが材料視されていたという。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナをめぐる中国の各国に対する行動」と「米金融政策」について。
前者は、昨日も日米そしてNZに対して強い敵対行動を示していることをレポートしたが、そうした動きがさらに拡大している。新たなターゲットになっているのは豪州で、中国は「豪食肉大手4社からの牛肉輸入停止」を発表していた。豪政府が「新型コロナの感染拡大をめぐり、独立機関による中国での調査を求めた」ことが中国の癇に障ったようだ。また、AFP通信によると、中国は台湾への兵器販売契約を結んだフランスに対しても「契約破棄を要求」したという。
対して後者は、昨日のNY時間にダラス連銀総裁やミネアポリス連銀総裁など複数の連銀総裁が「マイナス金利導入に反対」するコメントを相次ぎ発するなか、トランプ米大統領はツイッターで「米国はマイナス金利という贈り物を受け取るべき」と指摘し、逆にプレッシャーをかけていた。次回FOMC会合がいまから注視されている。

<< 欧米市場の見通し >>

市場を取り巻く材料にそれほど大きな変化はないものの、その日によって解釈が変わり、結果として前日と逆方向に動くという猫の目相場となっている。実際、一昨日までは米国における生産活動再開の動きを「好感」していた向きが大勢だったが、昨日は逆に「感染再拡大」懸念などに繋がる「悲観論」が急浮上し、NYダウなど米株やドルの弱材料に。いましばらくは、新型コロナの問題を中心に据えつつ、レンジ内での荒い値動き、乱高下が続く可能性も否定出来ない。

材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「コロナ治療薬をめぐる動き」など、注目要因は依然として山積みだ。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」に関連するニュースになるだろう。たとえば、昨日は米テスラが、カリフォルニア州の工場で当局の操業停止継続命令に従わず生産を開始することが明らかとなり、それを受けてトランプ氏が「カルフォルニア州は生産許可を出すべき」と擁護コメントを発していたが、テスラのマスクCEO逮捕の可能性も取り沙汰されるなど予断を許さない状況。続報が注視されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円はザックリ言って106-108円のレンジを形成。一昨日や昨日はその上限抜けをうかがわせるも、結局越えていくことが出来なかった。前述レンジはすでに1ヵ月近くに達するため、時間的にはそろそろ放れる展開をたどっても不思議はないが、継続を見込む向きも少なくない。いずれにしても、まずはレンジ放れのタイミングと方向性に注目だ。

本日は4月の生産者物価指数など幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された同消費者物価は、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が過去最大の低下を記録していただけに、本日の指標についても同様の内容になるとの見方も聞かれていた。実際の数値が注目されている。
また、それとは別に米財務省による30年債の入札などにも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.60-107.60円。ドル高・円安方向は、昨日再び下回ってきた107.30円近くに位置する移動平均の25日線が最初の抵抗。上抜けると、107.76円の前回高値がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、107円レベルをめぐる攻防がまずは注視されている。割り込んだ場合には106.85-90円、106.65-70円などが意識されそうだ。

一転弱気ムード、再び107円割れトライか

ドル円日足(四角は1週間)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る