市場は楽観に傾斜、ドル買い継続も(5/11夕)

週明け11日の東京市場は、ドル堅調裡。それも、「寄り付き安・大引け高」の展開で、値幅以上にドルが強かった。

市場は楽観に傾斜、ドル買い継続も(5/11夕)

市場は楽観に傾斜、ドル買い継続も

〇ドル円は堅調107円台にしっかり乗せてきている
〇コロナ、米中問題、クリアには解決せずドル円でのドル買いはやや楽観が過ぎるか
〇今晩重要な経済指標の発表無し
〇海外時間の予想レンジ106.80-107.80

<< 東京市場の動き >>

週明け11日の東京市場は、ドル堅調裡。それも、「寄り付き安・大引け高」の展開で、値幅以上にドルが強かった。

週末に、英首相から「外出制限措置の一部を緩和する」との発言が聞かれたなか、米ジョンズ・ホプキンズ大は最新集計結果として新型コロナウイルスの感染者が「世界全体で400万人を超えた」と発表している。また、「米副大統領報道官がコロナ感染」で、ペンス米副大統領が自主隔離するとの報道も観測されると様々な憶測を呼ぶ。
そうしたなか、取引が開始された週明けのドル/円は、前週末のNYクローズよりもややドル安・円高の106円半ばで寄り付いた。しかし、結局は同レベルが日中を通したドルの最安値圏で、以降のドルは小じっかり。一時107円前後で上げ渋るも、しっかり抜けると続伸し、終盤にかけて上げ幅を拡大させ107.15-20円へ。16時現在では日中のドル最高値圏である107.10-15円で推移し、欧米時間を迎えている。

材料的に注視されていたものは、「雇用を中心とした米経済に関する要人発言」と「新型コロナの第2波懸念」について。
前者は、先週金曜日に発表された4月の米雇用統計・非農業部門雇用者は予想値マイナス2200万人に対し、結果はマイナス2050万人。確かに予想ほど悪化はしなかったが、それでも前例を見ないほどの悪数字に。また、米NEC委員長から「5月の雇用統計は非常に厳しい数字になる」、米財務長官は「実際の失業率は25%近くになる可能性もある」とした発言も聞かれていた。ただ反面で、トランプ米大統領は「雇用統計の悪化に自分の責任はない」と主張したうえで、「わたしなら職を取り戻すことができる」と強気のコメントを発していたという。

対して後者は、前記したように「世界全体で400万人を超えた」ことが明らかになるなか、ブラジル保健省が「死者数は南米最多の1万人超えた」と発表したことが話題に。ちなみに、ブラジルの死者数は世界第6位となる。そのほか、中国・吉林省で新たに11人がコロナ感染したことが確認されたうえ、新規感染ゼロを記録していた韓国、あるいはドイツでも再び感染者が広がっている状況が指摘されたことや、トランプ政権中枢への感染拡大などが市場で懸念されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

先でも指摘したように、先週末に発表された米雇用統計・非農業部門雇用者は、驚異のマイナス2050万人。しかし、マーケットの反応は「予想より良かった」としてドルが買い進められており、その流れは本日東京でも続いていた。ただ、個人的にはやや楽観論に傾斜し過ぎているように思えるうえ、米中両政府の通商交渉担当トップが協議したものの「米中対立」が完全に払しょくされていないなど、ドル安方向のリスクも残存していると考えている。ドル買いにも慎重さを求めたい。

材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「コロナ治療薬をめぐる動き」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」に関連するニュースで、個人的に気になるのは、当初「自主隔離に入った」と報じられていたペンス米副大統領が「隔離せず勤務している」との米ホワイトハウスの発表だ。トランプ氏もペンス氏も、視察などの際にマスクをつけない姿がたびたびメディアで伝えられるなど、不測の事態がないとは言い切れない。

テクニカルに見た場合、先週2度にわたり106円を一時割り込むも結果として失敗に終わった格好。それもあり、しばらくは106円台を中心とした新レンジを形成し、再び方向性の乏しい動きをたどるのか否かが注視されている。ちなみに、予想される新レンジは106.00-107.50円、あるいは106.00-108.10円か。いずれにしても、東京終盤に見せたドル高の流れが、このあとも続き、まずは107円半ばの抵抗を越えていくのか攻防に要注意だ。

一方、先週発表された米雇用指標がこぞって悪化したこともあり、米経済指標に対する関心は高いものの、本日は残念ながらとくに目立った指標発表は見当たらない。ただ、米財務省による3年債の入札や、エバンズ・シカゴ連銀総裁による講演などが実施される見込みで注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.80-107.80円。ドル高・円安方向は、107.40円前後までレベルを切り下げてきた移動平均の25日線をめぐる攻防にまずは注視。それを超えると先月末高値の107円半ば、そして108.10円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京で越えてきた106.70-80円が最初のサポート。割り込んでも底堅いイメージだが、106.20円レベルを下回ると深押しも否定出来ない。

市場は楽観に傾斜、ドル買い継続も

ドル円時間足

オーダー/ポジション状況

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