<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場は、レンジ取引。106円前半の20ポイント強のなかでの上下動にとどまるなど、明確な方向性はうかがえなかった。
ドル/円は106.20-25円で寄り付いたのち、当初は若干のドル買い先行。106.45円レベルまで小幅に値を上げている。しかし買いは続かず緩むと、寄り付きレベルの106.20-25円へと値を下げた。その後は106.30-45円での保ち合いとなり、方向性は乏しい。結局、そのまま16時現在では106.35-40円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「トルコリラの動静」と「新型コロナ問題を中心とした要人の会談」について。
前者、トルコリラは昨日対円などで史上最安値を更新した。対円では14.61円を示現したが、2018年の通貨危機「トルコショック」時の最安値を下回ったことになる。新型コロナの感染拡大による経済的なダメージが指摘されるなか、中銀が保有する外準の急減が懸念されており、足もとを見透かした投機筋たちのターゲットになっているようだ。なお、昨日は安値示現後、一時急反発に転じたものの、再び下値を感じさせる値動きで本日東京でも冴えなかった。動静にはしばらく注意を払いたい。
対して後者は、昨晩に「安倍首相とロシアのプーチン大統領と電話会談した」ほか、「トランプ米大統領も、ロシアのプーチン大統領と電話会談した」ことが明らかとなっている。うち、後者についてはコロナ問題以外で、中国を含めた軍縮への取り組みについても議論されたようだが、米中双方政府の発表に温度差がうかがえるなど、立場の違いが逆に浮き彫りとなった。また、本日午前には「安倍首相とトランプ米大統領が電話会談を実施」、新型コロナ感染に関する治療薬やワクチン、経済問題をめぐり連携を確認したという。
<< 欧米市場の見通し >>
新型コロナの感染拡大は国によってまちまちだが、ゆっくりと自粛規制解除へと舵を切り始めた先が多くなってきた。かくいう日本も、昨日安倍首相が「14日に行う感染者数の動向をみたうえで、月末を待たずに段階的な解除」の方針を示している。ただ、一連の緩和策が打ち出されるなか、日本だけでなく欧米諸国においても「第2波襲来」を警戒する声は少なくなく、引き続き予断を許さない。
材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「コロナ治療薬をめぐる動き」など、注目要因は依然として目白押しとなっている。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」に関連するニュースで、個人的に少し気掛かりなのは、またもや「ホワイトハウスに勤務する『大統領側近』の米軍当局者に陽性反応」との内容になる。その後の検査でトランプ米大統領は幸いにも陰性だったことが判明しているが、英国のジョンソン首相が罹患したり、ロシアにおいても先日3人目の閣僚感染が明らかになったりで安穏とはしていられないかもしれない。
テクニカルに見た場合、一昨日と昨日、2度にわたり106円を一時割り込むも結果として失敗に終わった格好だ。したがって、足もとは106円台を中心とした新レンジを形成し、再び方向性の乏しい動きをたどるのか否かが注視されている。
なお、底割れした場合のターゲットはフィボナッチを参考にした105.20円レベルで、対して上方向に動いた際には107円半ばが意識されそうだ。
本日は4月の米雇用統計が発表される予定で、注視している参加者が多い。ちなみに、一昨日のADP雇用統計「マイナス2023万6000人」に続き、昨日の週間ベースの新規失業保険申請件数も316.9万件と、引き続き米雇用の悪化を示す内容だった。そうしたなか、本日の米雇用統計は、非農業部門雇用者数の予想値が「マイナス2200万人」、失業率は「16%」が見込まれている。かなりの部分まで悪い数字は織り込まれているとされ、「逆に良い数字となった場合の反応に注意」との指摘も聞かれるが指摘も聞かれるが果たしてどうなるか。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.80-107.10円。ドル高・円安方向は、昨日のドル戻り高値106.65円をめぐる攻防を注視。それらを超えると107円前後。そして107円半ばが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日と本日の2日続けて割り込めなかった106円レベルがかなり強いサポートか。ただ、割り込んだ場合には105.20円レベルがターゲットに。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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